みんなのケータイ
AirTagのおかげで鍵をなくさずに済んだ
2021年11月24日 07:18
筆者のカバンの中に必ず入っているものとして「位置情報タグ(スマートタグ、紛失防止タグ)」がある。
大変お恥ずかしい話だが、過去に何度か電車やバスの中にカバンを忘れて探しまわった経験があり、中にはそのまま見つからずそれなりに大きな損失になってしまったこともある。
また、カバンだけでなく鍵や財布を忘れたり落としたりしてしまった経験もある。いつからかよく使うカバンやなくしたら困るものには必ずといっていいほど、何かしらの位置情報タグをつけるようにしている。
位置情報タグの多くはスマートフォンとBluetoothで接続する。ユーザー自身のスマートフォンからの位置情報、あるいは同じ製品を使うユーザーとすれ違うことでタグの現在地が記録され、持ち主とタグが離れた状態でも、どこにあるかを確認できる仕組みだ。
しかし残念なことに位置情報タグ自体が「知られてはいるが、普及している製品ではない」ため、もし置き忘れたり紛失したりした場合、拾われて交番に届いていても、スマホで確認してみると地図上では紛失地点から動いていないことは珍しくない。
都内など人の多いところであれば、タグの場所がしっかり更新されていることもあるのだが、少なくとも筆者の自宅周辺では本領発揮できていなというのが正直な感想だ。
そんな位置情報タグだが、今年に限ればかなり注目を集め、そして実用的になったように思えたのがアップル(Apple)の「AirTag」だ。
もちろん筆者も購入した。AirTagに期待したのはその仕組みだ。
先にも書いた通り、位置情報タグでは「同じメーカー・製品を使うユーザー」とすれ違うことで位置情報が更新される仕組みが取り入れられている。
位置情報タグにも電池が必要なので「電池持ちが長い」とか「バッテリーが交換できる」といった機能面で魅力的な製品を選んだとしても、認知度の低いメーカーや製品では利用者も少ないことがある。つまり、一番期待したい「今どこにあるのか」がわかる機会も減ってしまうため、なかなか製品選びに苦労する。
だが、「AirTag」は「AirTagユーザー」だけでなく「iPhoneを使っているユーザー」とすれ違うことでも、その現在地が更新される。iPhoneユーザーの多い日本なら、他社の位置情報タグよりも「今どこにあるのか」がわかる機会が多くなるわけだ。
と、前置きがかなり長くなったが、期待して使い始めたAirTagについに先日助けられた。
筆者はいくつか持っているAirTagのうち、普段使いのカバンと鍵にAirTagを取り付けている。
そして先日、外出の際に自転車の鍵を挿したままであることに気付かず電車に乗ってしまったのだ。
少しだけ言い訳をするとこの日は荷物が多く、また自転車で駅前まで出てくる際もちょっと運びづらい量だったので、自転車を停めて荷物を卸して手に持って……とそちらに気がまわってしまい、いつもなら「自転車を停める」「降りる」「鍵を閉める」といった一連の流れではなかったので忘れてしまったというわけだ。
鍵がないことに気付いたのは既に数駅進んだタイミング。いつもと荷物も違うし、ちょうど冬用のアウターを今シーズン初めて身にまとって外出した日でもあったので「収納した場所がいつもと違うのでは」と、ポケットというポケットを探しても鍵がない。
そこでiPhoneの「探す」から、鍵の現在地を表示してみると見事に駅前に駐めた自転車に挿したままになっていることがわかった。
忘れたと気付いた時点で駅前に自転車を停めたところから数えて、すでに20分ほどが経過していたのだが、iPhoneの「探す」で見た鍵のAirTagの現在地情報は「1分前」という表示。
これが今まで使っていた位置情報タグなら最後にその場所があった時間を示す表示は自転車を駐めた時間で表示されていたはずだ。
もちろん、現在地の情報が頻繁に更新されていてもすぐに戻れなければ、紛失・盗難などのリスクは変わらない、それでも情報が新しく見えているだけでもなんとなく安心感は大きい。
今回は、外出先で合流予定の友人が、たまたま筆者の最寄り駅のあたりにいることが判明。鍵の回収をお願いできたので、鍵(または自転車ごと)失うことを避けることもできた。
ほぼ確実に忘れたものや落としたものが「今、ここにある」とわかることで、誰かに回収してもらう際でも余計な手間をかけないで済むことは、こうした「位置情報タグのメリットのひとつだ。
またAirTagとiPhoneの組み合わせであれば「タグまでの距離」を見ることもできる。
位置情報タグの多くは見つからない場合に音を鳴らす機能もあり、たとえば自宅で普段と違う場所にタグをつけた鍵を置いてしまったときに、音を頼りに探す機能は便利だ。
が、今の時期ならではかもしれないが、上着のポケットなどに放り込んでいるとなかなかすぐに見つけられなかったりする。そんなとき、AirTagは音に加え距離や向きで「ココにある」と探せる機能はかなり便利だ。
ご紹介した話のほとんどが筆者のズボラさについてのようで恥ずかしいのだが、忘れたりなくしたりして困るものにAirTagを取り付けるのはかなりオススメだ。
発売から半年が経過し「そんなのもあったよね」と若干忘れられつつあるような気もするが、筆者としては今回助けられたことで改めて推せるいい製品だと考えている。