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自販機で使える電子マネー「Coke ON Wallet」って何? コカ・コーラの発表会で語られたこと
2022年11月10日 16:04
日本コカ・コーラは10日、公式アプリ「Coke ON(コークオン)」の新機能として、電子マネー「Coke ON Wallet(コークオン ウォレット)」を発表した。11月下旬から提供が始まり、「Coke ON」で提供されている「Coke ON Pay」の決済手段として、対象の自動販売機で利用できる。また、独自のポイント還元も用意されている。
10日に開催された発表会には、日本コカ・コーラ ベンディング事業部 シニアマネジャーの永井宏明氏と、共同運営パートナーとして参画するインフキュリオン BaaSプラットフォーム事業部 ビジネス開発部 アカウントマネジメントチーム マネジャーの藤岡茂一氏が登壇した。
現在、日本で約88万台の自動販売機を運営する日本コカ・コーラ。販売チャネルとしては縮小傾向にある自動販売機サービスを活性化させたり、スマートフォンとの連携を強化したりする目的で、アプリを使った「Coke ON」サービスを展開している。
たとえば、「Coke ON」のスタンプを15個貯めると、コカ・コーラ製品が1本無料になるドリンクチケットを受け取れる。
今回新たに「Coke ON Wallet」が導入される背景には、日本コカ・コーラが持つ“2つの顔”がある、と永井氏は語る。
ひとつは、先述のように多くの自動販売機を運営する「小売店」としての側面だ。自動販売機はいわば“無人販売の店舗”であり、「Coke ON Wallet」の導入は、接客・販促ツールの拡充を意味する。
また、「飲料ブランド」として高い知名度を誇る日本コカ・コーラにとって、「Coke ON Wallet」を用いたプロモーションやキャンペーンを実施することで、自社製品のアピールにつなげられる。
独自のプリペイドサービス「Coke ON マネー」と、独自のポイント機能「Coke ON ポイント」で構成される「Coke ON Wallet」。
「Coke ON マネー」には、登録した銀行口座経由で、最低200円から1円単位でチャージできる。1000円以上チャージをすることで、チャージ金額の5%が「Coke ON ポイント」として還元されるしくみだ。
「Coke ON Wallet」のサービス開始日~2023年3月31日まではキャンペーンも実施され、還元されるポイント数がアップ。チャージ金額の10%が「Coke ONポイント」として還元される。
貯まった「Coke ON ポイント」は1ポイント=1円として、「Coke ON」対応の自動販売機で製品を購入する際に利用できる。
また、「Coke ON ポイント」に加え、先述の「Coke ON」のスタンプも製品購入時に付与される。15個貯めると、コカ・コーラ製品が1本無料になるドリンクチケットを受け取れる。
永井氏は「『Coke ON』のスタンプの場合は15個貯めることで、ドリンク1本と交換できる。一方、『Coke ON ポイント』は好きなタイミングで1円単位で使えるということで、(スタンプと比べて)柔軟に活用できる」と自信を見せた。
「Coke ON Wallet」のサービス開始時は、「Coke ON Pay」対応の自動販売機42万台で利用でき、対応する自動販売機は拡充される予定だという。
「Coke ON Wallet」の開発にあたっては、インフキュリオンが共同運営パートナーとして参画。同社は、事業者が“オリジナルPay”を構築するためのスマートフォン決済プラットフォーム「ウォレットステーション」を手掛けており、同プラットフォームは小売業者や金融機関を中心に導入されている。
2023年内には、手持ちの現金を「Coke ON」対応の自動販売機で「Coke ON マネー」にチャージできる、「自販機チャージ」サービスも始まる予定。
永井氏は「自動販売機で取り扱われる小銭をできるだけデジタルにシフトさせていきたい」と語り、今後への意欲をのぞかせた。