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Pixel 10シリーズ3モデルの違いは何? 「Pixel 10」「Pixel 10 Pro」「Pixel 10 Pro XL」を比較

 GoogleがPixelの新モデル「Pixel 10」シリーズを発表した。通常のバータイプ「Pixel 10」「Pixel 10 Pro」「Pixel 10 Pro XL」と、折りたたみの「Pixel 10 Pro Fold」の計4モデルがリリースされる。

左からPixel 10、Pixel 10 Pro、Pixel 10 Pro XL

 本稿では、違いが分かりにくいPixel 10(無印)、Pixel 10 Pro(Pro)、Pixel 10 Pro XL(Pro XL)の共通点と違いを整理してみた。

3モデルの共通点

 Pixel 10シリーズは(Pixel 10 Pro Foldも含めて)Android 16、最新のUI(ユーザーインターフェイス)である「Material 3 Expressive」が搭載される。Expressiveは「表情豊かな」という意味で、弾むようなアニメーションと滑らかな操作感が特徴だ。

 OS、セキュリティ、機能追加の「Pixel Drops」のアップデートは7年間提供され、いずれも長く使える。

 バータイプの3モデルの背面は引き続きカメラバーを採用。ただ、Pro/Pro XLはカメラバー内のフラッシュの下に温度センサーがあるが、無印にはない。

Pixel 10 Pro/Pro XLにはカメラバーの右端に温度センサーがある。

 プロセッサーは、TSMCの最新3nmプロセスで設計された「Tensor G5」と、「Titan M2 セキュリティ コプロセッサ」を搭載。

 IP68準拠の防水防塵性能を備える。nanoSIMとeSIMまたはeSIM×2のデュアルSIMに対応する。

 Tensor G5は最新のGemini Nanoモデルを実行できる。利用シーンに合わせてアクションを提案する「マジックサジェスト」や、カメラ撮影のアドバイスをしてくれる「カメラコーチ」、電話でリアルタイムに通訳してくれる「マイボイス通訳」といった(オンデバイスAIを含む)AIを活用する新機能は3機種とも利用できる。

デザイン、サイズの違い

 Pixel 10は、サテン仕上げの金属フレーム、光沢のあるガラス背面を採用。カラーはObsidian(黒曜石)、Frost(霜)、Lemongrass(レモングラス)に加え、初代PixelのカラーIndigo(インディゴ)を復活させた全4色をラインアップしている。

Pixel 10。左からObsidian、Indigo、Frost、Lemongrass。

 Pixel 10 Pro/Pro XLはマットな背面ガラスにメタル調の光るGロゴを配置。カメラバーにはダイヤモンドカットを施し、無印より高級感のある仕上がりだ。

 カラーは前モデルから続くObsidian、Porcelain(磁器) に、新色としてMoonstone(ムーンストーン)とJade(翡翠)が採用されて全4色。

Pixel 10 Pro。左からObsidian、Porcelain、Moonstone、Jade。Pixel 10 Pro XLも同じカラーバリエを揃える。

 ディスプレイは、Pixel 10とPixel 10 Proが6.3インチ、Pro XLは6.8インチのSuper Actuaディスプレイを搭載する。

 Pixel 10 Pro/Pro XLは消費電力を抑えるLTPOという技術が採用されている。

 Pixel 10は60~120Hz、Pixel 10 Pro/Pro XLは1~120Hzの可変リフレッシュレートに対応。ピーク輝度は無印が3000nit、Pixel 10 Pro/Pro XLはそれよりも高い3300nitとなっている。なお、最小輝度は1nitにまで拡張され、どんな環境でも見やすくなった。

左から無印、Pro、Pro XL。Proモデルは6.3インチ、6.8インチの2つのサイズから選べる

 Pixel 10は高さ152.8×幅72.0×厚さ8.6mm、重さ204g。

 Pixel 10 Proは無印と同じサイズで、重さが207gと、3g重い。

 Pixel 10 Pro XLは高さ162.8×幅76.6×厚さ8.5mm、重さ232gだ。

充電の仕様に微妙な違い

 バッテリー容量は、無印が4970mAh、同サイズのProは4870mAh、Pro XLは5200mAhとそれぞれ異なるが、スペック上の駆動時間は「30時間以上」で変わらない。

 ただ、充電については微妙な違いがある。

 Pixel 10とPixel 10 Proは、30W以上のUSB-C PPS(Programmable Power Supply)の充電器を利用した場合に、約30分で55%充電が可能。

 一方、Pixel 10 Pro XLは45W以上のUSB-C PPS充電器を利用した場合に約30分で70%充電が可能だ。

 また、無印とProはQi2、Pro XLはQi2.2に対応し、無印とProは最大出力が15Wのところ、Pro XLは最大出力25Wの高速充電に対応する。

Pixelsnap充電器(税込み6380円)。Pro XLを最大25W、無印とProなど他のQi2対応デバイスを最大15Wで急速充電できる。

 Pixel 10 Pro XLは、Qi2.2の25Wワイヤレス充電に対応した最初のスマホとなる。サイズによる違い以外でProとPro XLで大きく異なるのは、このQi2の対応部分だ。

メモリーとストレージの違い

 Pixel 10シリーズはストレージ容量の異なる2タイプから選択できる。

 Pixel 10はメモリー(RAM)が12GBで、ストレージ(ROM)は128GBか256GBから選べる。

 Pixel 10 Pro XLは、メモリーが16GBで、ストレージは256GBか512GBから選べる。海外ではストレージが1TBのモデルを販売する地域もあるが、日本では販売されない。

カメラの違い

 背面カメラは3モデルとも3眼構成。今回から無印も望遠カメラを搭載するようになった。

 Pixel 10の広角カメラは、イメージセンサーサイズが1/2インチ、4800万画素Quad PDで、F値1.7。超広角カメラはセンサーサイズ1/3.1インチ、1300万画素Quad PDでF値2.2。

 光学5倍の望遠カメラはセンサーサイズ1/3.2インチ、1080万画素Dual PDで光学式手ぶれ補正機能付き、F値3.1。超解像ズームは最大20倍となる。また、フロントカメラは1050万画素、画角は95度となっている。

 Pixel 10 Pro/Pro XLは無印よりも高スペック。広角カメラは、イメージセンサーサイズが1/1.3インチ、5000万画素Octa PDで、F値1.68。超広角カメラはセンサーサイズ1/2.55インチ、オートフォーカス付きの4800万画素Quad PDでF値1.7。

 光学5倍の望遠カメラはセンサーサイズ1/2.55インチ、4800万画素Quad PDで光学式手ぶれ補正機能付き、F値2.8。超解像ズームは最大100倍となる。フロントカメラは4200万画素で画角は103度と広い。

Pixel 10Pixel 10 Pro/Pixel 10 Pro XL
背面カメラ広角4800万画素Quad PD5000万画素Octa PD
F値1.7F値1.68
センサーサイズ1/2インチセンサーサイズ1/1.3インチ
超広角1300万画素Quad PD4800万画素Quad PD(AF付き)
F値2.2F値1.7
画角120度画角123度
センサーサイズ1/3.1インチセンサーサイズ1/2.55インチ
望遠光学5倍光学5倍
1080万画素Dual PD4800万画素Quad PD
光学式手ぶれ補正機能光学式手ぶれ補正機能付き
F値3.1F値2.8
センサーサイズ1/3.2インチセンサーサイズ1/2.55インチ
最大20倍の超解像ズーム最大100倍の超解像ズーム
フロントカメラ1050万画素4200万画素
画角95度画角103度

 無印も光学5倍の望遠カメラを搭載して撮影の幅は大きく広がったが、イメージセンサーの大きさ、画素数、F値などはPixel 10 Pro/Pro XLには及ばない。

 カメラを重視するなら、引き続きPixel 10 Pro/Pro XLを選んだ方が満足度は高いだろう。

Pixel 10 Pro/Pro XLはGoogle AI Proプランが6カ月間無料

 Pixel 10 Pro/Pro XLを購入すると、月額2900円のGoogle AI Proプランを6カ月無料で利用できる。

 Google AI ProプランではGeminiの高性能モデル、AI映像制作ツール「Flow」など多彩なツールを利用できるほか、2TBのストレージ、Geminiアプリも含まれる。