スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

ピクセラ「Xit AirBox」で、MacもiPhoneもiPadもAmazon Fire HDも全部テレビになった!

テレビ番組をチョイ観すべくXit AirBoxを購入したら「スゲい!!!」

 明けましておめでとうございます! 今年もよろしくお願いいたします!

 去年末、ダラダラと仕事をしつつ、ふと思った。「やっぱり仕事場にテレビ置こうかな」と。仕事の合間にちょっとニュースなんかをチェックしたいと思い、仕事場へのテレビ導入を考えたのであった。

 だが直後、「いや、やっぱりテレビ放送受信再生装置を新たに置くほどは、仕事場でテレビを本格的に観たいわけではない」と思い直した。そーゆーコトはリビングでゆったりヤルし。

 それならアレか、「全自動ディーガ」とかの全録レコーダーを導入して、LAN経由でiPadとかでテレビ放送を観ればいいのかも。と思ったが、そこまでするほどの「仕事場でテレビ観たい欲」ではないのだ。チョイ観でいいんスよチョイ観で、みたいな。

 じゃあアレか、iPhoneとかにワンセグチューナーをつないで、それでニュースとかをチョイ観すればいいかも。とか思ったものの、直後に「いやーワンセグは画質的に寂しいし……仕事場だとワンセグチューナーの内蔵アンテナだと受信キビシイんだよなぁ」と、思いついたワンセグチューナー利用は中止した。

 アレコレ考えた末、「あっコレでいいのかも」と思ってポチッと買ったのがピクセラ「Xit AirBox(サイトエアーボックス)」。使ってみたら予想以上に良く、MacもiPhoneもiPadもAmazon Fire HDも全部テレビとして利用できるようになって「スゲい!!!」と思ったので、今回はXit AirBoxをレビューしてゆきたいッ!!!

仕事場の棚の端に置いたXit AirBox。電源・アンテナ・ルーターに接続すれば、スマートフォンやPCでテレビ放送を観られるようになる“ワイヤレステレビチューナー”だ。

Xit AirBoxってナニ?

 Xit AirBoxは地上デジタル/BS/CS放送に対応したテレビチューナー。コレをWi-Fiルーターに有線接続すると、同じLANに無線接続しているスマートフォンやタブレットやPCにてワイヤレスでテレビ番組を視聴できるようになる。モバイル回線経由で外出先からでも視聴可能。ピクセラオンラインショップ価格は1万8800円。

サイズは約幅35×奥行き115×高さ123mm(突起部除く/縦置き時)。横置きにもできる。重さは約190g。意外なほど小型で軽いのであった。
Xit AirBoxの背面。Wi-Fiルーターとは有線接続する必要がある。USBポートにHDDなどをつなげば、番組を録画することができる。専用クラウド上に録画するクラウド録画機能も搭載。

 視聴は専用アプリ「Xit wireless」で行い、Windows版/macOS版/Android版/iOS版/iPadOS版/Android TV版が用意されている。録画や予約録画にも対応し、もちろん録画した番組をスマートフォンなどでワイヤレス視聴できる。

 外出先からモバイル回線を介して放送番組/録画番組の視聴も可能。他府県や海外からでもXit AirBoxへ接続が可能で番組視聴できる。ただしモバイル回線での視聴は状況によって画質は低下する。

 なお、どの環境でも、Xit AirBoxへは1台の端末しか接続できない。Xit AirBoxへ2台以上の端末を同時接続することはできない。複数の端末にアプリを入れ、(同時接続でなければ)それぞれの端末から接続することはできる。

 また、クラウド録画中には2つの制限がある。ひとつは、裏番組の視聴には非対応であること。もうひとつは、クラウド録画中にUSB接続HDD上の録画番組の再生ができないことだ。クラウド録画中にクラウド録画した番組の再生はできる。また、HDD録画中に裏番組を観ることはできる。

iPhoneで地上デジタル放送フルセグ番組を視聴している様子。フルHDの地デジ映像じゃないような気がするが、元映像がフルセグなので十分高精細に感じられる。※著作権上の配慮からモザイクをかけている(以下同様)。
iPhoneでチャンネルを選んでいる様子。専用アプリは全体的に直感的に操作できるという印象だ。

 前述のように多くの端末をテレビ化できるXit AirBoxだが、映像保護の観点から一部PCでは使用できない。詳細はピクセラのサポート情報にあるが、Apple Silicon搭載Macについては内蔵ディスプレイ搭載機種(MacBook Air M1 2020/MacBook Pro 13-inch M1 2020/iMac 24-inch M1 2021)のみとなっている。Mac mini M12020には非対応。また、手持ちのMac Studioでも試したが、正しく利用できなかった。

 この「正しく利用できない」というのは、一応は専用アプリXit wirelessで番組の視聴はできる。のだが、映像を表示しているウィンドウの位置を動かすとアラートが表示されて映像が消え、音だけになってしまうのであった。アプリを再起動すれば再度映像は表示される。

 ただ、もしかしたら、アプリのバージョンアップで状況が変わってしまうかもしれない。そんなこともあるので、Xit AirBoxを買おうと考えている場合、テレビ化する予定の端末でXit AirBox(のアプリ)を使えるかどうかしっかりチェックするのが無難だろう。

「スゲい!!!」と思った簡単さ、ただ悪い意味でハマる場合があるかも!?

 俺の場合、こういうネットワーク関連機器のインストールにおいて、けっこー「悪い意味でハマりがち」なのであった。運が悪いのか? ネットワーク環境がダメなのか? 「このネットワーク機器が動かないぃぃーボクだけなぜか動かないぃぃぃー」と悪い汗をかくことがけっこうある。

 Xit AirBoxはどうだったか? これがまあ一発でサクッと超スムーズに動いたのである。Xit AirBoxを電源・アンテナ線・ルーターに接続したブリッジモードのWi-Fiアクセスポイントへとつなぎ、専用アプリのXit wirelessを使ったら、間もなく各種端末をテレビ化できた。

まずXit AirBoxをパッケージから取り出し、ACアダプター、アンテナ線、LANケーブル、HDDをつないだ。HDDは録画のため。LANケーブルは、ルーターにつながっているブリッジモードのWi-Fiアクセスポイントにつないだ。
続いてiPhone上で専用アプリXit wirelessを使い、初期設定をしていく。チューナーへのワイヤレス接続、チューナーの指定、放送のチャンネルスキャンなどが自動的に行われる。
チャンネルスキャンが終わると番組を視聴できるようになる。番組表も(データ取得後に)表示されるようになる。番組検索も可能だ。
ちなみにこのアプリ、スクリーンショットを取ると映像再生が行えなくなるので、アプリの再起動が必要になる。上記のスクリーンショットを取るためだけに8回もアプリ再起動したんだョ! 再起動後はチューナーへの再接続が必要になって、これにやや時間がかかるから、スゲく超ファ○キンかったるかったんダ!

 最初の「スゲい!!!」は、このテのネットワーク機器が一発でつながって使えるようになった「超スムーズに設定済んでスゲい!!!」であった。次の「スゲい!!!」は、iPhoneの画面にスムーズで高精細な地デジ・フルセグ映像が表示されて「やっぱワンセグよりずっとキレイでスゲい!!!」であった。

 そうして「いやー超スムーズで設定完了っすわー」と思い、「これなら記事化もスムーズにイキそうー」とも思うに至った。同時に、うっかりと「じゃあXit AirBoxの設置場所変えよう、ずっと使いそうだし」と思ってXit AirBoxの接続箇所を変えたのが運の尽き。悪い意味でハマってしまって悪汗ダクダクになったんすわー。

 最初、Xit AirBoxは、ルーターにつながっているブリッジモードのWi-Fiアクセスポイントにつないだ。そしたら問題ナシ。

 じゃあXit AirBoxの置き場所を変えようと、別の場所にXit AirBoxをつないだ。具体的にはルーターにつながっているブリッジモードのWi-Fiアクセスポイントにつながっているスイッチングハブである。そのスイッチングハブの近くにXit AirBoxを置くにナイスな空きがあったので、そうした。

 スイッチングハブにつなぐ直前、「一応スクリーンショットとか撮りつつ設定の流れを確認するため、再度Xit AirBoxをイチからセットアップしよう」とXit AirBoxを初期化してから作業を開始……してみたら!? なーんか調子が悪いのであった。

 具体的には、スマートフォンからXit AirBoxを見つけられないことが多々。でも見つかることもある。初回の超スムーズなセットアップと比べると「ホントにこの手順で合ってるのかなー」と不安になる程度、セットアップの進捗がギクシャクしている感じ。

 また、セットアップ後にも、やはりスマートフォンなど端末からXit AirBoxが見つけられないことがよく起きた。ので「もーしかしたらこのスイッチングハブ越しでのXit AirBox接続はダメなのかも」と思い、最初につないだ箇所に戻した。そしたら全然問題ナシ状態になった。

 原因がスイッチングハブなのかよくわからないが、こういうハマりかたを経験した。もしかすると、LANを構成する機器や接続順などで、Xit AirBoxは「スゲく調子の悪いチューナー」と感じられるかもしれない。でも問題が起きないと「スゲい!!! と思える優秀なチューナー」と感じられるかもしれない。そのあたりはユーザーのLAN環境次第なのかもしれないが、詳しくはわからない俺でありスミマセン。

スゲい!!! MacもiPhoneもiPadもAmazon Fire HDも全部テレビになってるぅぅー!!!

 元の位置に戻したXit AirBoxは、すこぶる快調。手持ちのいろいろな端末がテレビになりまくりで「この小さな黒箱マジでスゲい!!!」と喜んでいる俺であった。

iPhone 14 Pro Maxをテレビ化。ミニテレビって感じでカワイ楽しい。
iPad mini 6をテレビ化。縦置きにするとテレビ番組表示エリアとは別エリアにメニュー類が表示されるので便利。
これはAmazon Fire HD 10。若干持て余し気味の端末であったが、卓上テレビとしてはちょうどいいサイズ感だ。10インチの画面ほぼいっぱいにテレビ番組が表示される。
12.9インチiPad Proをテレビ化。卓上テレビとしては「かなり立派」という感じ。視聴しやすくてナイス。
16インチMacBook Proをテレビ化。んんん~微妙に大きいかナ? 画質も音質もかなりイイが、机上でチョイ観するには場所を取りすぎかもしれない。

 端末をサッと出してテレビ化してチョイ観するような使い方だと、iPhone 14 Pro MaxやiPad mini 6といった小ぶりの端末が使いやすい気がする。Amazon Fire HD 10も卓上テレビとして良いサイズ感だと思う。

 画質は、どの端末でも高精細で動きもスムーズ。フルHDの地デジ映像じゃないような気がするが、大画面ではないのでさほど気にならない。こういう映像を観ちゃうと、なおさら「やっぱり地デジだと寂しいな」という気になる。

 音質も良好。端末のスピーカー性能に左右されるものの、上の写真の端末はどれも十分「テレビのチョイ観」くらいなら高音質だと感じられる。

 また、試してみたが外部HDDへの録画も問題ないし、クラウド録画も問題なくできた。テレビのチョイ観で「あっこんな番組やるんだ」と気になった映画とかアニメとか中継とかを、とりあえず録画しておくという使い方はフツーにありですな。

録画した番組はリスト表示で探せる。カテゴリーは、番組ジャンル/未視聴/保護済み/すべてなどに分けられる。録画番組の検索はできないもよう。新しい録画には「New」マークが表示される。クラウド録画の場合は小さな雲マークが表示される。
録画番組の再生や送り戻しなど操作もフツーに便利。

 Xit AirBoxはお手軽便利な「PCやスマートデバイスをテレビ化できる小箱」。使ってみた実感としては「1万8800円で手持ちのデバイスをテレビ化できるって、なかなかイイ」というもの。俺の「テレビのチョイ観」をズバリ実現してくれた点で、満足度は高い。

 ただ、テレビやビデオレコーダーと比べると、それなりのクセがある。部分部分で「遅いなー」「スムーズさに欠けるかな」「わかりにくいかも」といった残念感があったりする。

 たとえばPCやスマートデバイスとチューナーの接続に少々の待ち時間がある。場合によって異なるが、LAN内では十秒前後であることが多い。外出先だと30秒くらいかかることが多い。今のテレビはリモコンでオンにすれば数秒で番組を視聴できるが、それに比べると「立ち上がりが遅いテレビ」という感触だ。

 チャンネルの切り替えにも若干時間がかかる。5秒くらいかかることが多い、かも。パッパッと切り替えることはできないので、これも一般的なテレビと比べるとスムーズさに欠ける。

 あと、テレビとしてけっこう細かな設定ができるので、ユーザーによっては「なんか設定がわかりにくい」と感じる人もありそう。メニュー自体はわかりやすい構成だが、項目数が多いので「どこで設定すればいいんだろう?」と迷うような気がする。

 とまあそういった「独自のクセ」を持つXit AirBoxではある。が、手持ちのPCやスマートデバイスをテレビ化でき、フルセグ映像で番組を楽しめるので、そーゆーコトをしたい人にとっては性能もいいし実用性がとても高いワイヤレステレビチューナーだと思う。興味のある方はぜひチェックしてみてほしい!

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スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。