DATAで見るケータイ業界

携帯契約数、10~12月期は4キャリア揃って50万前後の純増に

グラフで比較するキャリア決算(1)

 通信キャリア各社の2021年10~12月期決算が2月中旬までに出揃った。そこで各社の主要数値をグラフ化し比較していく。初回は契約数と解約率に焦点を当てる。

携帯契約数、10~12月期は4キャリア揃って50万前後の純増に

 2021年12月末時点における各社の累計契約数は、NTTドコモが8384.6万(前四半期比39.2万増)、KDDIが6142.8万(同67.0万増)、ソフトバンク(PHS除く)が4828.7万(同66.1万増)となった。

 新規参入の楽天モバイルについては、申込数のみが開示されてきた時期が長かった経緯から比較対象に含めていなかったが、契約数値が安定的に開示されてきたので、今回より対象に含めることとした。12月末時点における契約数は450万(同39万増)だった。

 このように、10~12月期は、4社揃って50万前後の純増を記録し、各社ともに好調と思える数字となった。とはいえ、増加基調はIoTなどの通信モジュール回線に支えられている側面は否定できない。

NTTドコモは「通信モジュール」が41.2万増のため、それ以外の契約は減少だったことが分かる。ソフトバンクも「通信モジュール等」が47.8万増で、増加の大半を占めている(KDDIと楽天モバイルは非開示のため不明)。

市場の流動性高まり、解約率は軒並み上昇傾向

 通信契約の解約や、他社への乗り換えなど、市場の流動性が高まりつつある。

 各社公表数値から、スマートフォンや従来型携帯電話に限った解約率(グラフの実線)を比較すると、NTTドコモが0.55%(前年同期比0.15ポイント増)、KDDIが0.79%(同0.22ポイント増)、ソフトバンクが0.88%(0.20ポイント増)と3社揃って上昇している。(楽天モバイルは非開示のため不明)

 例年、新年度を控えた4Q(1~3月期)に解約率はピークを迎える傾向にあり、今後の推移にも注目していきたい。

IT専門の調査・コンサルティング会社として、1993年に設立。 主に「個別プロジェクトの受託」「調査レポート」「コンサルティング」サービスを展開。 所属アナリストとの意見交換も無償で随時受け付けている。 https://www.mca.co.jp/company/analyst/analystinfo/