レビュー

写真で見る「AQUOS sense7/sense7 plus」、拡大されたセンサーや省エネのこだわりを実物で体験

 シャープは26日、ミドルレンジスマートフォン「AQUOS sense」シリーズの最新機種「AQUOS sense7/sense7 plus」を発表した。「AQUOS sense7」はNTTドコモとau/UQ mobileから11月上旬以降に、「AQUOS sense7 plus」はソフトバンクから10月上旬以降に発売される。

 本稿では、記者向けに開かれた体験会の模様を中心に、「AQUOS sense7/sense7 plus」の新機能/新仕様などをレポートする。なお、「AQUOS sense7」と「sense7 plus」での差異がない機能/性能は、特に記載のない限りあわせて「AQUOS sense7」のものをご紹介する。

進化したカメラ機能、センサーサイズ拡大やR7の技術を投入

上部中央の約5030万画素広角カメラ(F値1.9、85度、23mm)と、その左側の約800万画素超広角カメラ(F値2.4、120度、15mm)

 「AQUOS sense7」には、約5030万画素の広角カメラ(F値1.9、85度、23mm)と約800万画素の超広角カメラ(F値2.4、120度、15mm)を搭載している。

 広角カメラ(シャープでは標準カメラと説明)に関しては、1/1.55インチセンサーを搭載している。シャープによると、「各社の“フラッグシップモデル”に搭載されるレベルのセンサーサイズ」としており、背面上部中央にメインとなく広角カメラが備えられている。

 センサーサイズ拡大により、光の集光量が向上される。ユーザー体験でわかりやすいのは、暗所での撮影だ。暗所での撮影では、通常時より光の量が少ないため、センサーの感度(ISO)を上げたり、内部処理をしたりすることで再現しているが、ノイズが増えてしまうなどデメリットがあった。今回の「AQUOS sense7」では、限られたスペースでありながらも1/1.55インチのセンサーを搭載することで、より適切なISOによる撮影や、大きな負荷がかかる処理をせずにより自然な撮影体験ができる。

 シャープ担当者も「標準カメラアプリ以外のカメラアプリでは“標準カメラ”しか利用できないことも多く、多くカメラを搭載するよりも“標準カメラ”のスペックをしっかり上げた」としており、センサーサイズ拡大は、ミドルレンジのレベルを超える撮影体験の実現に寄与した形だ。

センサーサイズが拡大されたことで、より高い撮影体験を実現している
ハイエンドモデル並みのセンサーサイズとうたう
AQUOS sense6での撮影
sense 7での撮影。暗所部分がよりはっきりと再現されている(ロールケーキの下部や上のトッピング部分など)
イメージセンサーとレンズ
左がAQUOS sense6、右がsense7のイメージセンサーとレンズ
オートフォーカスの性能を左右するAFセンサーが、sense7では全画素使用しており、より早く正確に焦点を合わせられる
内部処理も高度化しており、より高い撮影体験ができる
撮影イメージ
広角カメラ
広角カメラで最大までデジタルズーム
超広角カメラ
HDR撮影もサポート
カメラアプリの設定

ディスプレイとスピーカー、sense7 plusでは最大240Hz駆動+スピーカーが進化

 「AQUOS sense7」には約6.1インチフルHD+(2432×1080ドット)、「sense7 plus」には約6.4インチフルHD+(2340×1080ドット)のディスプレイを搭載している。どちらも、輝度の向上や、動画再生時にバーチャルHDR機能が利用できる。バーチャルHDR機能では、明るい部分の映像情報が復元され、HDR動画のような鮮やかな映像を楽しめる。

 「AQUOS sense7 plus」では、これらに加え240Hzのリフレッシュレートをサポートする。毎秒120回の表示更新に連動して黒画面を挿入することで、毎秒240回の表示状態の変化を再現する。

 また、動画再生時などにフレーム数を最大5倍の120fpsに補間する機能を備えており、専用プロセッサーで臨場感ある視聴体験ができる。この補間機能は、著作権保護コンテンツでも利用できるという。

 「AQUOS sense7 plus」は、本体スピーカーにもこだわりを見せている。「AQUOS史上最高のサウンド」とうたう本体スピーカーは、大口径大振幅のスピーカーユニットを新たにエンジニアリングし搭載している。低音域の音圧が先代モデル「sense6」と比較して2倍に、帯域幅が1.4倍に向上しているという。

耐久性と省エネ性能

 「AQUOS sense7」では、一般的な樹脂筐体ではなく、アルミ筐体を採用しており、耐久性向上が図られている。

 MIL規格準拠の耐衝撃性や防水性能の試験をクリアしているほか、シャープ独自の曲げ試験やひねり試験を実施しクリアしているという。

実際の試験を実施するようす

 また、senseシリーズの特徴の一つでもある「省エネ性能」についてもさらに強化されている。

 ディスプレイについて「AQUOS sense7/sense7 plus」では、省エネ性能が高いIGZO OLEDディスプレイを搭載しているが、リフレッシュレートを「AQUOS sense7」では最大60Hz、「AQUOS sense7 plus」は最大240Hzで可変駆動する。

 たとえば、ホーム画面や静止画といった画面の変化がない場合は低い周波数で、画面をスクロールしている時などでは高い周波数で駆動できるため、必要でないときにいわゆる“アイドリングストップ”できるようになっている。

 これにより、電力消費量を削減し、より高い電池寿命を実現しているという。

ホーム画面で放置した状態。低い周波数で電力量を削減している(縦軸はディスプレイに関わる電流量)
ホーム画面をスライドしている状態。周波数が高くなり、電流量が高くなっているのがわかる

Sense7:4キャリアの主要周波数をサポート

 「AQUOS sense7」では、4キャリアの主要な周波数をサポートしている。5Gではn3、n28、n41、n77、n78、n79をサポート。ドコモとau/UQ mobileから発売されるが、発売元によって対応する周波数は変わらないという。

「AQUOS sense7」の対応バンド
4キャリアのSIMで利用できる

 また、発表会において、AQUOS sense7のSIMフリー版について「ニーズを踏まえながら前向きに検討していきたい」とSIMフリー版発売に含みを持たせている。

 一方、「AQUOS sense7 plus」については「ソフトバンク独占販売とさせていただいており、SIMフリー版の予定は現状ない」としている。

本体写真

AQUOS sense7

 AQUOS sense7の大きさは約70×152×8.0mmで、重さは約158g。本体は、直線的に角を落としたようなデザインで、筐体は前述のとおりアルミ素材を採用している。

カラーラインアップ。左からブラック、ライトカッパー、ブルー。このほか、ドコモオンラインショップ限定カラーとしてラベンダーをラインアップする
左側面、上から音量スイッチ、電源ボタン、指紋センサー
右側面
上部にはSIMスロット
下部には3.5mmオーディオジャックとUSB Type-C端子
AQUOS sense7(全7枚)

AQUOS sense7 plus

 AQUOS sense7 plusの大きさは約76×160×8.2mmで重さは約172g。AQUOS sense7と比較すると、画面が大型化されており、若干の重量感が感じられる。

左がsense7 plus、右がsense7。大きく違う部分はない
AQUOS sense7 plus(全12枚)
左からAQUOS sense7とsense7 plus
アウトカメラの出っ張り。そこまで大きく張り出していない
AQUOS sense7とsense7 plusの仕様を比較

【お詫びと訂正】
本稿初出時に、AQUOS sense7とsense7 plusの仕様を比較の画像の対応バンド部分が逆であったため、画像を差し替えました。
AQUOS sense7のカラーラインアップについて、写真の順序どおりに変更しました。
ディスプレイの可変駆動の部分について、記載を修正しました。