ニュース

転倒から疾患を早期発見、ドコモなど業界横断のヘルスケアプラットフォーム構築へ

 病状の急変や疾患リスクを早期発見するモデルの社会実装に向けて、業界を横断した連携がスタートした。NTTドコモ・ベンチャーズとYKK AP、大東建託、中部電力が疾病の早期発見モデルを開発するトータルフューチャーヘルスケア(TFH)に出資した。2025年度の市場導入を目指す。

 日常の生活空間での転倒や認知症などの疾患リスクを早期発見する。住宅や介護施設などにセンシングデバイスを設置。急変を検知すると家族や介護職員、提携する警備会社などに通知し、必要に応じて救急への通報などを行う。疾患リスクの検知時には、使用者自身の判断で医療機関の受診などにつなげる。プライバシーに配慮した仕組みとしており、最初の急変を早期発見するモデルは2025年度の市場導入を目指す。

 早期発見モデルは、Vayyar Imaging、Binah.ai、PSTと連携し、TFHが開発する。4日、東京都内で開かれた記者会見にNTTドコモの前田義晃社長が登壇。ドコモの取り組みとして、急変時の医療アクセスを含めた通信環境の整備を支援することを説明。加えて、同社が持つ「dヘルスケア」などヘルステック基盤を今回のプラットフォームに連携して疾病リスクの早期発見へつなげる。

 前田社長は「これからの高齢化社会や人手不足のなかで医療でもデジタルの革新が不可欠。業界横断のパートナーシップで疾病リスクの早期発見や医療機関の受診を促し、医療費削減などの社会課題に貢献する」と話した。

NTTドコモ 前田社長

 慶應義塾大学も病院などでの実証で参画する。生活空間における転倒は、高齢化や独居世帯が増えたことで増加している。脳卒中や心筋梗塞などが引起明日意識障害や認知症などの変化の兆候の可能性もはらむ。進行性の疾患は洗剤患者数に比べて受診率が低く、今回の取り組みでは急変や疾患を早期発見することで、医療費など社会コスト削減も見込む。