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ついに日本上陸。iPhoneの衛星通信が「メッセージ」に対応、12月9日から
2025年12月9日 05:00
2025年12月9日午前5時より、iPhone、Apple Watchで利用できる衛星通信サービスに「iMessage」「SMSの送受信機能」が追加された。
仕組みとしては、これまで緊急通報に活用されていたグローバルスターの衛星を使用しており、対象機種は、iOS 18以降を搭載したiPhone 14以降(iPhone 16e含む)と、Apple Watch Ultra 3。サービス利用は当面無料。
対象のiPhone、Apple Watchがモバイル通信、Wi-Fiのエリア圏外である場合にのみ、デバイスが衛星と接続される。ただし、衛星との接続のため、空が開けている環境での利用が推奨される。
衛星との接続は、コントロールセンターの接続アシスタントから行う。デバイスで衛星が利用できる状況になると、ロック画面にもプロンプトが自動的に表示される。Apple Watchの場合は、上部に衛星のアイコンが表示される。
また、メッセージアプリからも直接、衛星通信を利用できる。圏外にいる状態でメッセージアプリを開くと、衛星経由でのメッセージ送信という項目が現れる。
iPhoneの場合、画面上部のDynamic Island(ダイナミックアイランド)に衛星と繋がっていることが表示される。Dynamic Islandをタップすると、接続状況がフルスクリーン表示に切り替わり、矢印で衛星の方向が示される。衛星との接続が途切れた場合は、Dynamic Islandが拡大し、衛星の方向を示す形で、再接続を促す。
利用できるメッセージは、テキスト、絵文字、タップバックとなり、写真や動画の送受信には非対応。iPhone、Apple Watchのどちらでも、アップルの独自プロトコルによりメッセージは暗号化され、エンドツーエンド形式で送信される。メッセージの送受信にかかる時間は、テキストの長さや言語、利用位置によって左右される。
iMessageではなくSMSでメッセージを扱う場合は、ネットワークの輻輳を防ぐため、圏外にいるユーザー側から会話を始める必要がある。ただし、緊急連絡先や、ファミリーメンバーからの連絡の場合は、この限りではない。
KDDI回線と楽天モバイル回線のユーザーは、衛星経由のiMessageは利用できるが、SMSは利用できない。なお、KDDIのau Starlink Directを契約している場合、まずはStarlinkとの接続が試みられ、Starlinkと接続できない場合に、シームレスにアップルの衛星サービスへと接続される。
本機能は日本が世界で4番目のリリースとなる。ローミングプランの契約を行なっている場合は、対応国でも同様の機能が利用できる。
通信キャリアとしてはKDDIがau Starlink Directで先行する衛星通信だが、メーカー側も独自に対応することで、圏外エリアでもより安心して行動できるようになるだろう。
2026年にはドコモ、ソフトバンク、楽天モバイルも衛星通信サービスを開始する見込みだが、一足早くユーザー数の多いアップルが対応することで、衛星通信の利点が広まっていくことにも期待ができる。

