本日の一品

「Eyewear 2」は音声コンテンツを「かけっぱなし」にできる理想のオーディオグラスだ

 ウェアラブルなデバイス、要するに常に身につけておけるガジェットには憧れがあります。普段持ち歩いているスマートフォンやワイヤレスイヤホンも立派なウェアラブルデバイスの一種ではありますが、さらに身近でずっと身につけていられるものが理想的です。究極的には、身体に直接埋め込めるようになるのが望ましいとさえ考えています。

HUAWEIの「Eyewear 2」。傍目にはつるがちょっと太い普通のメガネです。

 とはいえ、少し前に各社から登場したメガネ型スマートデバイスは失速してしまった感がありますし、Apple Visionの登場で今後ますます発展するであろうゴーグル型のデバイスは、普段ずっと身につけておくにはまだ難しいのが現状です。

 そんな中、筆者が注目しているのがオーディオグラスと呼ばれるガジェットで、特にHUAWEIの「Eyewear」には以前から目をつけていました(メガネだけに)。

 初代から改良された「Eyewear 2」が登場して2年近く。レビューでの評価も悪くなさそうだと考えていたところに加え、昨年末に掲載された本誌の記事を読み、一層興味を持ちました。

 さらに近所のOWNDAYSで実際にEyewear 2を試用する機会を得たことで、「これは買いだ!」と確信。すぐにAmazonで注文し、OWNDAYSでレンズを入れてもらって使用を開始して数週間が経過。結果として、筆者の生活スタイルにこれ以上マッチしたガジェットはないのでは? と思うほど気に入ったので、ご紹介させていただきます。

 念のため基本情報を押さえておくと、HUAWEIの「Eyewear 2」はスマートフォンなどとBluetoothで接続し、音声コンテンツを聴取できるメガネ型デバイスです。マイクも搭載されており通話も可能。今風のBluetooth接続マイク付きイヤホンと同じ機能を備えていると言って良いでしょう。もちろん、レンズを交換すれば通常のメガネとして使用できます。

筆者が購入したのは上部のセルが大きいタイプ。横幅のサイズ的が大きいので男性向けだと思います。
メガネとつるの接合部はバネになっていて、ある程度広がるようになっています。
リムは数少ない調整可能箇所です。OWNDAYSで調整して合わせてもらいました。

 実際に試着するまで、音の聴こえ方はある程度予想していましたが、良い意味で期待を裏切られました。驚くほど自然な音の聴こえ方をするのです。もちろん、しっかりしたイヤホンとは比べられませんが、何かをしながら音楽を聴くには十分です。筆者は主にラジオやPodcastなどのトークコンテンツを聴取することが多いため、特にそう感じました。

ツルにある溝から音が出る構造になっています。前のほうにマイクを備えています。

 メガネの「つる」部分から音が出る構造ゆえに、当然ながら音漏れはあります。ノイズキャンセリング的な仕組みによって外部への音漏れを低減しているとのことですが、静かな場所では近くにいると「何か音が聞こえてくる」状態になります。

 そのため、図書館など静かな環境での使用は向きません。一方で、適度にざわついた場所では、常識的な音量に抑えれば周囲に気づかれることはほぼありません。なお、周囲の音に負けて聴こえなくなる環境での使用にはそもそも適していないため、自然と適切な音量調整が身についていくでしょう。

充電はUSB-C経由で専用の充電ケーブルを介して行います。バッテリーの保ちはかなりよく、1日中かけていても特に切れる心配もありません。念のため充電ケーブルセットがもう一つついてくるセットを購入しました。

 機能面はさておき、本製品の真価は、普段使いしているものから音声をそのまま流せる利便性にあると感じます。

 これまでも音楽や音声コンテンツを聴く際は、携帯しているワイヤレスイヤホンを取り出して装着するだけだったのですが、そのわずかな手間すら不要になります。メガネのつるをトントンとタップするだけで再生・停止が可能で、常に装着していられる。耳を塞がないため、周囲の音もしっかり耳に入る。オフィスで仕事をしながらジャズミュージックを流すと、普段殺伐としたオフィスがまるでおしゃれなカフェのようにさえ感じられます。

 Eyewear 2の使用前後で筆者の世界が一変しました。それほどインパクトのある製品です。

HUAWEIの専用アプリで管理やファームウェアのアップデートを行えます。購入後すぐにアップデートがかかったので、アプリの導入は必須だと思います。
面白い機能の一つ「首の疲労度」の計測。どうも首の傾きを検知してどれくらい疲れているかを計測してくれます。

 さらに、通話機能も非常に便利です。本製品を使い始めてから、運転中に電話がかかってくる機会が何度かあり、そのたびにEyewear 2に助けられました。突然の着信にも慌てることなく、つるをトントンとするだけで応答できるのは本当に便利です。

 ちなみに仕事中に電話がかかってきた際、つるをトントンして「もしもし?」と話し始めたところ、周囲の同僚にギョッとされたこともありました。Eyewear 2は外見上普通のメガネにしか見えないので、唐突に独り言を言い始めたように見えたのでしょう。

 このように大絶賛していますが、耐水性には若干の不安を感じています。もちろん普段使いを想定した製品のため、それなりの耐水性能(IP54:通常の環境下での防塵・防滴性能)は備えています。しかし、夏場のゲリラ豪雨に遭遇しても問題ないのか、若干の懸念はあります。

 また、筆者は超音波洗浄機を愛用するほどメガネを水洗いするのが好きなのですが、本製品はレンズ部分は問題なくても、全体を水に浸けて洗えないのが少しもどかしいところです。

製品名発売元価格
Eyewear2(充電ケーブルセット)ファーウェイ・ジャパン3万700円
Amazonで購入