レビュー
Google Pixel 10 Pro／Pro XLを実機レビュー、AI機能を活用している人は買いか
2025年8月28日 02:00
グーグルは、Pixelシリーズ最新モデル「Pixel 10 Pro」と「Pixel 10 Pro XL」を8月28日より発売する。価格はグーグル直販サイトでは「Pixel 10 Pro」の256GBモデルが17万4900円、512GBモデルが19万4900円。
「Pixel 10 Pro XL」は128GBモデルが19万2900円、512GBモデルが21万2900円となっている。通信キャリアからは、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルからも各社でも購入可能だ。
Pixel 10 ProとPixel 10 Pro XLは、ディスプレイサイズやバッテリーの違いのほかは、基本的なスペックや機能は同等なため、今記事では両機種あわせて紹介していく。
本体の大きさはPixel 10 Proが約72.0（W）×8.6（D）×152.8（H）mmで、重さは約207g。Pixel 10 Pro XLは約76.6（W）×8.5（D）×162.8（H）mmで、重さは約232g。どちらも200gオーバーで、特にPixel 10 Pro XLは手に持ってみると、重量バランスのせいもありズシリと重い印象だ。
本体背面はシルキーマット仕上げのガラス素材で、フレームはメタル素材のポリッシュ仕上げ。背面のガラスは指紋が付きにくく、サラサラとした感触で手触りはいい。
カメラ回りは前モデルのデザインを踏襲したダイヤモンドカット。デザイン的にかなり出っぱっており、Pixel 10 Proでは2.8mm、Pixel 10 Pro XLでは3.1mm突出しており、かなり好みの分かれるところだ。
本体カラーは両機ともObsidian（オブシディアン）、Porcelain（ポーセリン）、Moonstone（ムーンストーン）、Jade（ジェイド）の4色をラインアップしている。
ディスプレイはPixel 10 Proが6.3インチ（1280×2856ドット）で、Pixel 10 Pro XLは6.8インチ（1344×2992ドット）のLTPO OLEDを搭載。1～120Hz可変リフレッシュレートと最大輝度2200ニト（HDR）、3300ニト（ピーク輝度）といった性能は両機とも同じだ。
最近は144Hz、240Hzといった高リフレッシュレート対応のディスプレイを搭載したモデルも登場しているが、ウェブサイトやSNSアプリを見たり、動画配信などを楽しむぶんには120Hzでもまったく問題ないレベルだ。
バッテリー容量はPixel 10 Proが4870mAhで、Pixel 10 Pro XLは5200mAh。最大輝度でYouTubeの4K動画を充電100％の状態から再生し続けたところ、Pixel 10 Proは10時間10分。
Pixel 10 Pro XLは約9時間13分でバッテリー残量がゼロになった。Pixel 10 Pro XLのほうがバッテリー容量は多いものの、画面サイズと解像度が高いため、そのぶんバッテリー消費は多いようだ。
また両機は充電性能に違いがあり、Pixel 10 ProはUSB Type-Cからの急速充電では最大30W、ワイヤレス充電ではQi2認証済みで最大出力15Wに対応。
Pixel 10 Pro XLは同じくUSB Type-Cからは最大45W、ワイヤレス充電ではQi2.2認証済みで最大25Wでの充電が可能となっている。
ちなみにどちらもQi2以上に対応しているため、Qi2規格に準拠したマグネット式ワイヤレス充電技術の「Pixelsnap」を搭載。別売のPixelsnap充電器から充電できるほか、AppleのMagSafeとも互換性があるので、サイズなどに問題がなければMagSafe互換アクセサリーも利用できる。
本体右側面には電源ボタンと音量調整ボタンを装備。電源ボタンが上にある、一般的なAndroid端末とは逆の配置なのは従来モデルと同じ。本体底面にはUSB Type-Cポートがあり、USB 3.2に対応。
SIMスロットはトレー式で本体上部配置。デュアルSIM対応でnanoSIMx1とeSIMx1、またはeSIMx2での運用が可能。
対応するバンドは5Gが1／2／3／5／7／8／12／14／20／25／26／28／30／38／40／41／66／71／75／76／77／78／79、LTEは1／2／3／4／5／7／8／12／13／14／17／18／19／20／21／25／26／28／29／30／32／38／39／40／41／42／48／66／71／75となっており、こちらも両モデル共通。
そのほかWi-Fi 7とBluetooth v6と最新規格に対応。特にBluetooth v6は、Bluetoothデバイス同士の距離を非常に正確に測定できるチャネルサウンディング機能に対応している。これにより忘れ物タグなどで、より正確な位置測定が期待できる。
本体スピーカーはステレオ仕様。ただし、本体スピーカーの音質に拘った他社メーカーと比較すると、左右のバランスや本体共鳴もあり高品質とは言いがたい印象。
一定レベルには達しているものの、高音質で楽しみたい場合は別途イヤホンや外部スピーカーなどを接続した方が良さそうだ。
カメラ性能は背面に広角カメラ（5000万画素、f値1.68、画角82度、1／1.3インチセンサー）、ウルトラワイドカメラ（4800万画素、 f値1.7、画角123度、1／2.55インチセンサー）、望遠カメラ（4800万画素、f値2.8、画角22度、1／2.55インチセンサー、光学ズーム5倍・超解像ズーム最大100倍）を搭載。
マルチゾーンLDAF（レーザー検出オートフォーカス）センサー、スペクトルセンサー、フリッカーセンサーといった機能も搭載している。
またフロントカメラは、4200万画素、f値2.2、ウルトラワイド画角103度といったスペック。これは両モデルとも同じなので、カメラ性能に関して差はない。
以下はPixel 10 Proで撮影した作例。いずれもレンズを向けたらそのまま撮影して、明るさやピントは調節していない。Pixelらしいはっきりとした発色で、明るくカメラに詳しくない人でもミスなく撮りやすい印象だ。
カメラ関連では、今回2つの大きなアップデートがある。ひとつは最大100倍の「超解像ズーム」。これは高倍率で撮影した写真をAIの拡散モデルを使って補正する機能。実際に試してみると、100倍の望遠で撮った手ぶれやぼやけが気になる元の画像が、超解像度ズームによりシャープな仕上がりになっている。
ただし「写真」としての正確性には疑問があり、小さな文字などは別のものに置き換わってしまうので注意が必要。これらの証明のため、両機ともC2PAコンテンツ認証情報を搭載しており、写真の撮影方法が確認できるようになっている。
もうひとつは、Geminiを活用した「カメラコーチ」機能。カメラアプリを起動させ、カメラコーチボタンをタップすると、レンズが映し出す被写体を認識。アングルを変えたり、被写体の注意を引いてなど具体的な提案をしてくれる。
使用する際にはインターネット接続が必要で、認識から回答まで数秒かかるため、毎回確認して撮影するのは若干手間ではある。とはいえ写真撮影に自信がなかったり、スキルをアップしたいユーザーにはありがたい機能だ。
チップセットは最新の「Google Tensor G5」。メモリー16GBで、内蔵ストレージは今モデルから256GBが最小モデルとなっており、512GBとの2ラインナップとなっている。
Pixel 10 ProとPixel 10 Pro XLでは、ユーザーの使用するアプリやサービス、行動といったデータを横断的に使って、ユーザーのアシスタント的な役割をしてくれる「マジックサジェスト」や、電話アプリで通話をリアルタイムに翻訳してくれる「マイボイス通訳」といった、新たに追加されたAI機能も搭載。
これら一部のAI機能は従来モデルでも利用できるようにはなるが、最新の機能をフルで最速に使うにはPixel 10シリーズが必要となる。GoogleのAI機能を活用している人は、最新モデルへと買い替えたいところだ。