三井公一の「スマホカメラでブラブラ」

最強のお散歩スマホ誕生か? 全50MPカメラの「arrows Alpha」で撮る日常

 FCNTから登場したスマートフォン「arrows Alpha(アローズアルファ)」。arrowsといえば、ハンドソープで洗えるほどのタフネスボディや、質実剛健な作りが代名詞だが、今回はカメラ性能にも並々ならぬ気合いが入っているという。

 寒さも本格的になってきた師走の街を、今回はこのarrows Alphaと一緒にブラブラと歩いてみた。なお端末の詳細なスペックや価格については、本誌別記事を参照いただきたい。

全カメラが約5000万画素級という贅沢な仕様

 arrows Alphaのカメラシステムにおける最大の特徴は、リア(背面)だけでなくフロント(前面)も含めたすべてのカメラに、約5000万画素クラスの高画素センサーを採用している点だ。

カメラスペック
広角カメラセンサー:Sony LYTIA LYT-700C(1/1.56型)
約5030万画素
絞り値:F1.88
焦点距離:24mm相当
手ブレ補正光学式(OIS)+電子式(EIS)
超広角カメラ約4990万画素
絞り値:F2.05
焦点距離:16mm相当
マクロ撮影対応
フロントカメラ約4990万画素
絞り値:F2.2

 背面のメインとなる広角カメラは約5030万画素。ピクセルビニング(画素混合)技術により、通常は約1250万画素として光を多く取り込み、暗い場所でもノイズを抑えた撮影ができる。その隣にある超広角カメラも約4990万画素と、メインカメラに引けを取らない高解像度センサーを搭載しているのがうれしい。

 望遠カメラこそ搭載していないが、メインカメラの高画素を活かしたデジタルズームと、独自のAI処理エンジンを組み合わせることで、幅広いシーンに対応できる構成となっている。

 ハイスペックなカメラを搭載しつつも、arrowsらしい「安心感」は健在だ。米国国防総省の調達基準(MIL-STD-810H)の23項目に準拠した堅牢性を持ち、万が一撮影中に手から滑り落ちても壊れにくい。

 さらにIPX5/8の防水・IP6Xの防塵に対応し、汚れたら泡ハンドソープで洗うこともできる。「arrows Alpha」を投げて的に当てるという、タフネスさをアピールするデモも行われているほどだ。

 撮影に夢中になって、つい足場の悪い場所や水辺に近づくこともあるが、そんな時でも気をつかわずに済むのは、スナップシューターとして非常に心強い。撮影画面はごく一般的だ。最近流行りのウォーターマークの写し込みも可能になっている。

「arrows Alpha」でブラブラ実写スナップ

 年末の街を「arrows Alpha」を手にフォトウォークした。スリムな端末は手にフィットし、すばやいカメラ起動と相まってスナップショット撮影を快適に楽しむことができた。写りもかなりいい。

「arrows Alpha」の写りは自然だ。見た目の印象に近い仕上がりに好感が持てる。2x時の質感、発色も実にいい
超広角カメラも好印象。ピクセルビニングで約5000万画素から生成される約1200万画素の絵だが、デジタルカメラライクな仕上がりになっている
マクロ撮影は超広角カメラが受けもつ。色づいた葉に肉薄したが、葉脈の細かいディテールまで捉えてくれた
大分の中津駅前。夜空にそびえる福沢諭吉像を撮った。立像の立体感と描写もまずまずで、ISO感度は約3000だが暗部のノイズ感も少ない。雲に霞んで見える月とLEDの電飾もしっかりと再現している
宇佐神宮の呉橋。「arrows Alpha」はその繊細な朱の色を実にいい感じに描写してくれた。屋根から装飾の部分までのディテールも素晴らしい
川でエサを探しているウ2羽を狙った。望遠カメラがないので2倍を超えたデジタルズーム域だ。引いてみると普通の写りに見えるが、拡大してじっくり見ると前衛アートのような描写になっている。将来的に望遠カメラを搭載したモデルが登場してほしいなあ、と感じた
風になびく工事現場のシート。そのビニール製の素材感がしっかりと写しとられている。フレームの描写も見事だ
工事現場に貼られていた子どもたちが描いた絵。太陽光にさらされてずいぶんと色褪せ、表面もひび割れてきている。「arrows Alpha」のメインカメラは見事にその様子をキャプチャーしてくれた
階段を上がっているときに「お!」と感じて撮ったカット。電源ボタンのダブルクリックにカメラ起動を割り当てたので、スムーズに撮影することができた。ボタンのクリック感も心地よい
渋谷で開催されているイルミネーション「青の洞窟」。そのムーディーな感じを見た目以上に再現できた。幻想的な感じながら、LEDひとつひとつを克明に描ききっている
「プロモード」でのマニュアル撮影はもちろん「最大画素」モードでも約50MPでの撮影も可能だ。カゴに押し込まれた枯れ葉の精細感に驚かされた
超広角カメラで竹林を撮った。空を見上げて「arrows Alpha」のシャッターを切ったが、竹の真っ直ぐな感じ、葉の描写、そしてHDRの自然な効き具合が気に入った
冬至を過ぎ、「これから日が徐々に長くなってくるなあ」と思いながら夕景を捉えた。「arrows Alpha」の写りは実にデジタルカメラライクで、自然かつ心地よい描写なのがいい。枝の緻密な描写、的確な発色と、本格的に写真を楽しんでいる人にもオススメできる端末だと感じられた

「arrows Alpha」まとめ

 「arrows Alpha」を使って感じたのは、タフネスという「守り」の強さに加え、全カメラ高画素という「攻め」の性能もしっかり備えていることだ。

 背面に搭載されたメイン(広角)と超広角の2つのカメラは、どちらも約5000万画素クラスの高画素センサーを採用。

 さらに、arrows史上最大となる512GBの大容量ストレージを搭載しており、写真や動画を容量気にせずガンガン撮れるのもうれしいポイントだ。

 リッチなストレージに遠慮なく写真を保存でき、バッテリー切れの心配もほぼ無用。そして何より、どんな場所でもラフに扱える安心感。「記録」だけでなく「作品」作りも楽しめる、最強のお散歩カメラとして活躍してくれそうな一台だ。

三井 公一

有限会社サスラウ 代表。 新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。 雑誌、広告、ウェブ、ストックフォト、ムービー撮影や、執筆、セミナーなども行っている。Twitter:@sasurau、Instagram:sasurau