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IIJが上半期の決算を発表、勝社長「ドコモの通信品質はまだ多少問題があると聞いている」

 インターネットイニシアティブ(IIJ)は6日、2024年3月期上半期の決算を発表した。決算説明会には、同社代表取締役社長 Co-CEO&COOの勝栄二郎氏らが登壇した。本稿では、主に個人向けMVNOサービス「IIJmio」に関する内容を取り上げる。

勝氏

 売上高は1282.0億円で、前年同期比で5.1%の増収を記録。また、営業利益は120.8億円で、同8.1%の増益となった。モバイル事業では法人IoTの売上が好調だったという。

 IIJmioについて、第2四半期末の回線数は122.2万回線。前四半期比で1.9万回線の増加となった。そのうち旧プランの回線数は24.7万回線を占める。

 上半期のIIJmioの売上は106.1億円で、前年比で2.6億円の減収。要因としては、旧プランから新プランへの移行に伴う売上の減少や、端末売上の減少が挙げられている。

質疑応答(一部)

――NTTドコモの通信品質が低下しているという問題があったが。

勝氏
 ドコモの通信の品質について、まだ多少問題があるというふうには聞いています。ドコモからはいろいろな情報をいただいていまして、継続的な対応をしていただけるのではと期待しています。

 クレームの件数はちょっと数字を把握していませんが、それほど多くはないと思っています。

――10月に180者がNTT法の見直しに関する要望書を提出した。180者のなかにIIJが含まれていないようだが、議論に関する考えがあれば知りたい。

勝氏
 NTT法については、政府や与党でいろいろな観点から議論されていると思いますので、そういう意味ではコメントを差し控えたいと思っています。

 ただ、一般論としましては、多様な、また低廉な通信サービスがあることは国民にとっても非常にプラスになると思いますので、公正な競争環境の整備にはこれからも努めていただきたいと思っています。

――楽天モバイルがプラチナバンドを獲得した。

勝氏
 楽天モバイルも、公平な競争の一環として、できるだけそういうもの(プラチナバンド)もMVNOに開放していただくことはぜひお願いしたいと思っています。

――ドコモの接続料について、低減傾向が続く。モバイル事業の収益性は。

勝氏
 我々はほかのMVNO事業者と違って、法人と個人の両方があります。しかも上りと下りもやっていますので、そういう意味では、ネットワークの技術を最大限利用して、黒字化しています。

――KDDIとの提携から半年近くが経つ。どういう経緯だったのか、あらためて聞きたい。

勝氏
 最近、政策保有株の規制が厳しくなっていますので、その一環として、NTT(持株)が(KDDIの株を)一部手放したいということはあったと思うんですね。それで、KDDIについては前から「IIJの株を取得したい」という意向が内々で示されていましたので、そういう経緯があって、NTTとKDDIが同じ割合で(IIJの株を)持っていただくということにしたわけです。

 いろいろなキャリアに(株を)持っていただくというのは、我々にとってもメリットがあると思います。

――具体的に事業面での提携の予定は。

勝氏
 いろいろなサービスの開発を打ち合わせしています。東南アジアでいろんなビジネスを提携していきましょう、ということも今進んでいます。

 ご存じのように、KDDIは我々と違ってキャリアでありまして、我々はいろいろなITのサービスを持っている。さまざまな分野で協業できると思います。

――法人向けのモバイルサービスが伸びているが、主な用途は。

勝氏
 IoTが多いですね。IoT化や、その一環としてデータ化もこれからどんどん進んでいくと思っています。

 我々はもともと、(商材として)監視カメラなどを持っていましたが、今は農業や工場の生産工程の管理など、いろいろなセンサーを使ってさまざまな分野でパターン化して売り出しています。非常にニーズが高いと思っています。