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「au Starlink Direct」がデータ通信に対応、19アプリ・6機種から

 KDDIと沖縄セルラーは、衛星とスマートフォンの直接通信サービス「au Starlink Direct」でデータ通信サービスの提供を開始した。当初は19アプリから利用できる。

地図や天気予報、19アプリから対応

 対応するアプリはGoogle マップ、auナビウォーク、au カーナビ、ウェザーニュース、特務機関 NERV 防災、ココダヨ、YAMAP、ヤマレコ、いまココ、タイドグラフ BI、釣り船予約「釣割」、乗船名簿クラウド、スマートニュース、NewsPicks、X、au メール、Google メッセージ、家族の安心ナビ、GoogleのFind Hub、緊急情報サービス。

 対応する機種はPixel 10、Pixel 10 Pro、Pixel 10 Pro XL、Pixel 10 Pro Fold、Galaxy Z Fold7、Galaxy Z Flip7。対応アプリと機種は順次拡大する。Starlink衛星とスマートフォンの直接通信でデータ通信に対応するのは世界初という。

 対応するアプリは、スマートフォンが衛星と通信する「サテライトモード」になると専用のユーザーインターフェイスに切り替わる。限られた帯域のなかで、データ消費を抑えるよう動作する仕組み。現時点では動画アプリ、音声通話アプリなどは対応していない。衛星と通信中にau Starlink Directに非対応のアプリを起動すると、圏外時と同じ動作になる。

「ウェザーニュース」アプリ。左はau Starlink Directでの利用時の様子。右は通常時の様子。
au Starlink Directで動作するX
auナビウォーク
Google マップ
YAMAP

 アプリベンダーに向けて、開発を支援する「アプリ開発サポートサイト」が近日中に公開される。KDDIとしては、ユーザーの利便性の観点から、今後も対応アプリを充実させていきたい考え。ベンダーに対して実装に必要な技術的な情報を供与し協働する方針で、将来的には関連する技術がオープン化すれば、アプリベンダーが単独でアプリを開発できるようになる可能性もある。

8月28日に発表された対応アプリ
ジャンルアプリ
地図Google マップ
auナビウォーク
auカーナビ
天気/防災ウェザーニュース
特務機関NERV防災
ココダヨ
アウトドア(山/海)YAMAP
ヤマレコ
いまココ
タイドグラフBI
釣り船予約「釣割」
乗船名簿クラウド
ニューススマートニュース
NewsPicks
SNSX
メッセージauメール
Google メッセージ
安心家族の安心ナビ
Google の Find Hub
緊急情報サービス

アクティビティの安心・安全に

 従来、SMSでのテキスト・写真のやりとり、Gemini、位置情報送信などに限られていたau Starlink Directでサードパーティのアプリによるデータ通信が可能になる。

 想定する利用の例として、KDDI パーソナル事業本部 マーケティング本部長の手塚嘉一郎氏は「登山」を挙げる。けがや事故の可能性も少なくない登山だが、山間部は携帯電話サービスのエリア外であることも珍しくない。当初、データ通信に対応するアプリのなかには、山中の地図の確認や登山届提出などの機能を持つ「YAMAP」がある。登山中、常にデータ通信できるため遭難リスクの低減や事故時にも外部と迅速に連絡が取れるようになる。

KDDIの竹澤浩氏
KDDIの手塚嘉一郎氏
YAMAPの春山慶彦氏
Google Pixel Business Vice PresidentのNanda Ramachandran氏

 YAMAP 代表取締役CEOの春山慶彦氏は、山の地図がダウンロードしやすくなるほか、同アプリが備える登山中のユーザーの位置情報を確認できる「見守り機能」がリアルタイムに動作することで、不測の事態に対処しやすくなると説明。「山の安全においてはかなり革新的なこと」と話した。KDDIでは、災害時にもStarlinkが有効だったという米国での事例から災害時にも有効性が期待できる機能としている。

 KDDI 取締執行役員専務 パーソナル事業本部長の竹澤浩氏によると、au Starlink Directは、8月26日接続数190万人を超えた。週末にも200万人に達することが見込まれるという。「au Starlink Direct専用プラン+」(月額1650円)を契約することで、auの回線ユーザー以外も利用できる。