野外フェスでStarlink活用のフリーWi-Fi、最大268Mbpsで約3万人が活用

　KDDIとワイヤ・アンド・ワイヤレスは、2023年4月30日～5月6日に開催された野外音楽フェス「JAPAN JAM 2023」で、衛星通信サービス「Starlink」を活用した公衆Wi-Fiソリューションを初めて提供した。

「JAPAN JAM 2023」でStarlink活用のフリーWi-Fiサービスを提供

　同ソリューションの利用実績は、「JAPAN JAM 2023」開催期間の5日間合計で2万9452人、総接続数で7万5273回線、同時最大接続数は3555人。開催期間中に1時間1回計測したスループットは40.7Mbps～268Mbpsとなった。

　今回のフェスでは、来場者の約2割にあたる約3万人がStarlinkを活用したフリーWi-Fiを利用し、同行者との連絡や電子決済などを快適に利用したという。

　音楽フェスなどの大規模な野外イベントでは、多くの利用者が局所的に集中するため、通信環境が不安定になることがあった。今回のソリューションでは、Starlinkアンテナと屋外用アクセスポイントのシンプルな構成で、容易に任意の場所にWi-Fiエリアを構築できる。このため、車載型の通信基地局（移動基地局車）の設置が難しかったイベントにも利用できる。

「Starlink」のアンテナ

　また、回線は通常のモバイル回線ではなくStarlinkを通信回線として利用するため、モバイル回線の混雑緩和効果も期待できる。ロッキング・オンが主催する野外音楽フェスティバルにおいて、来場者向けにフリーWi-Fiを提供するのは今回が初めてという。