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ソフトバンク宮川社長、楽天モバイルのプラチナバンド開設計画に「場所やバックホールを貸しても良い」とコメント

ソフトバンク代表取締役 社長執行役員 兼 CEOの宮川 潤一氏

 ソフトバンク代表取締役 社長執行役員 兼 CEOの宮川 潤一氏は、同社の2024年3月期の第2四半期決算 説明会で、楽天モバイルのエリア展開について、場所やバックホールなどについての協力に前向きな姿勢を示した。

 宮川氏は、楽天モバイルのプラチナバンドを使った開設計画について、「ちょっと寂しい計画だった」とコメント。

 また、3MHz幅の周波数帯については「貧乏くじを引いたという風には思っていない」としたうえで、帯域は狭いながらも「持っていると持っていないとでは似て非なるもの」とし、同社のエリア展開で苦労した過去から「3MHzあれば相当エリアカバーができるが、ユーザーが1000万を超えてくるようになればその帯域では足りなくなる」とし、使い方をよく検討した方が良いと助言。

 トラフィック対応に使う1.7GHz帯と700MHz帯の間を埋めるにはチューニングに相当ノウハウがいるとし、「やりきれられると思っている」と前置きをしつつも、「10年間で1万局、500億円の投資は、さすがにできると思わない」とした。

 宮川氏は、ソフトバンク自身もプラチナバンドの免許が下りた際のことを「900MHzほしいほしいと大騒ぎして3年間で2兆円投資してがんばってもまだつながらないと言われ続けた。そこから細かなチューニングを10年やってようやくこのインフラになった」と、チューニングの重要性をあらためて指摘。

 楽天モバイルに対しては「まずは一生懸命やられる時期」とし、2026年9月のローミング最終期限に間に合うように、フラットな議論が必要ではないかとした。

 宮川氏は、このあと「勝手な思いつき」とした形で、楽天モバイルのエリア展開へ協力する姿勢を示した。宮川氏は「我々の基地局がエリア展開に必要なポジションであれば、それで議論になると思う。せっかくいただいた周波数なので、もっと活用して頂きたい。もしうちが役立つところであれば、バックホールをお貸しするとか、そういうところでも協力しても良いと思う」とした。

 宮川氏は、この発言の真意について、「ラブコールではない」とし、「楽天モバイルが参入しない方が我々も戦いやすかったし、手強い、なかなか強敵だと思っている」とコメント。

 一方で「NTTのいろいろなわがまま(NTT法関連の議論など)からスタートし、我々通信事業者が集まって話をしている。その中で、三木谷氏もいろいろな発言をされるが、非常に正論をおっしゃる方で、僕は経営者として尊敬できる人だと思っている。そういう面でも(楽天モバイルは)『無くなってほしくないな』という風に思っている」と思いを述べた。

 先述の協力姿勢については「レポートの数字を毎日見ているなか、結構苦戦されている」とし「事業計画が成り立つところまでたどり着くには、ちょっと時間がかかると思っている。その時間を埋める議論があってもいいんじゃないかという風に思った次第」とし、特に楽天モバイルから何か求められたわけではないとした。

【追記 2023/11/08 17:19】

 宮川氏の「発言の真意」に関する内容を追記しました。