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通信障害時に期待される「事業者間ローミング」、IIJが動画でその仕組みと課題を解説

 インターネットイニシアティブ(IIJ)は、事業者間ローミングと緊急通報に関する解説動画をYouTube上で公開した。

 通信障害が頻発する中で話題のひとつとなっている「事業者間ローミング」。ある携帯電話会社の回線で障害が発生した場合、他社の回線につなげることで緊急通報が使えないなどの状態を回避できるとして期待されている。

 一方で実現に向けては、課題も指摘されている。法律上、緊急通報に求められる緊急機関から通報者へ折り返す機能「コールバック」(呼び返し)の実装の難しさなどがそのひとつ。金子恭之総務大臣(当時)は、記者会見で事業者間ローミングを「重要な課題のひとつ」としつつも「呼び返し機能を有しない事業者間ローミングが導入された場合、災害時における救急活動などに支障が生じる可能性がある。そうした課題を踏まえつつ、さまざまな選択肢を視野に入れながら、具体的な実現方法を検討したい」と言及している。

 IIJが公開した動画では、そもそも一般的なローミングとはなにか、技術的または法的にどのようなことがハードルになっているのかが語られている。

 政府では、各社で相次ぐ通信障害を受けて9月末にも事業者間ローミングの実現に向けた検討会を実施する。その方向性などについては年内にも示される予定となっている。