ニュース

「データ欠損の原因究明」容易に、IIJ子会社がIoT事業者向け新サービス

 インターネットイニシアティブ(IIJ)の子会社であるネットチャートは、IoT環境を柔軟に構築でき、高度なデータ保全を実現するエッジゲートウェイサービス「P3EG」(Profile Programmable Proxy Edge computing Gateway)の提供を開始した。

多様なデバイスに対応し双方向通信を実現

 「P3EG」は、柔軟な接続性・高信頼性・セキュリティ強化および効率化された運用という3点を特徴に打ち出す、IoT事業者向けのゲートウェイサービス。特徴のひとつである「柔軟な接続性」では、IPデバイスだけではなく、シリアル通信など非IPデバイスを含めた多様なセンサーに対応する。取得したデータはサーバー側の要求に応じて、自動変換して送信する。

 Webサービスを外部から呼び出す「REST API」を介した双方向通信にも対応。サーバーから、センサーに対してデータ送信などの操作を指示することもでき、異なるプロトコルやフォーマットを持つセンサー群を統合して、シームレスなIoT環境を構築できる。

 通信障害が発生しても、P3EG側がデータをキャッシュすることで、通信復旧後に自動再送できる。データ取得率や通信履歴をログ管理でき、システム全体の健全性を担保する機能「データSLA」(SLA=Service Level Agreement)を提供する。同種の仕組みは業界初で、実証実験ではデータ取得率99%を達成したという。

 IoTセンサーとインターネット間でプロキシーとして機能して、センサーへのサイバー攻撃を防ぐ。また、統合管理ツールとして提供される「P3EG Conductor」により、複数のP3EGの一元監視やログ分析、ファームウェアのOTA更新ができるようになる予定という。

データ損失を防ぐ強固な保全機能とログ可視化

 データが、単なる記録の壁を超えて収益や戦略的価値を生む資産としての立場を確立した一方で、それらを失うことは機会損失や安全リスクの発生、法令違反や信用低下につながるといった側面も現れている。

 P3EGは、データ損失に対しての対策を前面に打ち出している。通信障害や通信エラーでデータをサーバーに送信できない場合やIoTゲートウェイの電源断で送信待ちデータが消失するといったケースでも、成功するまで送信を繰り返す。再送信データは標準で7日間保持するほか、電源が断たれてもデータは初期化されない。

 ユーザーによるカスタマイズが一般的なIoT市場では、各ユーザーが独自のカスタマイズとして、データの再送機能を備えることもあるが、P3EGは全てのデータ通信成功および失敗のログを保持しており、データがどこで欠損したのか、原因を明確に調べることができる。

 データ欠損が起きた場合、問題はセンサーそのものやセンサーとゲートウェイ間なのか、もしくはゲートウェイとクラウド間のインターネット回線なのかはクラウドから判別することが難しい。P3EGでは、通信ログを可視化することで、データ欠損の原因究明をより容易にする。

 Linuxハードウェア上で動作するソフトウェアフレームワークで、ユーザーの環境に対応するハードウェアを選定したうえで、P3EGを提供する。これにより、CPU/GPUの性能不足やほかのシステムへの応用が利かないといった課題を解決する。個別の専用ゲートウェイの開発が不要でコスト削減と導入期間の短縮に寄与する。

 P3EGは、すでに国内外の工場やインフラ監視などで先行導入されている。ネットチャートでは、工場やインフラ点検、スマートシティなどの分野に向けて今後、2028年までに50件の販売を目指すとしている。