ニュース

Google翻訳に「Gemini」統合、文脈理解が向上 イヤホンでの「リアルタイム通訳」も

 グーグルは、翻訳サービス「Google 翻訳」にAIモデル「Gemini」の機能を導入した。テキスト翻訳における文脈理解の精度が向上するほか、イヤホンを使用したリアルタイム音声翻訳機能のベータ版提供を開始する。

テキスト翻訳の刷新

 テキスト翻訳機能にGeminiの推論能力が組み込まれた。これにより、従来の翻訳システムよりも文脈を深く理解し、慣用句やスラング、局所的な表現などを適切に訳し分けることが可能となる。

 たとえば、英語の慣用句「stealing my thunder」が、直訳で「私の雷を盗む」(手柄を横取りするといった意味)と訳されていたところ、文脈に即した自然な翻訳結果を提示できるようになる。

 この機能は、米国およびインドにおいて提供が開始された。対象言語は英語、日本語、スペイン語、ヒンディー語、中国語、ドイツ語など約20言語。Android、iOSアプリおよびWeb版で利用できる。

イヤホンによるリアルタイム音声翻訳

 新たなベータ機能として、イヤホンを装着した状態で利用できる「リアルタイム通訳」の提供も開始する。

 Geminiのライブ音声翻訳機能をベースに、相手の言葉をリアルタイムで翻訳してイヤホンから再生する。最大の特徴は、話者の抑揚(イントネーション)、話すペース、声の高さ(ピッチ)を保持したまま翻訳音声を生成できる点。これにより、単なる言語変換にとどまらず、会話のニュアンスも伝達可能となる。

 「リアルタイム通訳」は70言語以上に対応する。まずは米国、メキシコ、インドのAndroidアプリ向けに展開され、Bluetoothイヤホンなどで利用できる。iOS版およびその他の国・地域への展開は2026年を予定している。

言語学習機能もアップデート

 一部地域向けに提供されているGoogle翻訳アプリの言語学習機能も強化された。

 言語は新たに英語→ドイツ語、ポルトガル語に対応。また、ベンガル語、中国語(簡体字)、オランダ語、ドイツ語、ヒンディー語、イタリア語、ルーマニア語、スウェーデン語→英語にも対応した。

 合わせて機能が展開される地域もドイツやインド、スウェーデン、台湾など約20カ国に広がった。