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eSIMや専用アプリも提供へ、NUROモバイルが新料金プラン「NEOプランW」で目指す価値

北川研斗

2023年3月8日 20:29

　ソニーネットワークコミュニケーションズは、MVNOサービス「NUROモバイル」で新プラン「NEOプランW」や新オプションなどを発表した。

　発表の場には、ソニーネットワークコミュニケーションズ MVNO事業室室長の茂木卓也氏が登壇し、NUROモバイルの現況などについてもあわせて語られた。

ソニーネットワークコミュニケーションズ田中氏、茂木氏、石井氏

40GBプランを新設

　NEOプランWは、月間データ通信容量40GBの料金プラン。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3キャリアに対応しており、データ容量の翌月繰越やNEOデータフリー、あげ放題、Gigaプラス（＋15GB）、パケットギフトなど各種オプションに対応する。

　月間データ通信容量超過後の通信速度は最大1Mbps。専用アプリなしでも国内通話は30秒につき11円となる。

　NEOプランではこれまで、機能の差がある2つのプランを用意していたが月間データ通信容量は一律20GBだった。茂木氏によれば、20GB以上のプランを望む声があったことから今回の40GBプラン新設にいたった。大容量帯のプランが注目を受ける要因としては、外出してスマートフォンを使う機会や5Gユーザーが増えたことなどがあるようだ。

　市場全体の通信の利用状況としても、1契約あたりの下り通信が1年で1.2倍に、5年で2.3倍と徐々に増加しており、茂木氏は「生活様式やスマホの楽しみ方が変わってきたのでは」と見る。大容量プランでは、MNO各社がネットフリックスやDAZNなどに代表される、OTTプレイヤーとの連携で新たな付加価値を提供するといった取り組みも見られるが、NUROモバイルでは強みを「ソニーグループでの連携」としてユニークな機能を打ち出していきたいと今後の方向性を示した。

　さらに、これまでNTTドコモ回線のみで提供されていたNEOプランが「NEOプラン Lite」を除き、ドコモ、KDDI、ソフトバンクの3回線に対応した。契約時にどの回線で申し込むか選ぶかたちになるという。NEOプラン Liteでのトリプルキャリア対応については「ユーザーの声を踏まえてサービス化を検討する」と述べるにとどめた。

NEOプランを体験できるオプションやeSIMも

　NUROモバイルでは、このほかにも新たな施策を用意。新たに「NEOトライアル」として、NEOプランの機能をお試し的に利用できる仕組みを用意する。

　NEOプランでは、ソニーグループのAI技術を活用した専用帯域を用意することで快適な通信環境を実現しているが、NEOトライアルでは、1回110円（100MB）でNEOプラン専用帯域を利用できる。バリュープラスやかけ放題プランがその対象で、すでに新規受付を停止したプランを継続しているユーザーも利用できる。「お試しプラン」は対象外。SIMカードなどはそのまま、オプションのかたちで提供され1回の購入で100MB分がNEOプランの帯域で通信できる。

　加えて、かねてよりユーザーから要望のあったという専用アプリを提供する。アプリでは、データ残量や過去の料金支払情報、NUROモバイルからのお知らせを確認する機能などが利用できる。リリースは3月下旬ごろとされており、正式な日時はあらためて告知される。

　さらに、2023年度上期を目途にeSIMの提供を開始する。茂木氏はユーザーから導入を求める声が強かったと提供意図を説明。ドコモ回線で利用でき、詳細については今後あらためて発表される。他キャリア回線については、ユーザーの声などを考慮しつつ検討するとした。

MNOからの転入が多い

　NUROモバイルは、2016年に「nuromobile」のブランドでサービスを開始。現在は「バリュープラス」や「NEOプラン」「かけ放題プラン」などさまざまなプランを提供している。茂木氏は、加入者数は2年間で2倍に伸びているとその好調さをアピール。具体的な数値は明かされなかったものの解約率については「想定通りの推移。大きく増えても減ってもいない」と説明された。

　MMDによる調査ではMNOからの移行が増加していることが明かされた。NUROモバイルを選んだ理由として「自分に合った容量のプランがある」「通信速度にストレスがなさそう」などが並んでおり、茂木氏は「各プランの特徴が上位に入っており、我々の取り組みがエンドユーザーにも評価された」と認識を示す。

茂木氏

　さらに、今後の期待として挙げられていたのが「専用アプリの提供」や「eSIM対応」「20GB以上のプラン」で、NUROモバイルでは今回、こうしたユーザーの声に応えたかたちでのサービスアップデートを打ち出した。

　総務省では、MVNO事業者にも電話番号を割り当てる仕組みを実現する方向で検討を進めており、MVNOでさまざまな付加価値サービスが実現することなどが期待される。NUROモバイルでは明確な予定はないとしたうえで「他社動向やユーザーニーズを読み取りながら検討する」とコメント。一方で「（実現のためのコストなど）経済性は大きな課題」とした。

　今回発表された新料金プランのNEOプランWは、本日8日よりサービス提供を開始している。期間限定のキャンペーンとしてNEOプランWに加入すると2万円のキャッシュバックや対象プランの申し込みで「PlayStation 5」が抽選で当たるキャンペーンなどが実施される。