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アップル、「Apple Watch Series 10」発表

 Apple(アップル)は、Apple Watchの新モデル「Apple Watch Series 10」を発表した。本日より予約受付を開始し、9月20日に発売する。米国向けの価格は、GPSモデルが399ドル、GPS+Cellularモデルが499ドルから。

 これまでの「Apple Watch」シリーズの中で最も薄型で、ディスプレイはシリーズ最大で、「Apple Watch Ultra 2」よりも大きく、2020年に発売された「Apple Watch Series 6」と比べて30%スクリーン領域が増えている。

 前面クリスタルはIon-Xで、その下にApple初の広視野角OLEDディスプレイを搭載している。より広い角度でより多くの光を放ち、歩いている時や、キーボードで入力している時、手を膝の上に置いている時など、時計を斜めから見ても明るく見やすくなっている。

 また、広視野角OLEDディスプレイは電力効率に優れ、常時表示モードでは1秒に1回ディスプレイが更新される。「Apple Watch Series 10」向けの文字盤「フラックス」は、大きなディスプレイを活用し、1秒ごとにカラーがスクリーンに広がっていく。本体のアルミニウム仕上げが引き立つデザインという。

 バリエーションは、新たに追加されるジェットブラック、ローズゴールド、シルバーアルミニウムが用意される。

 本体の厚さは9.7mmで、これは「Apple Watch Series 9」と比べて約10%薄型化している。Appleは、「Apple Watch Series 10」を薄型化するために、SiP、デジタルクラウン、スピーカーなどの内部モジュールを小型化した。スピーカーシステムは完全に見直され、音響性能を妥協せずに30%小型化したという。

 「Apple Watch Series 10」では、Apple Watchでは初めて音楽やポッドキャストなどのメディアを「Apple Watch Series 10」のスピーカーから直接再生できる。アンテナとケースを一体化し、通信性能を高めているという。

 深さ50mまでの水圧に耐えられ、シャワーや水泳、サーフィンで使っても問題ないという。これまでの「Apple Watch」で最も高速な速度で充電に対応し、約30分で最大80%の充電が可能。重量も軽量化しており、アルミニウムケースでは「Apple Watch Series 9」と比べて最大10%軽量である。

 新たに搭載される「S10 SiP」は、4コアのNeural Engineを搭載し、ダブルタップ、Siri、音声入力、ワークアウトの自動検出、衝突事故や転倒の自動検出などを担う。衝突事故や転倒の検出は、機械学習を使って横滑り、つまずき、転倒などのアクシデント発生時の特徴的な動きを識別している。また、混雑したレストランや、風の強い日などの雑音が多い環境下でも、クリアな品質で通話できるという。

チタニウム

 「Apple Watch Series 10」では、従来ラインナップされていたステンレススチールに代わり、チタニウム仕上げが追加される。「Apple Watch Series 10」のチタニウムは、前シリーズのステンレスと比べて約20%軽量で、ナチュラル、ゴールド、スレートグレイから選べる。バンドは、ミラネーゼループとリンクブレスレットが用意される。

 「Apple Watch Series 10」のチタニウムは、95%再生チタニウムが用いられ、100%再生可能電力を使って製造される。また、輸送には炭素排出量を減らすために陸または海の輸送を優先し、製品としてカーボンニュートラルを実現している。

健康管理

 Apple Watchは、薬の服用をリマインドしたり、聴覚に影響を与える可能性がある大きな音について警告したり、心房細動の徴候があればそれを知らせてくれたりする。「不規則な心拍」の通知によって、Apple Watchユーザーが救急診療を受けられたという体験が、毎日のように届いているという。

 睡眠時に装着することで、手首の皮膚温から排卵日を推定したり、毎日の健康状態の管理、睡眠の深さや長さを自動的に推定できる。これらの機能に加えて、「Apple Watch Series 10」では、睡眠時無呼吸症候群についても検知して通知する。

 睡眠時無呼吸症候群は「呼吸の乱れ」として30日ごとにデータ分析され、無呼吸症候群の徴候が中等度から重度の状態が継続して疑われると通知する。この機能は、近日中にFDA(米国医薬品局)などから認可を受け、米国や日本を含む150以上の国と地域で9月中に利用可能となる予定。同機能は「Apple Watch Series 10」のほか、「Apple Watch Series 9」と、「Apple Watch Ultra 2」でも利用できる。

海やプールで使いやすく

 「Apple Watch Series 10」は、新たに水深計と水温センサーを内蔵し、プールや海で泳いでいる時に、6mまでの水深や水温をワークアウトアプリで確認できる。

 「Apple Watch Series 10」には、Huish Outdoorsの「Oceanic+」アプリが搭載され、シュノーケリング中の時間、最大深度、方向などの水中での測定値を記録できる。また、「watchOS 11」では潮位アプリにより、上げ潮と下げ潮、満潮と干潮、日の出、日の入りなどの情報を7日間分確認できる。

 ワークアウトアプリでは、カヤック、カヌー、ボートで航行中に、距離や速度、ルートマップが確認できる。Paddle Loggerアプリを使って水上の旅程を作成しておけば、正しいルートに向かっているか、Apple Watchの触覚フィードバックで通知される。