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NTT Com、特許技術を活用した暗号通信を実現 量子コンピューターでも解読不能
2025年1月17日 12:57
NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は、プライバシーを保護したままデータを処理する耐量子セキュアトランスポートと同社の特許技術を活用し、鍵供給まで含めたシステム全体において、量子コンピューターでも解読出来ない暗号通信に関する実証実験に成功したと発表した。
2030年頃に実用的な量子コンピューターが登場すると予想されており、既存の暗号技術による通信が解読される可能性が懸念となっている。世界各地で量子コンピューターでも解読不可能な次世代暗号への移行が課題となっており、日本でも2024年7月から金融庁で次世代暗号への移行に関する検討会が始まった。今回の実証は、量子コンピューターを用いた新たなサイバー攻撃から通信上の機密データを保護することに貢献する。
今回の実証では、IOWN PETsの技術要素である耐量子セキュアトランスポートの鍵交換機能を同社のクラウドシステム上に設置し、クラウドシステム上からアプリケーションに対して暗号化用の鍵データを供給した。さらに、同社の特許技術を活用し、鍵供給の際にも解読されないよう安全な供給を実現した。アプリには、同社が提供するビデオ・音声通話などの開発ツール「SkyWay」を活用し、これらの暗号技術を組み込んだWeb会議システムを構築することで、量子コンピューターにも解読出来ない安全な通信を実証した。
この実証の成果をもとに、量子コンピューターにも解読出来ない暗号技術、IOWN技術、析秘などの同社のサービスを組み合わせた次世代暗号通信技術の商用化をめざす。