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ブラウザのChromeにGeminiが統合、グーグルが「Gemini in Chrome」日本で提供開始

 グーグル(Google)は、日本において、Chromeブラウザ内で直接機能するAIアシスタント「Gemini in Chrome」の提供を開始すると発表した。21日から順次、利用できる人が広がる。

 今回の「Gemini in Chrome」はパソコン版Chromeのことを主に指しており、Windows版、macOS版も対象。chromebookでも利用できる。なお、Android版は、Chrome利用中にサイドボタンからGeminiを呼び出すことでおおむね似た使い方を実現できているという。また、iPhone版(iOS版)については、日本では対象外となっている。日本以外では、韓国、シンガポールなどのアジア太平洋地域全域で利用できるようになる。

ブラウザでの作業をAIで効率化

 Webの利用形態が単なるコンテンツ消費から創造やコラボレーションへと変化する中、ユーザーの生産性向上が求められている。

 ChromeのAIプロダクトチームを率いるシャーメイン・ダシルバ氏(Charmaine D'Silva)氏は、かつてはコンテンツを消費するだけだったインターネットは、現在、人々とつながり、創造する場所になったと指摘。

 「簡単なタスクをこなすために複数タブを行き来し、複雑さからタスクを放棄してしまうユーザーが多い」(ダシルバ氏)として、20のタブと20分かかるタスクを1つのタブに凝縮し、数分で完了できるようにする」という目標を掲げて、「Gemini in Chrome」の開発が進められた。

 課題を解決するため、複数のタブと数十分を要する作業を、単一のタブで数分に短縮することを目指して開発が進められた。2025年9月には米国で一般公開され、今回、日本を含め、複数の国と地域でも「Gemini in Chrome」を利用できるようになった。

多彩な機能と具体的な利用シーン

 Gemini in Chromeは、画面右上の「Ask Gemini」ボタンからサイドパネル上で利用できる。

 チャットでGeminiに依頼したいことを入力してやり取りできるほか、標準仕様として「Gemini in Chrome」を呼び出した段階で、タブの情報が共有され、開いているページの文脈を理解してくれる。

右上のボタンから利用できる

 たとえば開いているWebページの文脈を自動的に理解し、長文記事の要約や関連情報の比較が同一画面内で完結する。サイト上のコンテンツ、あるいは隣接するページの内容について質問できる。長い文章の記事を要約してとお願いしたり、知りたいことをダイレクトに「〇〇を説明して」といった依頼に応えてくれる。

 テキストだけでなく、画像や動画の内容理解にも対応する。たとえばYouTube動画の視聴時には、動画を直接解析するのではなくAPIを通じてメタデータが取得され、動画全体の要約が提示される。

YouTubeの内容もAPI経由で理解できる

 ユーザーは特定のトピックが語られているタイムスタンプをクリックするだけで、該当箇所へ瞬時にジャンプできる。長時間のインタビュー動画などから必要な情報を素早く得るのに役立つ。

 また、旅行の計画といった複雑な作業も大幅に簡略化される。

 複数タブの情報を比較検討するだけでなく、ユーザーが事前に提供した家族の予定や好みが加味され、パーソナライズされた提案が行われる。さらにGmailと連携し、検索してまとめた旅行プランを家族に共有するメールの下書き作成から送信までが、サイドパネル上で実行される。

旅行計画を作るときにも役立つという

 画像モデルを活用したクリエイティブな機能も備える。インテリアを探している際、商品ページにあるベッドの画像を指定し、周囲の部屋のテイストを自身の好みに合わせて自動で描き換えるといった使い方もできる。

18歳以上で利用可能

 対象ユーザーは18歳以上で、Googleアカウントへのログインが必須となる。シークレットモードでは動作しない。また、サイドパネルでの会話履歴はGeminiのWeb版と同期される仕組みだ。

 なお、Gemini in Chromeへ音声でライブ入力することもできる。

 ダシルバ氏は、「人々が検索を占いのように扱うというミームもある。Gemini in Chromeはそうした方向に向かっているのか」という質問に、かつてユーザーが適切な検索クエリやプロンプトを作成するコツを身に着けていたものの、AIの利用が広がった今、自由で長い文章で質問するようになったと解説する。

 人々が自然な言葉で検索できることは「最高の進化」として、「長々と話しながら長いクエリを入力しても、正しく理解してくれる。クエリが長いほど、より良い回答が得られると思う」と解説し、より多くの人に役立つとした。

 今後のロードマップとして、サードパーティ製アプリとの連携が検討されている。ブラウザを自動で操作してタスクを自律的にこなす「Chrome auto browse」といった機能は今回のリリースには含まれていないが、将来的な実装に向けた開発が進行中という。