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メルカリ、値段を決めずに出品できる「価格なし出品」を開始

 メルカリは、出品時に商品価格を決めずに出品できる「価格なし出品」の提供を開始した。これによりさらに手軽に出品できるようになるとしている。

メルカリ 菱井氏

価格を決めずに出品

 出品された商品の価格は「???」と表示される。購入者は商品ページ内の「価格を提案する」をタップ。購入希望価格を購入者側から提案すると出品者に通知され、出品者が承諾すればその価格で販売が始まる。

 価格を提案した購入者とその商品に「いいね!」した人に販売開始の通知が届き、その後は通常の取引の仕組みと同じとなる。価格の提案は、あくまで”提案”であり、必ずしもその価格で購入できるわけではなく、承諾後も通常の取引の操作が必要。価格を提案した人以外も購入することができる。メルカリShopsは非対応。

新機能のデモ画面。上は出品者と出品後の画面。下は購入者が価格を提案した様子

 メルカリ プロダクトコアチーム ディレクターの菱井康夫氏は「気軽に出品でき、購入者は今までも出品されなかった商品と出会う機会が増える。(出品者は)自分で納得できる金額を提案でき(購入者も)その価格で購入できる」として、不用品を手放すチャンスが増えることで、モノの循環の更なる加速を進めていきたいとした。

価格の決定「6割のユーザーが面倒」

 背景には、メルカリでの出品時に「アプリを操作すること」や「適切な販売価格を考えること」「価格交渉への対応」が面倒なこととして挙げられているということがある。

 菱井氏は、メルカリでも出品時の手続きを課題として把握していることを説明。同社ではこれまでも、そうした利用者の需要に応えて「かんたん出品機能」をリリースしている。その一方で、価格設定についてはまだ良い体験をできていなかった、とこれまでを振り返る。

 出品経験の有無を問わず、価格設定に悩む声がメルカリの調査で多くあることが分かっている。大掃除や実家の整理で不用品が出てきたが、適切な価格を調べるのが面倒、型式などがわからず相場が調べられなかった、ジャンク品のため市場価格が参考にならないなど、共通して価格設定の負荷を減らすニーズがあると見解を示す。

 同社の資料によれば、出品時の価格の決定は6割ほどのユーザーが面倒と回答しており、約7割が「販売価格の決定が面倒で出品をやめた」ともされており、価格の決定は出品時のハードルとなっている。今回の機能では、出品前にいくらで売るかを考える必要もなく、類似商品の相場を調べる必要がなくなることで、メルカリの利用促進を図る。

 将来的な展望としては、写真1枚で商品情報が入力されるといった機能の導入も描いており、ユーザー同士のコミュニケーションの部分でも改善の余地があるとして、機能改善を進める。このほか、手間になりがちな、梱包や発送の出品プロセスでもさらにユーザーの負担を減らしていきたい考えが示された。