DATAで見るケータイ業界

携帯契約数、1~3月期はドコモとソフトバンクが90万前後の増加を示す

グラフで比較するキャリア決算(1)

 通信キャリア各社の2022年1~3月期決算が5月中旬までに出揃った。そこで各社の主要数値をグラフ化し比較していく。初回は契約数と解約率に焦点を当てる。

携帯契約数、1~3月期はドコモとソフトバンクが90万前後の増加を示す

 2022年3月末時点における各社の累計契約数は、NTTドコモが8475.2万(前四半期比90.7万増)、KDDIが6211.0万(同68.2万増)、ソフトバンク(PHS除く)が4917.2万(同88.5万増)、楽天モバイルが491万(同41万増)となった。4社あわせて約290万契約の増加となった。

 ここのところ、楽天モバイルを除く3社の純増はIoTなどの通信モジュール回線に支えられている面が強くなっているが、今期はどうだったのだろうか。

 1~3月期に90万前後の増加を示したNTTドコモとソフトバンクについては、NTTドコモの「通信モジュール」が48.5万増、ソフトバンクの「通信モジュール等」が48.7万増なので、純増の半数程度をモジュールが占めていることが分かる。一方、KDDIの「IoT累計回線数」は、海外の数字なども含まれるため参考値としての提示となるが、1~3月期は150万増を記録している。

一年で最大の商戦期を迎え、解約率は軒並み大きく上昇

 一年で最大の商戦期となる1~3月期は、各社とも軒並み解約率が上昇している。

 各社公表数値から、スマートフォンや従来型携帯電話に限った解約率(グラフの実線)を比較すると、NTTドコモが0.64%(前年同期比0.18ポイント増)、KDDIが1.04%(同0.28ポイント増)、ソフトバンクが1.14%(0.16ポイント増)と3社揃って上昇している。(楽天モバイルは非開示のため不明)

 なお、NTTドコモの解約率は、1~3月期より、OCNモバイルの契約数を含んで算出する方式へ定義変更されている。比較の際には留意いただきたい。

IT専門の調査・コンサルティング会社として、1993年に設立。 主に「個別プロジェクトの受託」「調査レポート」「コンサルティング」サービスを展開。 所属アナリストとの意見交換も無償で随時受け付けている。 https://www.mca.co.jp/company/analyst/analystinfo/