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Arm、サーバー向けCPU「Neoverse」の第3世代型を発表

 Armは、サーバー用途に向けたプロセッサー「Neoverse V3/N3/E3」とコンピュートサブシステム「CSS V3/N3」を発表した。

 Neoverseは、サーバー向けのプロセッサー。新たにハイエンドチップのVシリーズと電力効率に優れるNシリーズ、データスループットが特徴のEシリーズに第3世代となる新型が追加された。Armが同社のパートナーのフィードバックを得ながら、これまでの開発で得た知見をもとにパッケージとしてまとめた「CSS」(Compute SubSystem)もV3とN3に用意した。データベースやWebサーバー、AIなど同じサーバーでもその用途により求められる性能は異なり、複雑化するサーバーのシステム設計に応える。

 CSS N3で提供されるNeoverse N3は、従来モデルのN2と比較して1クロックあたりの性能が20%向上した。Neoverse Nは、通信基地局など電力効率が求められる現場に向けた製品で、CPUコア数を8~32コアの範囲でユーザーが選べる。32コアの場合でも消費電力は40W以内におさまるとしている。ハイエンドモデルのV3は、Neoverse N2比でCPU性能が50%高い。1ソケットにつき最大128コアに対応し、DDR5/LPDDR5など高速なメモリー規格サポートする。前モデルのNeroverse V2と比較プロトコル変換や映像解析では10~15%ほど高く、AI性能では84%、N2比では同じく196%も性能向上した。

 コア内のプライベートL2、命令フェッチャーのサイズを最適化するなどして、「XGBoost」(Extreme Gradient Boosting)のバイナリーを高速化し、性能向上を実現した。あわせてLLM(大規模言語モデル)におけるアルゴリズムでの性能向上も図る。同社では研究段階としつつもV1からV2でおよそ20%の性能改善を果たしており、V3でも最適化を進めていると説明した。AIの推論がCPU単体で動作するのがArm製品のメリットとしている。

 同社では、Neoverseシリーズのさらに次世代のIPも開発を進めているとしており、次世代のIPのコードネームはそれぞれ、Vシリーズが「Vega」、Nシリーズが「Ranger」、Eシリーズが「Lycius」と明かした。AI分野ではNeoverseが伸びる部分は多いとして、今後もパートナーとともに拡大を目指す。