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クアルコム、次世代「Hexagon NPU」発表──なぜエージェント型AIに“全く異なる設計”が必要なのか
2026年9月15日 00:00
米クアルコムは現地時間10日、スマホなどに今後搭載予定の次世代「Hexagon NPU」の概要を公開した。「単一の巨大なAI」から「複数の専門AIの連携」へと移行するこれからの時代に向けて再設計された仕組みとなっている。
スマホが自律的に動く時代へ
次世代のスマートフォンは、ユーザーの状況を理解し、複数のアプリを横断しながら自律的に考えて行動する「エージェント型AI」が主役になると予測されている。
クアルコムは、この時代に求められるのは「すべてのタスクをこなす1つの巨大なAI」ではなく、「状況に応じて切り替えられる、複数の専門AIによる連携システム」だと指摘する。
そのためには、単にAIの処理速度を上げるだけでは不十分となる。複数のツールやタスクを並行処理しながら、ユーザーを待たせずにすぐに応答する「全く異なる設計」が最初から組み込まれている必要があるという。
AIの思考を止めない設計
これを実現するのが、次世代のHexagon NPUだ。ハードウェアの大きな特徴として、最新の生成AIの処理に特化した専用回路「Element Accelerator」を新たに搭載する。
また、NPU内の共有メモリを従来比で50%拡張した。AIの処理に必要なデータをNPUの内部に留めておけるため、外部メモリとの間で発生するデータの読み書きの渋滞がなくなり、AIの応答速度が大幅に向上する。
巨大なAIをスマホで動かす方法
さらに、タスクに応じて必要な「専門家」だけを動的に呼び出す「MoE(Mixture-of-Experts)」と呼ばれるAIの手法にも最適化している。
これにより、たとえば300億のパラメータを持つ巨大なAIモデルであっても、一回の処理(トークン生成)で実際に動かすのはその10分の1程度で済む。結果として、スマホのバッテリー消費を大幅に減らすことができる。
加えて、INT2~FP16の多様なデータ精度に幅広く対応しており、特にINT4モデルでは、AIが回答を準備する初動処理を最大50%高速化させた。これにより、高性能なAIを、クラウドに頼ることなくスマートフォン上でプライバシーを守りながら、安全かつ快適に動かす基盤が整うとしている。
