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ワイヤレスジャパン基調講演、KDDI古畑氏が語る「“AI時代”のネットワーク」

 東京ビッグサイト(東京都江東区)で「ワイヤレスジャパン×ワイヤレス・テクノロジー・パーク 2026」が開催されている。期間は5月29日まで。

 27日の基調講演では、KDDI執行役員CNOコア技術統括本部副統括本部長の古畑和弘氏が登壇し、AI時代におけるネットワークのあり方や、同社が取り組むさまざまな技術が披露された。

AI時代におけるトラフィックの特徴

KDDI執行役員CNOコア技術統括本部副統括本部長の古畑和弘氏

 古畑氏は、今後の社会を「AI前提社会にシフトしていく」と指摘。まるで秘書のように個人の趣味嗜好を理解する「Agentic AI」は、エージェント同士が連携するようになり、自動運転など物理的な動作を自律的に行う「Physical AI」が当たり前の世の中になり、人口減少社会となっている日本の「労働力不足」の解消につながると話す。

 通信は、「離れた相手と話したい」というニーズを満たすものから、技術の進化とともに多様化してくるとし、通信自体に新たな変化が求められると説明する。

 たとえば、これまでの通信はアップロードよりダウンロードの方が通信量が多かったため、通信帯域としても上りより下りの方が広く取られていた。AI社会では、遠隔監視や自動運転などアップロードするデータが多くなるため、上りトラフィックの増加が見込まれる。また、AIデータセンターの間で通信する水平トラフィックの増加も予想される。

AIによる通信品質改善への取り組み

 同社では、通信品質への取り組みを継続的に進めている。ビッグデータやユーザーの声を受け、AIを活用した最適化とあわせて、 屋内や、データでは判断できない場所では現地調査を実施する。古畑氏は「効率化や自動化はもちろん地道な取り組みを続けることで高い品質を維持している」と指摘する。

 Sub6基地局も、国内最多の4.3万局を設け、エリア対策を推進している。5G SAは、2025年度末までに人口カバー率90%に到達し、デュアルバンドMassive MIMOなど最新の技術や装置を活用しながら通信品質の向上に努めている。

 ユーザーに対しては、混雑時に通信を優先する「au 5G Fast Lane」では、混雑時の鉄道車両内や大規模イベント時に速度向上が期待できるほか、通信断時間を短縮できる「LTM」や混雑状況に応じてデータ転送速度を調整する「Low Latency, Low Loss, and Scalable Throughput(L4S)」など5G Advanced技術を積極的に研究開発している。

次世代ネットワークへの進化

 次世代ネットワークへの歩みとして、同社では陸海空で日本のネットワークをAI時代のものに進化させる「デジタルベルト構想」を推し進めている。低遅延ネットワークやAI計算基盤など、これまでの技術を結集させて構成するもので、労働力や生活力にAIを融合させることで、社会課題の解決を目指す。

 AIデータセンター間をつなぐ取り組みとして、同社はオールフォトニクスネットワーク(APN)の研究開発を進めている。これまで電気信号に変換して通信していた部分も含めて通信を“光化”することで、消費電力の削減効果が期待できる。

KDDIブースでも「デジタルベルト構想」を展示

 ほかにも、社会基盤への実装を目指し「AIドローン」を全国1000カ所に配備したり、モバイルネットワークの高度化を進めたり、さまざまなチャネルで大きな取り組みを進めている。5Gのネットワークスライシングでは、商用利用が2024年度から2025年度にかけて5倍に増加しているほか、au Starlink Directでは海上や海外ローミングの提供など、他社に先駆けて進めている技術やサービスもある。

 古畑氏は、最後に「KDDIはこれからも社会を支え、未来を創造する挑戦を続ける。期待していただきたい」と結んだ。