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クアルコム、スマートウォッチなどで「衛星との直接通信」実現する新型チップセットを発表

「Pixel Watch 4」に採用

 米クアルコム(Qualcomm)は、ウェアラブル製品用の新チップセット(SoC)「Snapdragon W5 Gen 2」「Snapdragon W5+ Gen 2」を発表した。

 「Snapdragon W5 Gen 2」と、その派生版「Snapdragon W5 Gen 2」は、ウェアラブル向けとして、世界で初めて“Narrowband Non-Terrestrial Network(NB-NTN)”衛星通信をサポート。通常の携帯電話やWi-Fiの圏外であっても、ウェアラブルデバイスから緊急メッセージを送受信できる。衛星ネットワークはSkylo社が提供する。

 たとえば、ハイキング中や人里離れた場所で緊急事態が発生した場合でも、スマートフォンが接続できない状況でSOSメッセージを送れる。

 新たな機械学習や「Location Machine Learning 3.0」を搭載することで、GPS測位精度が最大50%向上した。ビルが密集する都市部、あるいは深い峡谷のような電波状況の悪い場所でも、より正確な位置情報を利用できるとうたう。

 「Optimized RF Front End(RFFE)」により、サイズが約20%削減され、消費電力も低減。採用メーカーは、より小型で薄く、電力効率の高いウェアラブルデバイスを開発できるようになる。

 4nmプロセスノードのシステムオンチップ(SoC)となり、「Snapdragon W5+ Gen 2」には低電力のコプロセッサ(Qualcomm QCC5100)が搭載されている。最新バージョンのWear OSにも対応する。

 グーグルの「Pixel Watch 4」が「Snapdragon W5 Gen 2」を搭載して登場することも発表された。なお、「Pixel Watch」の衛星SOS機能は、国や地域、状況によっては利用できない場合がある。グーグル広報によれば、日本では非対応とのこと。利用可能な場合、アクティベーション後、2年間は追加料金なしで利用できるという。