スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

長年課題だったデスクトップパソコンのキーボード環境、“セミオーダー”のキーボードラックで解決していくッ!!

 デスクトップパソコンのキーボード環境について、ずーっと、長年、連続してあったモヤモヤを解消すべく、「透明アクリル製キーボードラック(セミオーダーサイズ)」というのを買ってみた。コモネットというアクリル製品専門店で購入。税込5258円だった。

コモネット「透明アクリル製キーボードラック(セミオーダーサイズ)」。注文時に欲しいサイズを指定する必要がある。これは外寸が横幅520×高さ90×奥行170mm。5258円で購入できた。サイズは注文通りで完璧♪ もちろん傷などもナシ。透明アクリルの厚さは10mmあり、後方に剛性を高めるアーチ状プレートがあるので頑丈だ
デスクトップパソコンのディスプレイ前に置いた様子。わりと大きな台座だが、透明なので存在感が希薄。目の前に置いても圧迫感がないのがナイス
使っているキーボードとマウスがちょうどよく入る
キーボード上空にモノを置けるようになる

 このキーボードラックにより、俺的デスクトップ・キーボード環境問題が完璧といっていいほど解消した。もぉぉぉ〜っと前からこのキーボードラック使っときゃよかった! とか思うほど。

 じつはこのキーボードラック、他人さまのアイデアからセミオーダーした。「えええっその方法マネしたい! つーか絶対にやってゆきたいッ!!!」と思って注文したのだ。

mochikoAsTechさん著の「最高のおうちオフィスではたらく」。紙バージョンを買うとPDFバージョンを利用できる「薄い本」なのだ
その本のなかにキーボードラックの話が出ていた。キーボードを格納できる台座的なもので、上に小物を置けて便利! みたいな話であった
こんな使われ方だが……これは超絶便利そう!!! と思って光の速さでセミオーダーを発射した俺であった。

 キーボードラックを利用するという考えは完全になかった。いや、そういうモノの存在は知っていた。DTMの人がコントロールサーフェスや鍵盤の下にキーボードをしまったりしていたが、あまり興味がなかった、みたいな?

 ともあれ、上記の使い方を知ってスゲく便利そうなので注文&使用開始してみたら、スッゲく便利! アルティメット便利でストロング便利で卍便利! というわけで今回はセミオーダーなキーボードラックをレビューしてゆきたいッ!!!

なんでキーボードラックにしたの?

 俺の場合、2012年の夏から「キーボードルーフ」というモノを使い始めた。キーボード用のハードカバー。キーボードのキー全体を覆うフタのようなモノである。

現在使用中のキーボードルーフ。透明ポリカーボネイト製で、キーボードのキー全体をカバーできるフタのようなものだ。確か……バード電子「テンキーレス専用キーボードルーフ」と同等のものだと思ったが……違うかもしれない。透明のゴム足は後から貼ったもの
使用中のREALFORCEにピッタリのサイズのキーボードルーフ。

 キーボードルーフを使う理由は3つ。

 ひとつはキーの汚れ防止。ルーフを被せることで、夜間などキーボード不使用中にキートップにホコリが付着しなくなる。長年キーボードルーフを使って「そうか」とわかったコトだが、キートップ表面の汚れの大半は「キートップにたまったホコリが指先の油脂により固着したもの」だと理解した。俺の場合は手をよく洗うヤツだが、「仕事前に手を洗ってるのに、なんでキートップが汚れるの?」と長年疑問に思っていた。だが、後述の理由でキーボードカバーを使い始めたら、キートップが汚れることが激減したといいほどなくなったので、「なるほど!」と。

 ふたつめの理由は、キー誤押下防止。じつはこれがキーボードカバーを使い始めた理由だが、キーを間違って押して書きかけの原稿がグジャグジャになったりするのを防ぐためだ。

2012年の夏、猫がキーボードを枕にしまくった。キーボードの上に乗ったりも。猫がbackspace押しっぱなしで書きかけ原稿が消えたことがあった(ctrl+zで回復できたが)。これを防止するためにキーボードルーフを導入。キーボード不使用時や猫が来たときにルーフを使うことで、猫によるキー押下を完全に防げるようになった
キーボードルーフにしたら、猫がキーボードを枕にする頻度が増えた気がする。平らで枕の使い心地がよくなった? 飼い主がアワアワしなくなって安心して昼寝できるようになった?

 3つめの理由は、これも誤押下防止と似た感じだが、キーボードの上にモノを乗せられるようになること。紙の本や資料あるいはタブレット上の情報と、デスクトップパソコン上(つまりディスプレイ上)の情報を見比べたりするとき、キーボードルーフを使えばキーボードの上に本やタブレットを軽く寝かせても大丈夫な状態になる。パソコン側の表示操作はマウスだけでイケる。

 キーが汚れない、猫が来ても大丈夫、キーボードの上にモノを乗せられる。これが便利&快適で、もう13年もキーボードルーフを使い続けているのであった。

 ただ、同じく13年くらい、キーボードルーフの使用感にちょっとしたモヤモヤを感じていた。

 それはキーボードルーフの上面が10°前後傾いていること。この傾きにより「ちょっとマウスを置いておこう」「スマートフォンを乗せておこう」的なことをすると、ズズズズーッと滑り落ちてしまう。マグカップの類も微妙に不安定で置くのはリスキー。

 なので、「キーボードルーフの上に置けるものは限られる」のであった。「キーボードルーフの上面はモノ置き場になりにくい」と言える。

 そのモヤモヤを一発で解消してくれたのがキーボードラックだ。キーボードラックの上面は平らなので、モノ置き場になる! キーボードをラックの下にスッと入れれば誤操作防止になる!

 そしてたぶん、キーボードラックの下に入れたキーボードには、猫ちゃんであってもそうそうアクセスしてこない! つーかそれ以前に、透明キーボードラックの上で箱座りするだろ猫ちゃん! これは「猫の裏側」を撮影する大チャンス! 全国の愛猫家・単体キーボードユーザーは、透明キーボードラックを導入して猫の裏側取り放題環境を構築す(以下略)。

 しかし……。多頭飼いの場合、キーボードを入れる前にキーボードラックの下に猫ちゃんが入り込んだら? さらに、キーボードラック上にほかの猫ちゃんが乗ったら? キーボードラックの上も下も猫ちゃんに占領され、本来のキーボードラックの利便が猫ちゃんに奪われ(以下略)。

 ということで、キーボードラックを導入したのだ。そして前述のとおり使い勝手は抜群。サイコーに便利である。

 ちなみに、キーボードルーフも継続して使っている。キーボードラックの下にキーボードを置いていれば、キーボード表面へのホコリの付着が激減することは確かである。

 だが、キーボードルーフを使えばさらにホコリの付着が減る。ので、就寝時など「キーボードをまったく使わないとき」はキーボードルーフとキーボードラックを併用している。

キーボードラックとキーボードルーフを併用するの図。まあここまでする必要はあまりないと思うが、このようにすれば猫より小さい愛玩動物さまである鳥類や齧歯類や爬虫類などがキーに乗ったりする問題も解消できるので、小型愛玩動物同居派・単体キーボードユーザーはキーボードラックとキーボードルーフを併用して各種問題を一挙解決す(以下略)

なんて便利なキーボードラック! 邪魔なら手軽にどかすことも可能♪

 キーボードラックを使い始めて何度も実感したのが「キーボード上空を自由に使える」という利便だ。上空っつっても、まあキーボード上方数センチにある限られた面の上ではある。

 だが、これまで「キーボードを置いたらその上方はデッドスペース」だったのが「キーボードの上をデッドスペースにしない方法」としてキーボードラックが連日役立っている。なので、まあ、ホント、マジで、何度も何度も何度もその利便を痛感しまくりなのだ。

キーボードを単体で置いた様子。キーボードの上の空間をなにかに使うとか、キーボードの上になにか置くとかいうことはほぼ不可能だ。キーボード上空はデッドスペースなのである
キーボードにキーボードルーフを被せると、キーボードの誤押下問題はなくなる。ワイヤレスキーボードの場合は電源をオフにすればいいが、有線キーボードの場合はパソコンからケーブルを抜くなどの必要が出てくる。ノートパソコンの場合も、キーボードルーフによりいろいろな状況を打破できたりする
キーボードルーフを被せると、キーボードの上に紙資料や書籍やタブレット端末などをもたれかけさせるように置くこともできる。だがルーフに傾きがある場合が多いため、それらがズルズルと動いてしまったりする。キーボードルーフ上面をマウスやスマートフォンの置き場にすることも不可能ではないが、滑り止め対策をしないと簡単に滑り落ちたりする
キーボードラックを置き、その下にキーボードを入れた。一応、ある程度のホコリ避けや誤押下防止となる。キーボードラックはキーボードルーフの役割もそこそこ備えている
キーボードラックを使えば、キーボード上空にモノを置き放題。スマートフォンやタブレットやメモなどを安定的に乗せられる! キーボードルーフでは「乗せるの絶対無理!」だった「軸が丸いペンやスタイラス」なども問題なく乗せられる!
キーボードラックの上にコーヒーカップやお菓子を置いてティーブレイクなんてコトも楽勝! なんならお弁当置き場にすることも可能!
キーボードラックの上に板タブや液タブと左手デバイスを置くことも可能! ペンタブレット使っても左手デバイス使ってもやっぱり必要になるキーボード操作。それもキーボードラックによりスマートにこなせるように! キーボードラック注文時にキーボード上空の空間を少し広めにする必要があるけどネ! あと描く位置がちょっと高めになるけどネ!

 とまあ、上になーんでも置けちゃうキーボードラック。キーボードラックにより、キーボード上空が自由に使えるようになったゼ!

 アレコレ捗りまくりだゼっ!!! みたいな?

 ただ、俺思うに、キーボードラックの上になんでも乗るからって、ずーっと同じものを置きっぱなしにするのは……それはソレでデスクトップの使い勝手悪化を招くように思う。

 キーボードラック自体を動かしたい(退かせたい)とき、キーボードラックそれ自体は便利なのだ。縦向きでも置けるから。

ある程度高さのあるキーボードラックを使えば、本来は左右側面となる面を底面として、一時的に立てておくこともできる。机上をより広く使いたい場合でも、キーボードラックはわりと便利に扱えるのだ

 キーボードラックの上にモノを置きっぱなしにすると、つまり「コレの定位置はキーボードラックの上」って決めちゃうと、キーボード上空空間の汎用性が失われる。また、キーボードラック自体の移動もできにくい状況に。さらにキーボードラックを立てて机上スペースを確保するのも「メンドクサイ」ということになる。

 便利なキーボードラックだが、使用スタイルを固定すると活用幅が狭くなってしまう。キーボードラックを自在に活用すべく、使用スタイルをなるべくフリースタイルにしてゆきたいッ!!! と思う次第だ。

アナログお絵描き・工作をディスプレイの前でする人にも、キーボードラックは便利

 本連載バックナンバーで「PCディスプレイを絵の具から守る! 「アクリルフレーム」で快適お絵描き環境を構築」とし、画面への絵の具付着などから守る件を書いた。結局、アクリルフレームと呼ばれる“ついたて”を使うことで、手軽に画面保護ができますヨ、という話。

Amazonで売られている「両面ディスプレイアクリルフレーム」。2枚セットで3399円だった。これをユーザーと画面の間に入れ、ディスプレイ表面が汚れたり傷付いたりするのを守る、という話。※画像はAmazon商品ページより抜粋
たとえばディスプレイにモチーフを表示し、それを参照して絵を描く場合。ディスプレイの前にアクリルフレームを立て、その手前に必要な道具などを並べて作業すると、ディスプレイへの絵の具付着などのトラブルを抑えられる

 ただし上記の方法、絵の具で絵を描くのと同時にキーボードやマウスも使うとなると、キーボードやマウスの汚れ防止対策が必要になる。記事中ではキーボードやマウスをビニール袋で包むという対策を取っている。ちょっとメンドクサイし操作にも違和感がある。

 だが、同様の目的でもキーボードラックを使うとヒッジョーにスッキリした環境を構築できる。

 具体的には、上記のアクリルフレームをキーボードラックの上に乗せ、キーボードラックの下にキーボードとマウスを格納してしまう。キーボードやマウスの汚れ防止は、キーボードラック前方をラップなどで軽く覆うか、あるいは紙などで軽くガードすればいい。

キーボードラックの下にキーボードとマウスを避難させ、キーボードラックの上に画面保護用のアクリルフレームを立てた様子。実質、アクリルフレームを置くだけで、ほぼ準備完了
キーボードラックの下のキーボードやマウスの汚れ防止は、キーボードラック手前にラップなどでちょっとしたカーテンを張るだけで行える
キーボードラックの手前に紙を軽く置くなどでもOK。ディスプレイ前で工作をする場合、机上汚れを防止するために紙やシートを敷く人は少なくないと思うが、それらをちょっと折り曲げる程度でキーボードとマウスの汚れ防止が可能になる

 ちなみに、キーボードラックをやや高めに・横広めにオーダーメイドしておけば、つまりキーボードラックに入れた状態でもキーボードやマウスを操作できるサイズでオーダーすれば、上の写真のような状態でもキーボードやマウスの操作ができる。工作時などにもパソコンを問題なく使えるというわけだ。

 といった感じで、非常にお手軽にディスプレイとキーボードとマウスの汚れ防止が可能になる。ディスプレイ前で工作などをする人にとっても、キーボードラックは非常に役立つアイテムになると思う。

【余談】じつは最初にオーダーしたキーボードラックは「大き過ぎた〜」のだが……

 以下は余談。

 ココまでに出てきたキーボードラックは、じつは2個目のオーダー品。1個目として注文したのは、パソコンデスクに置くにはちょっと大きすぎであった。

 それはショップ側の問題ではない。オーダーメイドしたキーボードラックは大きすぎではあったが、オーダーしたサイズとは誤差1mm未満の完璧な仕上がりのキーボードラックだった。

 大きすぎの原因は、「キーボードラックの下に置いたキーボードやマウスも余裕で操作したいでしょ〜」「もしかしたら左手デバイスもキーボードラックの下に入れて操作したいかもでしょ〜」「キーボードラックの上にモノをいっぱい乗せたいでしょ〜」とか欲が噴出した結果、大き過ぎるサイズで発注してしまった。結果、「このサイズだとサスガにパソコンデスク上のスペースが圧迫されるなあ」ということに。俺のオーダーミスなのであった。

 だが、そのオーダーミスのキーボードラックも、しっかり役立ってくれている。棚に置き、棚の空間を分割するカタチで使っている。

最近けっこう絵の具やインクなどで描いたり滲ませたり盛ったり削ったりするようになったので、棚の一部が画材置き場になっている。ちょっとしか使わないのに、1本・1瓶・1缶ずつなど数が増える画材は、整理整頓収納がタイヘン
パソコンデスクで使うには大きすぎたオーダーミスのキーボードラックは、画材置き場にピッタリ。棚を上下2分割にするように機能し、画材の整理整頓収納がより容易になった
透明のキーボードラックなので、下側になにが置いてあるかもよく見えて便利。1mm厚の透明アクリル板で作られているので、上に画材をたっぷり置いても全然歪まずナイスだ

 オーダーミスのキーボードラックであったが、「このキーボードラックって既存の棚を“より便利に使える棚”としてアップグレードするにもイイなぁ」と実感。ソレ用にあらたに注文して、キーボードラックを数階建てにして、棚の整理整頓収納能力を高めようかな、と現在画策中の俺であった。

 ちなみに、このサイズ・頑丈さ・精度のキーボードラックが前述の価格でセミオーダーできるのは、安価だと感じている。

 オーダーミスのキーボードラックは、サイズが外寸で横幅610× 高さ×120×220で6754円。まあ10個もオーダーしたら6万円オーバーだが、2〜3個なら手が出る価格で「棚の整理整頓性能アップグレードのため」に注文できるように思う。

 1個しか註文しないパソコンデスク用のキーボードラックとしても5000〜6000円台。このコストでキーボード周辺の快適さが劇的に高まるので、やっぱりコストパフォーマンスに優れたキーボードラックだと感じる。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。