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大阪万博の完全キャッシュレスは「現金より便利」9割占める、行動変容の兆しも
2025年11月17日 16:07
10月13日に閉幕した「大阪・関西万博」(大阪・関西万博)でのキャッシュレス決済は、来場者の9割が「現金よりも便利だった」と実感していたことが、2025年日本国際博覧会協会の「大阪・関西万博 全面的キャッシュレス決済運用の効果検証報告書」でわかった。
累計2900万人が訪れたキャッシュレス万博
大阪・関西万博は4月13日に開幕、累計来場者数2900万人を数え、10月13日に閉幕した。会場内での支払いは全面キャッシュレス決済で、73種類の決済ブランドを取り扱ったほか独自の電子マネー「ミャクペ!」や顔認証決済も提供した。
大阪・関西万博の来場者を対象にしたアンケートでは、合計して9割ほどが「現金よりも効率的で便利だった」と回答。8割以上が「使いやすかった」と回答した。また、今後日常生活でもキャッシュレス決済を利用したいと回答した来場者も9割超を数えた。
日本のキャッシュレス決済比率は4割程度。万博会場での体験を機に、日常生活でのキャッシュレス利用のさらなる定着に弾みがつくことが期待される。
クレジットカードが最多、PayPayも伸びる
金額ベースで見た、万博会場内におけるキャッシュレス決済手段はクレジットカードが最多で5割弱。次いでコード決済、電子マネーの順に利用者が多かった。コード決済では「PayPay」の比率が高く、電子マネーでは交通系ICカードの利用が目立ったという。
会期が進み、来場者数が増えるに従って利用額も増加したが、決済手段全体の構成比に大きな変化はなかった。独自の電子マネー「ミャクペ!」単体での利用者は現時点では集計中で、後日公開される予定となる。
事業者の反応は
事業者側でのキャッシュレス決済普及にも期待がかかる。大阪・関西万博に出店した店舗のうち、会場外での既存店舗で現金を取り扱っているのは7割ほどに上る。現金のみという店舗は3%に留まる。
全面キャッシュレス決済の大阪・関西万博の経験を経て、今後もキャッシュレス決済を取り入れたいかという問いに対して、およそ7割ほどの事業者が肯定的な回答を示した。システム障害や手数料などのコスト増を懸念する声もあったものの、すでにキャッシュレス決済を導入している店舗では、売上の増加や訪日観光客からの需要などを理由として挙げており、今後も普及に向けた動きは続くと見られる。
万博会場内では、アンケートに回答した39店舗の85%が万博運営のキャッシュレス決済に関するサポートにおおむね問題はなかったと回答した。一方で店舗向けのサポートセンターで、十分なトレーニング時間をとれずスムーズな対応が一部でできなかったことなどが反省点だとした。
万博の店舗ではおよそ4割が決済できないトラブルに遭遇したと回答。いずれも端末の通信不具合やソフトウェアのフリーズだった。現金とは異なる性質のトラブルへの対処も、キャッシュレス決済普及に向けた課題のひとつといえる。
万博を契機にキャッシュレス拡大へ
大阪・関西万博の来場者と非来場者では、キャッシュレス決済利用動向に違いがある。
万博に5回以上来場した人は、非来場者と比較して日常におけるキャッシュレス決済の平均利用日数と平均決済回数が10ポイントほど高い。報告書では、万博会場でのキャッシュレス決済の体験が、日常における行動変容を導いたと分析している。
大阪府在住者のキャッシュレス決済比率は、東京都と比較して2.5~5.0ポイント高い。万博以外にもVisaのタッチ決済キャンペーン、鉄道のクレジットカードのタッチ決済対応なども開催されており、キャッシュレス決済促進の動きがある。万博が大阪近郊の人々の行動に影響を与えた可能性もあるとされた。
報告書ではほかにも、万博を訪れてなんらかの決済をした訪日観光客は万博会場以外の観光に向かう傾向があるとして、その経済効果を強調した。
17日、記者説明会に登壇した、2025年日本国際博覧会協会 企画局長の河本健一氏は「日常生活でのキャッシュレス利用意欲の向上という、社会全体に行動変容の兆しがある。大阪・関西万博が日本のキャッシュレス社会の推進に向けたレガシーになる」と話した。キャッシュレスオンリーの万博は、世界でも今回の大阪・関西万博が初めて。これらのデータは、今後のキャッシュレス普及の各種施策の推進に活用される。





































