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「ビジュアル体験、爆上げ」、Armが新GPU「Immortalis」など発表

 Armは、フラッグシップGPU「Immortalis」など「Total Compute Solutions 2022」で提供される製品を発表した。今後、搭載するスマートフォンなどが市場に登場する見込み。

Immortalisでグラフィック体験を底上げ

 Immortalisは、同社のフラッグシップGPU。名前は「不朽の名声を与える」や「不滅にする」「永遠にする」という英単語「immortalize」に由来する。Arm リージョナルマーケティング・ディレクターの菅波憲一氏は「Immortalisのスペルを見ると『Mali』(ArmのGPUブランド名)が中に入っている」とネーミングの裏側について明かす。

 同社がこれまで展開してきた「Mali」でのノウハウを継承しながら、「Immortalis-G715」ではArm GPUとしては初のハードウェア・レイトレーシングを搭載。主に大手メーカーが手掛けるモバイル向けゲームでは、高グラフィック化が進んでおりImmortalisの投入でこれまでよりもリアルで没入感のあるゲームプレイを可能にする。

 2021年にリリースされたMaliのフラッグシップモデルと比較して、ピーク性能と電力効率は15%アップ、機械学習性能は2倍向上しているという。

 一方で、MaliブランドのGPUも継続して投入される。Immortalisとの違いは性能で、菅波氏はImmortalisでは、コア数を10個以上搭載するような高性能化を実現していくと説明。Maliではそれ以下のコア数でコスト効果やサイズを追求する製品群として展開される。

 Immortalis投入の背景については、高グラフィックなゲームやWindows on Arm、メタバースなどの展開が挙げられる。菅波氏はこうした流れについて「今までとひとつ次元が違うグラフィック性能が求められる」として、これまでのGPUとは異なるスーパーハイエンドな製品が必要だったと語る。

 Maliとの性能の差別化などから、Immortalisについては「同じGPUではあるものの全く違うスタート地点からゴールを狙っている」と新しいブランドとして展開される意義を説明。現状のImmortalisについて「前モデルと大きな差はない」としつつも今後、年次を重ねるごとに進化させていくという。Armの2022年について「ビジュアル体験を爆上げするための開発を進めていく」と表現した。

 Immortalisを搭載する製品の登場は2023年頃を見込む。

CPUも発表

 CPUでも新たな製品を展開している。「Cortex-X3」では従来型の「Cortex-X2」と比較してピーク性能で25%ほど向上した。

 かつてのフラッグシップとされていたCortex-A700シリーズの新型「Cortex-A715」も合わせて登場。Cortex-Xシリーズの登場でフラッグシップの座は譲っており、A700シリーズは高性能を追求しつつもモバイル用に適した電力効率などを求めるバランス型のCPUと菅波氏は説明した。

 また、ミドルレンジとなる「Cortex-A510」でも電力効率の見直しにより10%の電力削減を達成したという。加えて、複数個のCPUを束ねるDSU(Dynamic Shared Unit)は最大で12個のCPUに対応できるようになっている。

 パートナーの要望を取り入れて開発を進める「Cortex-X Custom プログラム」は3年目に突入。実プラットフォームで3年連続、性能が二桁成長を記録する成果を見せているという。AndroidスマートフォンにおいてもCortex-X3搭載機は2021年のモデルと比較して25%性能向上したほか、ノートパソコンでも34%の電力削減を実現した。

 菅波氏は、今後もCortex-X Custom プログラムを今後も続け、高性能・低消費電力を武器に、同社が市場拡大を狙うパソコンにおいて存在感を示していきたい考えを明らかにした。

23年にはImmortalisの改良版が登場へ

 Total Compute Solutionsの今後としては、2023年には「Titan」のコードネームで呼ばれるImmortalis-G715の改良版が展開される予定でCPUにもCortex-X/Aシリーズの改良版が搭載される見込み。さらにアプリ開発者などに向けて、エコシステム全体を最適化する64bit化の加速、機械学習性能の向上、ハードウェアのセキュリティ強化などを促進する。

 このほか、Windows on Armにおいても、多くの開発者にArmエコシステム開発環境に触れてもらうという目的で、Armをネイティブサポートするツールにより、Arm対応のWindowsアプリの開発を促進するといった取り組みも実施されている。