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ドコモの大ゾーン基地局がLTE対応、中ゾーン基地局も整備へ

 NTTドコモは、大規模災害時の対策として整備してきた大ゾーン基地局を、2016年度末までにLTEへ対応させる。また通常の基地局として普段は運用しつつ、災害時にはサービスエリアを拡げられる「中ゾーン基地局」を2017年度末までに、全国1200局以上、整備する。

 ドコモの大ゾーン基地局は、東日本大震災で被災地での対策手段として有効だったことから、2011年9月より本格的に整備されてきた。通常の基地局とは別に設置されており、半径が約7kmと、通常よりも大幅に広いエリアを確保でき、全国に106カ所用意されている。今回の発表により、2016年度末までに、全てLTEへ対応し、通信容量が現在の約3倍になる。

 また2017年度末までに、全国1200カ所以上で「中ゾーン基地局」が整備されることになった。これは、普段、通常の基地局を強化したもの。平常時は、他の基地局と同じように運用され、およそ半径1km程度のエリアとなるものの、ひとたび災害によって近隣の基地局が動かなくなれば、アンテナ角度を切り替えて、サービスエリアを半径3~5kmへと広くする。大ゾーン基地局ではカバーしきれない沿岸部、山間部でも中ゾーン基地局でサービスエリアを確保する。バッテリーなど停電対策も施され、24時間以上、稼働するほか、バックボーン回線(伝送路)を二重化し、1つが切断されても通信できるようにする。地震・津波対策、あるいは火山、土砂災害・水害対策が必要なエリアで整備される。

 大ゾーン基地局、中ゾーン基地局ともに、災害発生時には、リモート操作ですぐ運用できるようになっている。

大ゾーン基地局
中ゾーン基地局

関口 聖