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冬コミでドコモの電波は大丈夫? ドコモの「コミックマーケット103」対策を取材
2023年12月27日 18:27
12月30日~31日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催される同人イベント「コミックマーケット103」。前回は8月に開催されており、入場者数は2日間で26万人(主催者発表)。今回も同様の規模での開催を見込んでいる。
一方で、コミックマーケットに限らず、大規模イベントで気になるのは「携帯電話が使えるかどうか」というユーザーも多いだろう。近年は、キャッシュレス決済などが普及しており、携帯回線の重要性は年々高まっている。
前回の102では、東展示棟で「ドコモの電波がつながらない」といった声が多く、実際に筆者もドコモ回線がつながりにくく、他社の回線に切り替えて利用していました。
今回の103について、ドコモでは102から取り組みを追加し、対策を強化しているという。今回は、ドコモのコミックマーケット103対策を見てきた。
仮設基地局を強化
イベント会場での対策や災害時に活躍する「移動基地局車」など仮設基地局を、一般参加者の待機列やりんかい線国際展示場駅から東京ビッグサイトに続く「イーストプロムナード」などで運用する。
主に東地区を目指す参加者が列をなす東棟屋外臨時駐車場には、移動基地局車を4台に増台(102は3台)したほか、5Gミリ波やWi-Fiの回線も用意し、増大するトラフィック量へ対応する。
主に西と南地区(企業ブースなど)の一般待機列があるイーストプロムナードとその周辺には、既設の基地局装置に追加/隣接する形で臨時基地局を設置する。ここでも、5GやWi-Fiの回線を用意する。また、りんかい線国際展示場駅に設置している基地局では、混雑エリアに放射が集中するように調整される。
なお、平時にそのエリアをカバーしている近隣の基地局については、電波が干渉してしまうなど悪影響を避けるため、「対策エリア」で電波を掴まないよう調整を行っているという。
恒久的な対策も実施
平時から運用している既設の基地局についても、対策を強化している。
たとえば、東棟ではガレリア(東123ホールと456ホールの間にある通路)やトラックヤードに5G対応の基地局が設置された。屋内や人が集まるトラックヤードで5Gの電波を利用することで、5G対応スマートフォンの通信改善がなされるだけでなく、5G端末のトラフィックが5G周波数に移行することで、4G回線の混雑緩和が期待できる。
また、待機列やコスプレエリアとして運用される西棟の屋外展示場にも、5G基地局が増設され、混雑エリアへ電波放射が集中するよう調整がされている。
東棟の通信状況改善に期待
これまで、西と南棟には5G基地局が設置されていたが、今回新たに東棟でも5G基地局が設置された。前回の102では、東棟でつながらないという声があった一方、西と南棟のユーザーからは快適だったという声もあり、人口密度の差や立地、建物の構造などに違いはあるが、5G基地局の存在がトラフィック対策に大きな貢献をしていることが想像できる。
特に、近年はWebコンテンツのリッチ化が急速に進んでおり、動画SNSなど多くのユーザーが大容量のコンテンツを楽しんでいたり、写真や動画をすぐにシェアしたりするため、ダウンリンク(下り)だけでなくアップリンク(上り)対策も進めていく必要があると担当者は語る。
今回新たに設置された5G基地局や、仮設基地局が今回の103のトラフィック対策にどのような恩恵をもたらすのか。あるいは、トラフィック量が膨大すぎて「焼け石に水」状態になってしまうのか。今回の103では、ぜひ注意深く見守りたいと思う。