iPhone駆け込み寺

11日のアップル「WWDC24」総まとめ――ついに発表されたアップルの独自生成AI「Apple Intelligence」など

 11日(日本時間)、米アップル(Apple)は開発者向けイベント「WWDC24」を開催し、iPhone/iPad/Mac/Vision Pro/Apple Watch向けOSの次期バージョンを発表するとともに、一部モデルで利用できるようになるアップル独自の人工知能「Apple Intelligence」についても発表した。

アップルのティム・クックCEO

人工知能「Apple Intelligence」が登場。ただし英語から

 アップルは人工知能を使った新機能群を「Apple Intelligence」として発表した。

 Apple Intelligenceは今秋、アメリカ英語向けのみで提供される。他言語への対応は来年以降とされている。使えるのはiPhone、iPad、Macで、それ以外のプラットフォームへの対応も来年以降としている。

 また、Apple Intelligenceの対応機種は、iPhoneだとA17 Proを搭載するiPhone 15 Pro/Pro Max、iPadやMacだとM1以降を搭載するモデルに限定され、A16以前のプロセッサーは対応しない。

 Apple Intelligenceは、画像や文章を生成するといった機能も搭載するが、それよりも ユーザーが何をやっているか、何をしたいかを理解し、ごく普通の作業をAIによって省力化・簡略化する 、というようなことに主眼を置いている。秘書や執事のような役割をiPhoneのSiriが担う、というイメージに近い。
 そのためにはユーザーの個人情報、カレンダーに登録された予定、受け取ったメールやメッセージ、端末に届いた通知など、さまざまなプライバシーなデータを人工知能が知る必要がある。しかし主要な処理はオンデバイス、つまりiPhone/iPad/Mac上で実行され、基本的な処理において個人情報はサーバーと共有されない。それもあって、対応デバイスは高性能なプロセッサーを搭載するモデルに限定されている。

 Apple IntelligenceはOSレベルに組み込まれ、文字入力ツールや通知機能、各アプリとも統合。さらには、音声アシスタントのSiriとも統合して、その受け答えが高度になる。生成AIが新アプリとして搭載されるのではなく、いままでも使っていたSiriや機械学習の機能が強化され、各アプリでもやれることが広がり、実用的かつ効率的になった、というイメージだ。

 主要な処理はiPhone/iPad/Mac上で実行されるが、ローカルでの処理が難しい巨大なAIモデルを使う場合は、「Private Cloud Compute」というオンラインのサーバーを利用する。ちなみにこのサーバーもアップルシリコンで構築されているという。

 サーバー利用時も、サーバーと共有されるデータは最小限となる。サーバーへのリクエストに使われたデータは、サーバーには保存されず、そのリクエストにしか使われず、第三者がプライバシー状況を検証可能にするという。

ChatGPTともシームレスに統合

 アップルのAIは、知識や助言を得るというような他社の生成AIが得意とする分野は他社に任せ、自社のAIはデバイス上のアプリに密接に組み込むことで、ユーザーの日常的なタスクを支援することに主眼を置いている。

 AIとしての方向性の違い、あとはApple Intelligenceが他社の生成AIよりもやや後発となったこともあってか、アップルはApple Intelligenceについて、「AI for the rest of us(残りの私たちのためのAI)」と表現している。

 一方で、「インターネット上の膨大な知識をベースとした助言を得る」といった他社の生成AIが得意とする分野については、OpenAI社のChatGPTと連係する。

 具体的には、SiriのインターフェイスからワンタップでChatGPTにリクエストができるようになる。テキストツールにも統合されていて、オリジナルのテキストをゼロから作成する、といったこともChatGPT側で処理できる。

 また、知らないあいだにChatGPTにリクエストが転送されない。ChatGPTのアカウントを作らずとも、Siriのユーザーは誰でも無料でChatGPTにアクセスできる。一方で、ChatGPTの有料サブスクリプションのユーザーは、アカウントを接続することで、有料機能も利用できる。

 このSiriとChatGPTの統合は、年内に提供される予定だ。そしてChatGPTに限らず、将来的にはほかのAIモデルもサポートするという。

メール作成や音声メモのサマリー、通知の緊急度判断など

 Apple Intelligenceは、たとえばiOS/iPadOS/macOSの標準のテキストツールに組み込まれ、テキストを書いたり選択してコピーできるようなアプリであればどこでも使える。このほかにも通知の要約ができたり、メールやボイスメモといったアプリにも組み込まれる。

 このあたりの機能の対応機種は、Apple Intelligence対応とされるiPhone 15 ProやM1チップ搭載iPadに限定されないようで、一部機能はより古いモデルでも利用できるようだ。

 まず、標準のテキストツールに組み込まれることで、どのアプリでも書きかけの文章を校正したり、テキストのテイストを「フレンドリー」や「プロフェッショナル」に書き直すことも可能になる。また、サマリー(要約)を作ったり、キーポイントを箇条書きにしたり、テーブルを作成したり、といったこともできる。

 OSの通知機能にも組み込まれ、通知の内容をApple Intelligenceが読み取り、緊急性の高い通知を優先的に表示できる。たとえばレストランで待ち合わせをしているけど、相手から遅刻するというメッセージが連続して届いたとき、最新の遅刻状況を知らせるメッセージを優先的に通知画面に表示したりする。

 メールアプリは、受信ボックスがタグ分けされ、重要度の高いメールやプロモーションメールなどが自動分類される。さらに長いメールの要約機能も搭載される。送られてきたメールに対し、半自動で返信を作成する機能が搭載される。

 メモアプリもApple Intelligenceで強化される。たとえば音声メモの録音をテキストの書き起こし、要約を作るといったこともできる。通話の録音や書き起こしも可能になる。

さまざまなシーンで「コンテキスト」を理解する

 Apple Intelligenceはスマートデバイス上のさまざまなデータを組み合わせ、ユーザーのコンテキスト(これまでの流れや背景情報)を深く理解する。

 アップルのプロモーションビデオでは、母が遠くから会いに来ているユーザーというシチュエーションで、Apple Intelligenceが統合されたSiriに、「お母さんの飛行機の着陸はいつですか?」と聞いたときの例を挙げている。

 この例では、Siriは誰が母であるかを理解している。そして母から送られてきたメールから、どのフライトに乗っているかをSiriが理解し、そのフライトの最新データをSiriが検索し、そのフライトの到着時刻を返答する。続いてユーザーが「ディナーの予定はどうだっけ?」と聞けば、Siriは直前のやりとりから母とのディナーであると推測し、それに関するメッセージのやりとりを探して表示する。

 現行のSiriでも、母の連絡先は理解している。また、Spotlight(ホーム画面を下にスワイプすると表示される検索フィールド)でフライトの検索も可能だ。しかし上記の例を現行環境でやるとなると、まず“メールをチェック”し、“母のフライト便名を見て”、それを“検索”し、検索結果から“到着時刻を見る”必要がある。現行環境だと、時間も手間もかかるし、当たり前だが画面を見ないとダメだ。

 しかし、Apple Intelligenceが導入されれば、それが数秒で完結する。しかも画面をしっかり見る必要がないので、歩きながらや手作業をしながらでも利用しやすい。歯を磨きながらは難しいかも知れないが、着替えながらは可能だろう。

 Apple Intelligenceは、iPhone/iPad/Macでしか使えないとされている。Apple WatchやAirPodsなどのウェアラブルデバイスでどこまで使えるかは明らかにされていないが、接続するiPhoneなどが対応デバイスであれば、ある程度の機能、たとえば通知が要約されて表示・読み上げがされるといったことや、必要な返信の作成などの機能がウェアラブルデバイスで行なえるようになることも期待される。

画像生成AI的な機能も標準搭載

 AIが画像を生成する機能としては、「Genmoji」という新機能も搭載される。これはメッセージに貼る絵文字を即興でAIが作成(Generate)するという機能だ。自由なテキストからイラストを生成できるほか、写真ライブラリにある相手の写真から誕生日のイラストを作成する、といったこともできる。

 また、メモアプリにApple Pencilで書き込んだラフスケッチからイラストを清書する「Image Wand」機能も搭載される。周囲のテキストからコンテキストを理解し、貼り付けるイラストを生成することもできる。

 こうした画像生成機能は「Image Playground」という名称の新機能となり、各アプリ内に組み込まれているほか、専用のImage Playgroundアプリで試すこともできる。

 このほか、撮影した写真について、背景に写ってしまった無関係の人を消すといった、他社ではお馴染みの機能もiPhoneの標準レタッチ機能に追加される。

 写真や動画のAI応用はさらに拡大し、画像の検索はより自然な言語で可能になり、動画の検索もより精度が高くなる。また、現行では自動生成される「メモリー」もユーザーがカスタム作成できるようになる。

音声でなくてもSiriを利用可能に。Siriに頼めることも増加

 声を出せない環境でSiriを使うために、「Type to Siri」という機能も追加される。画面の下部をダブルタップすることでテキスト入力画面が起動するので、そこでSiriに聞きたいこと、やってもらいたいことを入力することで、Siriを利用できる。

iPhoneではロック画面でも使える。従来のSpotlight機能と似たインターフェイスとなるが、Spotlightが存続するかどうかは不明。

 音声を使わないというところでは、通話着信時にAirPodsを着用していると、電話に応答するかが音声で聞かれるが、そのとき音声で返信しないでも、首を頷いたり振ったりすることで反応できるようになる。たとえば声が出せない環境でもハンズフリーで着信拒否ができるようになる。

 Siriによる音声の聞き取りもより柔軟になる。話しかけている途中で言いよどんだり、内容を言い換えたいしても、それを正しく理解できるようになる。

 画面上に何が表示されているかもSiriがある程度理解する。たとえばテキストメッセージ中に住所が送られてきたとき、Siriに「この住所を連絡先に追加して」とお願いできる。また、Webの入力フォームで免許証番号を求められたとき、写真ライブラリからSiriが免許証の写真を探し出し、ポップアップ表示させる、というようなことも可能だという。

このように、フルスクリーン表示が基本のスマートフォンで不得意なアプリ間の連携も、Siriによって容易になる。

iOS/iPadOS/macOS/watchOS/visionOSの新バージョンも発表

 アップルの各デバイス向けの新OSとして、iOS 18/iPadOS 18/macOS Sequoia/watchOS 11/visionOS 2が発表されている。いずれも一般提供は今秋の予定で、パブリックベータは7月から提供開始予定。

 最近のmacOSは、アメリカの国立公園の名前を拝借して命名されていて、今回はセコイア国立公園の名前を冠している。セコイアはヒノキ科の巨大針葉樹の名前でもあり、セコイア国立公園はその木の名前から取られている。

 いくつかの大型アップデートは複数のプラットフォーム共通となる。目玉のひとつであるApple Intelligenceは機種が限定されるほか、前述の通り英語のみの提供となる。

 iOS 18の対応モデルはiPhone XS/XR以降とiPhone SE(第2世代)以降で、iOS 17から変更はない。ただし一部機能はモデルによって対応機能が異なる。

 iPadOS 18の対応モデルはiPad(第7世代)以降、iPad mini(第5世代以降)、iPad Air(第3世代以降)、11インチiPad Pro全モデル、12.9インチiPad Pro(第3世代以降)。iPadOS 17からは一部変更となり、iPad(第6世代)や一部のiPad Proがアップデート対象外となる。

 macOS Sequoiaは基本的に現行のmacOS Sonomaと同等でアップルシリコン搭載Macとなるが、MacBook Airは2020年以降の対応となり、2018年と2019年のモデルがアップデート対象外となる。

 watchOS 11の対応モデルはSeries 6以降、SE(第2世代)以降、Ultra前モデルとなり、Series 4/5と初代SEはアップデート対象外となる。

iOS/iPadOSはホーム画面など基本機能が強化

 iOS 18/iPadOS 18共通の新機能としては、ホーム画面のカスタマイズなど、基本UIの強化が挙げられる。

 ホーム画面はアイコンの色調を含めてカスタマイズできるようになる。

 アイコンの並べ方も、従来は左上から詰めるようにしか並べられなかったが、iOS 18/iPadOS 18では、自由な位置に移動できるようになる。Androidやパソコンでは当たり前のことで、古くから一部ユーザーの不満があったポイントだが、ようやく改善されたかっこうだ。

 アップルでは壁紙写真の見たい部分を隠さないようなアイコン配置を提案しているが、タップしやすい下部を中心に使用頻度の高いアプリを配置する、といった使い方もしやすくなる。

 画面右上からスワイプするコントロールセンターは大きな変更が加えられる。現行のコントロールセンターは1ページのみで、縦に長いページをスクロールしていく形式だが、iOS 18/iPadOS 18では、複数のページを設定できるようになる。

 たとえば電波や集中モード設定などの基本ページ、音楽コントロールのページ、IoT家電の操作ページといった複数を用意でき、それらを縦スワイプで切り替えられる。これにより、サードパーティアプリなどで大量のコントロールを配置したいときにも使いやすくする。

 さらにiOS 18ではコントロールをロック画面やiPhone 15 Proが搭載するアクションボタンに配置できるようになる。ロック画面の下部には、現状ではフラッシュライトとカメラが配置されているが、これを変更できるような形式だ。

 iOS 18/iPadOS 18では新たに「Game Mode」が追加される。こちらはバックグラウンド処理などを制限することで、フレームレートを向上したり、プレイ時間を長くするようにしている。また、Game Mode中はAirPods Pro(第2世代)や無線ゲームコントローラーの遅延を減らし、レスポンスが向上する。

 Game ModeはMacには追加されないが、Macを含めたアップルプラットフォームでのゲームの充実も引き続きアピールされている。

 とくにアップル公式サイト上のMac向け新作ゲームのリスト画像の中には、詳細は不明ながら、 国産インディーズゲームとしては異例の大ヒットを記録して話題となった「パルワールド」も掲載 されている。このほかにも「バイオハザード」シリーズ、「アサシンクリード」の最新作、インディーズゲームの「Valheim」なども挙げられている。

新しいパスワード管理アプリはWindowsにも対応

 Safariや各アプリのパスワードを記録して自動入力する機能は、従来は設定画面の「パスワード」などで管理していたが、iOS 18/iPadOS 18/macOS Sequoia/visionOSでは専用のパスワードアプリが追加される。

さらに、iCloud for Windowsアプリにも対応し、Windowsでも自動入力などが利用できるようになる。

メモアプリは音声書き起こしや簡易計算などいろいろ強化。

 標準のメモアプリはいろいろと強化され、まず音声のリアルタイム書き起こしに対応する。Apple Intelligenceの機能とも連係しているが、こちらはiPhone 12以降で利用可能となっている。ただし対応は英語のみ。

メモアプリでは折りたたみ可能なセクションヘッダの導入により、アウトラインプロセッサ的な使い方も可能になる。

 さらに、「なぜiPadに標準搭載されないのか」と長年にわたりユーザーの間で不満と疑問の声が募っていた計算機アプリが、iPadOS 18でついに搭載されることが発表された。アップルではジョーク気味に「快挙」と紹介している。

iPhoneの計算機アプリをベースとし、単位換算や履歴表示に対応した計算機アプリが搭載されるほか、「計算メモ」という新機能も搭載される。こちらはApple Pencilを使い、手書きで数式を入力することで、計算結果が表示される。

 iPadに純正の計算機アプリがなかったことから、サードパーティ製の手書き計算機アプリは多数あるが、標準の計算メモはそれらに劣らない多彩な機能が特長。OSアップデート時にしばしば発生する「アップルによるサードパーティ圧迫案件」とも言える内容だ。

 純正の計算メモでは、手書きした数式はフォントに清書置換されず、手書きのままで、さらに計算結果の数字も、ユーザーの筆跡に似せた手書き文字で表示される。関数電卓に使うような演算ができるほか、グラフを描写することもできる。

 こうした計算メモ機能はメモアプリ上でも動作する。手書きを使えないiPhoneやMacでも、メモ中に数式や変数を書き込み、簡易計算させることができる。たとえば「交通費=20000円」、「宿泊費=30000円」と書いておいて、下の行で「交通費+宿泊費=」と入力すれば、それぞれを代入して計算される。

 メモアプリの手書き機能はさらに強化されて、手書き文字は書いたそばから自動で整列されたり読みやすく修正されたりする。自動で整列するので、手書きながら、あとから文字列を挿入したりすることも容易になっている。また、テキストをペーストすれば、それまでの筆跡に似せた手書き文字でペーストされる。

MacからiPhoneを操作できるように

 macOS Sequoiaには独自機能としてiPhoneミラーリングが追加される。これは近くにあり、同じApple IDでサインインしているiPhoneをMacからリモートでコントロールするというもの。Macの画面上にiPhoneの画面が表示され、タップなどの操作ができる。

 さらにiPhoneに届いた通知がMacに表示されるようになり、そのままMacから通知を確認したり返信したりもできる。

 また、今年後半に追加される機能として、リモート表示しているiPhoneの画面にファイルをドラッグアンドドロップして転送する機能も発表されている。

 一部の著作権保護された映像配信アプリにおいて、AirPlayによるミラーリングなどが使えない制限が設けられたりすることがあるので、このiPhoneミラーリングにも同様の制限が設けられる可能性は高い。そのため、ゲームの周回操作をMacで行なったり、なんらかのツールで半自動化するといったことが可能かは、ゲームタイトルによるかもしれない。

メッセージアプリはついにRCS対応に

 iPhone標準のメッセージアプリは、ようやく標準規格のRCSに対応するようになる。これにより、iMessageを使っていない人、ようするにAndroidスマートフォンユーザーとのあいだでも、SMSではなくRCSでやりとりできるようになり、画像や音声の添付などが使えるようになる。

 さらにアメリカ限定だが、iPhone 14以降のモデルでは内蔵する衛星通信機能を使い、モバイルネットワーク圏外でも、衛星経由でiMessageやSMSでのメッセージが利用可能になる。

 このほか、iPadやMacとの共通の新機能として、テキスト演出の追加や、誰かが送信したメッセージに対する絵文字やステッカーによる反応、スケジュール送信などの機能が追加される。

アメリカではApple Cashの個人間送金がより便利に

 アメリカで提供中のApple Cashが強化され、対応するiPhone同士やApple Watchを近づけるだけで残高を目の前のiPhoneに送ることができるようになる。

 その場に居る人同士でのやりとりのための機能だが、このとき、電話番号やメールアドレスと言った個人情報はやりとりされない。一方でFace IDやTouch IDなどの認証なしに送金もできない。ガレージセールなどでの利用が想定されている。

 ウォレット関連では、ウォレットで管理するイベントチケットがイベントガイドとより連係するなどの機能強化も施されている。

Apple Watchは健康管理機能などを強化

 watchOS 11ではバイタルデータを収集したり閲覧したりする機能が強化される。心拍や呼吸、体温など、睡眠中に計測したデータは1か所に集約され、より見やすくなる。

 ワークアウト機能も強化され、エクササイズの運動強度のリアルタイム評価がより使いやすくなっている。また、日々の目標を表示する「リング」も、怪我や体調不良、休みの日のための一時停止機能が追加され、連続記録が途切れなくなる。

 昨年のwatchOS 10で追加されたスマートスタック機能強化され、必要なものが自動追加されるなどの機能が追加される。さらに翻訳機能がApple Watchでも使えるようになる。最新のApple Watchで追加された、親指と人差し指をダブルタップする操作は、APIが解放されサードパーティアプリでも使えるようになる。

Apple Vision Proが日本でも発売

 「Apple Vision Pro」は、今年2月からアメリカで発売になったばかりで、やや短い期間でのOSバージョンアップとなり、その分、UI変更などは控えめとなっている。

 大きなところでは、写真関連で2D写真を機械学習で立体に起こしたり、写真アプリのデザインを変更したり、新しいジェスチャナビゲーションの追加などがある。後ほど追加される機能としては、Macの仮想ディスプレイを利用する際、実ディスプレイとは関係なく、ウルトラワイドディスプレイを使えるようになる。

 このほか、新たにVision Proが日本でも発売することが発表された。6月14日から予約注文が開始され、発売は6月28日から。税込み価格は256GBモデルは59万9800円、512GBモデルが63万4800円、1TBモデルが66万9800円となる。

 ちなみに北米ではそれぞれ税抜き価格で3499ドル、3699ドル、3899ドル。1ドル157円とすると54万9343円、58万743円、61万2143円となり、日本での税抜き価格の方が若干安価となる。購入時にはFace ID搭載iPhoneで顔の形状をスキャンしたり、度入りインサートレンズのための処方箋が必要になる。