レビュー

「Xperia 1 IV」のオーディオ/ゲーム配信/カメラ機能を体験、順当に進化したフラッグシップモデルを体験してみた

 ソニーは、5G対応スマートフォン「Xperia I IV」を発表した。

 6月上旬以降、国内キャリアからは、NTTドコモとau、ソフトバンクから発売される。携帯各社から示されている価格は約20万円と、ハイエンドモデルに位置づけられているモデルだが、「Xperia I IV」にはいったいどのような特徴、機能があるのか。

 今回は、メディア向けに実施された体験会に参加し、その実力を体験してきた。

目立ちにくいオーディオ機能

Xperia 1 IVとヘッドホン「WH-1000XM5」

 スマートフォンのレビューなので、本来であればカメラ機能などを紹介するべきところではあるが、今回はまずオーディオ機能から紹介したい。

 オーディオ機能の主なトピックスは、「Audio Pro」「スピーカー」「イヤホンジャック」だ。

ソニーのPVに負けない音感「Audio Pro」

 まず筆者が足を運んだのは、レコーディングスタジオレベルの録音をどこでも体験できるという「Audio Pro」。

 Xperia 1 IVで録音したデータを、クラウド上で処理し「ノイズを抑えた」「スタジオレベルの音感」が出ているデータが返ってくるしくみとなっており、月額課金型のサービスとして提供する。

 音源は2種類用意されており、まずは屋外で録音したデータとそれを加工したデータを聞き比べてみた。屋外の録音環境は、風の強い建物屋上での録音。風の音がボーカルの声を上回る部分もあり、録音には「非常に悪い」環境であるといえる。

 これを「Audio Pro」で処理したものを再生してみると、風の音もほとんど感じられず明瞭なボーカルが再現されている。それだけでなく、ボーカルの息づかいが感じられ、「残しておきたい音をきちんと分けて処理されている」ことがはっきりと確認できた。

スタジオさながら、自分の声をモニタリング(左)したり、テンポを聴きながら(右)録音できる

 次に聴いた音源は、カラオケボックスのような環境で録音したデータ。今回は処理音源に加え、実際にスタジオで録音したデータも確認できた。

スタジオで使用されるコンデンサーマイク

 元音源でも十分だと感じられたが、やはり環境特有の籠もり方が気になる音源だ。これを処理したものでは、籠もりやわずかなノイズが除去されながらも、ボーカルの音域が広がるように感じられた。

 このあと、スタジオ環境で録音されたデータを聴いたが、スタジオレベルとまではいかないものの、音域の広さやボーカル特有の息づかいが感じとれ、遜色ないレベルにまで再現されていることがわかった。

 スタジオを借りるまではいかなくても、手軽に思いついた環境で録音できるのは、ボーカリストやオーディオクリエイターのユーザーにとってはメリットだろう。

録音データは編集できる。元データと比較しながら再生することも可能

同じサイズで音域が広がったステレオスピーカー

 録音だけではなく再生面でもこだわりを見せたXperia 1 IV。

 端末の上下に配置されたステレオスピーカーは、先代機種(Xperia 1 III)とほぼ同じサイズにおさえながらも、マグネットの数を増やしたり、振動板の振幅を増加させたり改良が加えられており、従来機種よりも最大音量が大きくなり、音域を広げられたという。

 実際に聞き比べたところ、低音がより華やかになった印象で音域が広がったことを実感できた。高音域もおざなりになっているのではなく、シンバルの音も最後まで余韻が感じられ先代よりも「余裕がある」再生だと感じた。

イヤホンジャックも設計で高音質化

上が今回のXperia 1 IV。外側からは今回の改良はわからないが、ストロークが短くなってより鮮明なサウンド体験ができる

 筆者が衝撃を受けたのが、最後のイヤホンジャックの改良だ。といっても、アンプが異なるものを採用したわけではなく、回路設計を変更し「伝送路の距離を短くする」という方法で、高音質化を目指したという。

 聞き比べてみると、音場が広がり解像度がよりクリアになったように感じ取れた。アプリや音源、各種設定を同じにした状態とは思えないような違いだが、これを伝送路の距離だけで実現できているのには驚いた。

 担当者によると「伝送路を良い素材にできれば、音質は向上できるが、スマートフォンだとほかの機能との兼ね合いでなかなか難しい。そこで、伝送路自体を短くするように設計し、音質の改善を図った」とコメント。担当者の想定を超える音質の変化だったという。

 伝送路を極力短くすると伝送性能が改善することは、スマートフォンだけではなく多くの電子機器にも当てはまることだが、スマートフォン本体の中という比較的短い距離であっても、ここまで音質に違いが出ることには驚いた。

 ユーザー側で、ヘッドホンやイヤホン、ケーブルまでは改善できても、機器内部まで手を入れることはできない。オーディオをしっかり聴きたいユーザーは、スマートフォンとは別にポータブルオーディオプレイヤーやポータブルアンプを持ち歩いているが、今回のXperia 1 IVだけでも十分にヘッドフォンの性能を引き出せる仕上がりだと感じた。

ゲーム配信機能

 Xperia 1 IVの特徴的な機能として、ゲーム配信機能がある。

 これは、本体でプレイ中のゲームをYouTubeなどの動画配信サービスですぐに配信できる機能だ。

 たとえば、配信時に自分の声を入れたかったり、画面サイズに合わせてテロップや画面外の帯の色を変えてみたり、ホーム画面など見せたくない画面を隠したりしたいケースが多い。

 今回のXperia 1 IVでは、これらの機能がすべて1つのアプリで実現できている。

 配信前の設定で、テロップや帯の色を変更できるが、配信の途中でも変更できる。

ゲームの配信設定。遅延を短くする設定もできるため、タイミングを重視するゲーム配信で設定を確認しておきたい
サムネイル設定画面
配信レイアウトの設定。横画面(左)でも縦画面(右)のゲームでも最適なレイアウトを設定できる
配信レイアウトの編集画面
YouTubeの配信設定のあと、配信開始ボタンで配信開始する
配信中も各種設定が可能
ゲーム画面に重ねてブラウザの画面を表示/配信できる
配信中にホーム画面に戻ると(左)、配信画面では別の画像を表示し(右)、必要な画面以外は写らないようにできる

 また、YouTubeのコメント機能と連動させることで、ゲームをプレイしている画面にコメントをポップアップで表示させることもできる。もちろん、ゲームに集中したい場合は設定をオフにすることもできる。

 このほか、配信側のゲーム/ユーザーの声の音量調整を別々に制御することもできる。また、配信側の音量はちょうど良いけどユーザー側の音量が足りない場合でも、それぞれ音量調整できる。

プロレベルのカメラ機能

 Xperiaシリーズでユーザーの注目度が高い「カメラ機能」だが、こちらも着実に進化を遂げている。

 まず、アウトカメラは既報の通り3眼構成のカメラ構成。特に望遠レンズは85-125mmまでの光学ズームに対応する世界初のカメラだ。

 先代の1 IIIでも光学ズームに対応していたが、1 IIIでは切り替え式のレンズとなっており、その間のズームはデジタルズームで補完する形となっていた。

 今回は、85mm-125mmまでをすべてカバーできる「真の光学ズーム」を利用できるため、画質を落とすことなくシームレスに寄ることができる。

 動画の撮影では、望遠レンズを含めたすべてのレンズで4K 120fps録画をサポートしている。スローモーションの録画も可能で、試しに30fpsのスロー映像を録画してみたが、なめらかに再生され画質もはっきりとしたものが録画できていた。

 また、動画撮影では3つのアウトカメラを切り替えながら撮影することもできる。カメラ間のズームや色味などは、極力違和感がないよう処理はされている。

動画撮影時は、3つのアウトカメラを固定して撮影できる(望遠ズーム利用時は、望遠ズームが利用できる85-125mmの範囲でズームできる)。一方、「Seamless zoom」を選択すると、3つのカメラを合わせてズームができる(カメラ間の倍率はデジタルズームで補完)
瞳オートフォーカス機能。被写体が動いても常に被写体の瞳を認識してピントを合わせながら写真/動画撮影できる

 今回は、オーディオ、配信、カメラという3つの特徴的な機能を体験できた。短い時間ではあったが、20万円という価格は「すべての機能を総合したら安いのではないか?」と感じた。(買うかどうかは別にして……)

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