レビュー

暗所での撮影強化、新フラッグシップの「Xperia 1 V」を体験した

 ソニーは23日、メディア向けに新型スマートフォン「Xperia 1 V」の体験会を実施した。

 Xperia 1 Vは、ソニー製のAndroidスマートフォン。2層トランジスタ画素積層型CMOSイメージセンサー「Exmor T for mobile」をメインカメラに採用し、高感度かつ低ノイズな撮影ができる。また、センサーのアスペクト比が改良され、動画撮影時の有効画素数を拡大させている。このほか、本体のフロントスピーカーは音圧向上や高音質化が図られている。

業務用カメラの技術を投入

 前モデル「Xperia 1 IV」からのアップデートとしては、人肌をより鮮やかに撮影できる「S-Cinetone for mobile」を搭載。ソニー製の業務用カメラ「FX9」にも搭載される「S-Cinetone」をスマートフォン向けにしたもの。

 担当者によるとXperia 1 Vではメイン、広角、望遠とどのレンズでも使える機能ということだが、新開発のセンサーを搭載するメインのカメラでもっとも性能を発揮できるようだ。

 Photography Pro(Photo Pro)とVideography Pro(Video Pro)で利用でき、Photo Proの場合は「S-Cine」というメニュー項目をタップすることでオンオフが可能。Video Proの場合も右上のメニューを選択し「SDR/HDR」内の項目から選ぶことができる。

 実際にS-Cinetone for mobileをオンにして撮影した写真が下記のもの。全体的にコントラストが優しく、肌の色がきれいに出ている様子が見て取れる。

スロー撮影を実施した

 今回、新たに同社の高級カメラ「α」シリーズにも搭載される「クリエイティブルック」も搭載した。雰囲気にあわせた色合いをワンタップで選ぶことができ、全部で6種類のプリセットが用意されている。従来から搭載する「瞳AF」や光学ズームなどとあわせてポートレート写真での優位性をアピールする。

左=VVで撮影。右=SHで撮影

 前述の新型センサーにより、低照度環境での撮影性能も向上した。ソニーではフルサイズセンサーを搭載したデジタルカメラと遜色のない性能を実現したとアピールする。目で見た印象を重視した画作りを実現しており、自然な解像感を目指した。

 下記画像は、Xperia 1 Vで撮影したもの(左)と「Xperia 5 IV」で撮影したもの(右)。Xperia 1Vのほうが人物が明るくはっきりを写っているのが見て取れる。

左=Xpeia 1 Vで撮影。右=Xperia 5 IVで撮影

 見た印象を忠実に再現できるカメラ性能に加えて、手軽に画の雰囲気を変えられるクリエイティブルックの搭載など、さまざまな要求に応えられる機能を持ち合わせた。

配信者向け機能も

 このほか、カメラの機能としては商品レビューに特化したモード「商品レビュー」も用意。通常、手に持ったものを撮ろうとしても、顔にフォーカスがあってしまうがこのモードを使うことにより、紹介したい商品にフォーカスできる。

 動画サイトなどでの商品の開封レビューなどの撮影を目的として、一定の需要があり配信者に向けてアピールする。

 あわせて「外部モニターモード」も引き続き搭載した。新たに映像を転写して確認しやすくする機能や輝度のゼブラ表示やフォーカスをあわせやすいピーキング表示の機能などを備える。外部モニターの機能そのものは設定画面から有効にすることで、過去のモデルでも利用できる。

ディスプレイやスピーカーも進化、ゲームでもより最適化

 ディスプレイは、過去モデルと比べてもより明るくなった。環境などに合わせて輝度を調整するリアルタイム HDRドライブも備えており、明るい環境でも白飛びなどをおさえた快適な映像視聴を体験できる。

左=Xperia 1 III。右=Xperia 1 V

 本体スピーカーは、新しいアンプを搭載しさらに音質を高めた。アンプは駆動電圧以上の音を出すことはできず、ぼやけてしまう。スネアドラムの響きなどがもの足りなく感じるのはこうした現象によるもの。さらに細かな音はアンプが生み出す電気ノイズで埋もれてしまう。これにより、音場の広がりが感じられないといったことが実体験としてあがってくる。

 新しいアンプでは駆動電圧を向上したことで、迫力のあるサウンドを感じられるようになったほか、ノイズが低減したことで微細な音を正確に表現できるようになった。実際に試聴すると、もっとサイズの大きいスピーカーで聴いているのかと思うほどのクオリティ。試聴環境で用意された前モデルのXperia 1 IVと同じポップスを聴いてみたところ、ボーカルの質感はあきらかにXperia 1 Vのほうが上質と感じられた。

 このほか、ゲーム専用モードの「Game Enhancer」の機能も向上。シャッターボタンを押すことでスクリーンショットできるようになった。タッチパネルでゲームを操作している最中に、さらにタッチパネル上のボタンを操作するのは難しいため、使いやすいよう工夫された。

 Androidでは、スクリーンショット撮影時に通知が表示されるが、Game Enhancerの設定でオフにもでき「Xperia Stream」にも引き続き対応する。