レビュー

iPhone Airユーザーが「iPhone 17e」を1カ月使って感じたその魅力

 3月11日、iPhoneシリーズの廉価モデルという位置づけで「iPhone 17e」が発売された。iPhone SEシリーズは数年に一度登場していたが、昨年よりiPhone eシリーズへと刷新し、毎年発売していく方針に変更されたようだ。

 「iPhone 17e」の特徴といえば、後にも先にも価格になるだろう。公式ストアでは9万9800円からとなっており、Androidスマートフォンで言えば、ミッドハイ、準ハイエンドと呼ばれる端末が並ぶ激戦区だ。

 発売から1カ月ほど経ち、iPhone 17eの魅力や、その良し悪しが見えてきた。普段はiPhone Airを利用している筆者からの観点も交え、レビューをお届けしていこう。

持ちやすさを決めるのは「サイズ」か「薄さ」か

 そもそも筆者がiPhone Airをチョイスした理由は、圧倒的に持ちやすく、快適だから。5.64mmの薄さ、165gの軽さながら、動画視聴やゲームも楽しめる6.5インチのディスプレイサイズが気に入っている。

iPhone Airの薄さ、軽さは唯一無二。発売から半年以上が経過しても色あせない魅力だ

 持ちやすさという意味では、iPhone 17eも近年のスマートフォンとしては非常に優秀な仕上がりだと感じる。重さは169gでiPhone Airよりわずかに重いが、縦幅、横幅は一回り小さくなっているため、握りこんだ際のホールド感が高い。

iPhone 17eはコンパクトで、iPhone Airとは違う方向性の持ちやすさを実現している

 もちろんディスプレイサイズの差はあるが、持ちやすさという観点でいうと、iPhone 17e、iPhone Airのどちらも高い水準で争っている印象。iPhone 17eの持ちやすさがサイズ由来なのに対し、iPhone Airは薄さでアプローチしているという構図になる。

 ポケットへの出し入れがスムーズでかさばらないのが薄いiPhone Airの美点だが、iPhone 17eは片手操作でも画面上部に指が届きやすいのがいい。iOS 26は、画面右上からのスワイプでコントロールセンター、左上からのスワイプで通知センターの表示が割り振られているため、さまざまな情報にアクセスしやすいという意味では、iPhone 17eに分がある。

 背面はどちらもさらっとした手触りで、指紋の付着も気にならない。カメラバンプが盛り上がっておらず、レンズのみが突起したiPhone 17eのデザインのほうが、個人的にはまとまりを感じて好みだ。新色のソフトピンクは、サクラを彷彿とさせる柔らかいピンク色になっており、写真の印象以上に、男性が持っていても違和感がない色味だと感じている。

ピンクと聞いて敬遠しがちな男性もいるだろうが、違和感なく使える淡い色合いに仕上がっている

ベゼルとリフレッシュレートの低さは気になる

 ディスプレイは6.1インチで、今の基準で考えるとコンパクトと言える。これが操作のしやすさにも繋がるのだが、動画、ゲームといったコンテンツを積極的に楽しむのであれば、やや物足りなさを感じるサイズだ。

ベゼルの太いデザインはやや古臭さもある

 iPhone AirやiPhone 17シリーズと比較すると、ベゼルはかなり太い。Androidスマートフォンを見ても、10万円弱の端末と考えると太い印象で、やや古臭い印象を受ける。

 ディスプレイ上部にはノッチデザインが採用される。こちらもiPhoneシリーズとしては旧世代の仕様で、iPhone AirのDynamic Islandと比べると古いデザインになるため、賛否が分かれる部分だろう。

iPhone 17eのノッチ、iPhone AirのDynamic Island。賛否はあるだろうが、ノッチでも悪くないと感じる

 個人的には、ノッチを採用しても問題ないと感じている。というのも、Dynamic Islandの浮島のようなデザインは、ディスプレイを深く侵食している印象が強く、コンテンツを表示している際、明確に邪魔だと感じるシーンがある。

 ライブアクティビティを表示する機能は便利だが、個人的にはあまり気に入っていない。どうせ画面を侵食するのであれば、ベゼルと一体になっているノッチのほうがまだ見やすいというのが個人的な感覚だ。

 コンテンツを表示するうえで、もう1つ押さえておきたいのがリフレッシュレート。iPhone 17eは60Hz、iPhone Airは120Hzとなっており、素早いスクロール、ゲームプレイ時などには、明確に動作の鈍さを感じてしまう。

 廉価モデルである以上、仕方のない部分という見方もできるが、同価格帯のAndroidスマートフォンの場合、多くが90Hzや120Hzのディスプレイを搭載していることを鑑みると、やはり物足りなさを感じる。

シングルカメラは十分実用的

 iPhone 17e、iPhone Airはいずれも48MPのシングルカメラを備える。iPhone 17eは「光学式手ぶれ補正」、iPhone Airは「センサーシフト光学式手ぶれ補正」となっており、若干の仕様の違いはあるが、体感できるほどの差異はない。

どちらもシングルカメラを搭載。使い勝手に大きな差はない

 いずれも、チップセットの処理能力向上といった理由からか、前世代よりもかなりクリアで明るい写真が撮影できる印象。2倍の光学相当ズーム、10倍のデジタルズームも利用できるため、カメラ機能にこだわりがなければ、あまり不満に感じることはないだろう。

 望遠カメラはともかく、超広角カメラが非搭載なのはいかがなものかという話題はあるが、個人的にはそこまで重要視していない。広い画角で撮影したいシーンがないとは言わないが、超広角カメラは歪みが出やすい関係から、普段から一歩引いて、メインカメラで撮影をするといった工夫をしていると、あまり気にならなくなる。

 もちろん、カメラ数が多いに越したことはないが、それで価格が上がってしまうのであれば、10万円切りを維持し、シングルカメラを採用する方向性は理解できる。もっと言えば、ほぼ同じシングルカメラなのに、iPhone Airが高すぎるのではないかとすら思えてくる。

 フロントカメラはiPhone 17eが12MP、iPhone Airが18MPと差があり、センターフレーム機能やデュアルキャプチャといった一部機能は、iPhone 17eで利用できない。これらを利用したい人には、先に発売されているiPhone 17、iPhone Airをおすすめするが、個人的にはフロントカメラを利用する機会がほぼ皆無なので、特段気になることはない。

 もう1つ、カメラ関係の性能で言うと、iPhone 17eにはカメラコントロールが搭載されていない。シャッターボタンのように利用できるカメラコントロールは、慣れると便利な機能ではあるだろうが、誤操作の原因ともなるじゃじゃ馬のような存在だと感じている。

 個人的に、カメラコントロールを使う機会はほとんどなく、なくても問題ないと感じているため、シンプルな構造のiPhone 17eのほうが使いやすさすら覚える。

iPhone 17eはカメラコントロールが非搭載だが、あまり使いにくさを感じることはない

バッテリー持ち、充電速度はあまり気にならないが完璧ではない

 搭載バッテリーは例年通り非公開となるが、ビデオ再生は最大26時間とされている。いい加減、公式が公表すればいいのにという不満はさておき、使用している体感としては、1日の使用にギリギリ耐えられるかどうか、といった印象だ。カメラやゲーム、インターネット共有といった使い方をしすぎると、帰宅までに電池が持たなくなる日もある。

 電池持ちが不満かというと、そういうわけではないが、これはiPhone Airと動作時間がほとんど変わらないからだろう。iPhone 17やiPhone 17 Proと比較すると、もう少し顕著に差が出てくるポイントであり、日中に充電する機会があまりない人や、モバイルバッテリーを持ち歩きたくない人には向かない端末と言えるだろう。

 充電速度も、30分で最大50%と2モデルで共通となる。近年の基準で考えると速くはないが、しっかりと充電のルーティンができていれば問題ない。ただし、ほかのiPhone 17ファミリーはより高速な充電に対応しているため、速さを求めても、やはり別のモデルが選択肢となる。

 一方で、iPhone 17eでは前モデルから新たにMagSafeに対応した点は見逃せない。ケーブルの抜き差しなく充電ができるのはやはり便利だ。加えて、さまざまなアクセサリを装着できるという観点から見ても、普段使いがしやすくなっているのは大きなポイントだ。

MagSafe対応で使い勝手が向上した
スタンバイモードも利用できるが、常時表示には非対応

安定感のあるA19チップだが将来性は未知数

 搭載するチップセット(SoC)はA19。iPhone 17に搭載されているものと同じ型番だが、GPUコアは1つ少ない4コアとなる。iPhone AirのA19 Proチップと明確にすみ分けられており、ここも価格を分けるポイントなのだろうが、操作性に極端な違いは感じない。

 長時間のゲームプレイ時など、画面のカクつきや本体の発熱が見られるシーンはあるが、10万円切りでここまで動作するのであれば快適と言っていいだろう。カクつき、発熱はiPhone Airでも同様に見られるため、「Pro」の差分を体感するのは難しいというのが、正直な感想だ。

 Apple Intelligenceの機能も快適に動作し、Siriや作文ツールもスムーズに利用できる。ヘビーユーザーでない限り、現時点でのパフォーマンスに不満を感じるシーンはほとんどないだろう。

 とはいえ、そもそもApple Intelligenceはさほど有効な機能が搭載されていない点は無視できない。次世代のApple Foundation ModelにGeminiが採用されることが発表されているように、今後Apple Intelligenceが高機能化していくと、GPUコアが1つ少ないA19チップを搭載するiPhone 17eが不利になっていく可能性も否めないだろう。

満足度の高い10万円切りスマートフォン

 iPhone 17eをしばらく使っていて感じるのは、「これでいいじゃん」というもの。持ちやすいサイズ感、安定した動作など、最高点ではないものの、不満を感じるほどではないバランスでまとめられたスマートフォンとなっており、多くの人が安心して使える端末だと感じる。

 デザインや機能面で上位モデルに劣る部分があるのも事実であるため、ユーザーは「自分が欲しい機能は何か」をよく吟味する必要があるが、アップルから10万円切りの選択肢が用意されているのはありがたいところ。MacBook Neoもそうだが、ハード、ソフトと垂直統合されている強みをひしひしと感じることができる。

 iPhone Airとどちらが優れているかと聞かれると、回答に詰まるのが正直なところ。薄さは何物にも代えがたい魅力だと思い購入したのがiPhone Airだが、操作のしやすさやパフォーマンスと、iPhone 17eはあらゆる面が肉薄するレベルで仕上がっているため、iPhone Airを買っていなかったら、こっちを買っていたかもと思うほどだ。

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