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アップル、「AirTag」悪用を防ぐ仕組み導入へ
2022年2月11日 13:59
アップルは、忘れ物防止タグ「AirTag」の悪用を防ぐための仕組みを発表した。警告表示の改善などが実施される。
2021年4月に発売された「AirTag」は、カバンや財布などに入れておけば、ほかのユーザーのアップルデバイスで構成される「『探す』ネットワーク」を介して、その現在地がわかるようになっている。
「探す」ネットワークに導入される機能
今後のソフトウェアアップデートにより、AirTagの初設定時、「自分の持ち物を追跡するためのもの」「他人の同意なしに追跡することは世界中の多くの地位で犯罪であること」「被害者によってAirTagが検出される仕組みであること」などがメッセージとして表示されるようになる。
また、「不明な持ち物が検出されました」というアラートについて、AirPodsが近くにあれば、そのことを示す内容に変える。
今後予定されているソフトウェアアップデートで、AirTagを初めて設定するすべてのユーザーに対し、AirTagは自分の持ち物を追跡するためのものであること、AirTagを使って同意なしに人を追跡することは世界中の多くの地域で犯罪であること、AirTagは被害者によって検出されるよう設計されていること、および法執行機関はAirTagの所有者に関する情報の特定を要請できることを明記したメッセージが表示されるようになります。
Appleは、「不明な持ち物が検出されました」というアラートを受け取るというユーザーからの報告を聞いています。Appleは、このアラートはAirTagがユーザーの近くにある場合は表示されないことを確認しました(AirPods(第3世代)、AirPods Pro、AirPods Max、または他社製の「探す」ネットワーク対応アクセサリのみ)。上記と同じソフトウェアアップデートで、ユーザーが受け取るアラートを「不明な持ち物」ではなく、AirPodsがユーザーと共に移動していることを示す内容にアップデートします。
Appleは、AirTag、AirPods、「探す」ネットワーク対応アクセサリに組み込まれた安全に関する機能を伝えるために、apple.com/jpにある不要な追跡に関するサポートページをアップデートします。
このページには、どの「探す」ネットワーク対応アクセサリで不要な追跡のアラートが表示される可能性があるかについての追加の説明、このようなアラートの具体的な例を示すより多くの画像、およびこのアラートを受け取った後に何をすべきかに関する最新情報(AirTag、AirPods、または「探す」ネットワーク対応アクセサリを無効にする手順など)が含まれます。
また、National Network to End Domestic ViolenceやNational Center for Victims of Crimeなど、自身の安全が危険にさらされていると感じた場合に個人が利用できるリソースへのリンクも表示されます。
2022年後半に予定されるアップデート
2022年後半には、悪用されたAirTagが近くにある場合、iPhone 11以降であれば、その正確な場所がわかるようになる。これはカメラや加速度センサーなどの情報を組み合わせて実現する。
また、AirTagのスピーカーが改造されていたとしても、AirTagがその近くにいる人へ警告するため音を鳴らすとともに、ユーザーの手元にあるiPhoneなどのデバイスにもアラートを表示するようにする。
このほか、悪用など「不要な追跡」を見つけるためのロジックがアップデートされる。
この機能を使うと、不要な追跡のアラートを受け取ったユーザーは、不明なAirTagを正確に見つけることができます。iPhone 11、iPhone 12、iPhone 13のユーザーは「正確な場所を見つける」機能を使って、範囲内にある場合に不明なAirTagまでの距離と方向を確認できるようになります。iPhoneユーザーが移動するのに合わせ、「正確な場所を見つける」機能がカメラやARKit、加速度センサー、ジャイロスコープからの情報を組み合わせ、聴覚的、触覚的、視覚的なフィードバックでユーザーをAirTagへ導きます。
AirTagがその場所の近くにいる人に警告するために自動的に音を鳴らし、ユーザーのiPhone、iPadまたはiPod touchと一緒に移動していることが検出された場合、ユーザーのデバイスにもアラートを表示して、音を鳴らしたり、使用可能な場合は「正確な場所を見つける」機能を使うといった行動を起こせるようにします。これは、AirTagが聞こえにくい場所にある場合や、AirTagのスピーカーが改ざんされている場合などに役立ちます。
Appleの不要な追跡のアラートシステムでは、ユーザーへのアラート方法を決定するために洗練されたロジックを採用しています。不明なAirTagまたは「探す」ネットワーク対応アクセサリがユーザーと一緒に移動している可能性があることをユーザーに早期に通知するために、この不要な追跡アラートシステムをアップデートする予定です。
現在、不要な追跡のアラートを受け取っているiOSユーザーは、不明なAirTagを見つけやすくするために音を鳴らすことができます。Appleは、不明なAirTagをより簡単に見つけられるようにするため、音が最も大きく聞こえるトーンをより多く使用するようにトーンシーケンスを調整する予定です。
法執行機関との連携
その一方で、他人のカバンなど持ち物へAirTagを忍ばせておき、他人の場所を探しだそうとする行為も報告されている。アップルでも「悪意を持った人が犯罪の目的でAirTagを悪用する報告も目にしてきました」と指摘する。
警察など法執行機関と連携を進めており、AirTagの悪用例はまれながら、そうした事例は「ひとつたりともあってはならない」と説明。
全てのAirTagには、ひとつひとつ、固有の番号が割り当てられている。iPhoneなどとペアリングしたAirTagは、そのiPhoneのApple IDとも紐付けられる。これにより、法執行機関や召喚礼状の正当かつ有効な要請には、ペアリングされたApple IDアカウントの詳細を、アップルは法執行機関へ提供している。
実際に、AirTag関連の情報提供によって、犯罪者の逮捕と起訴に至ったこともあるという。