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「MNP転出手数料、オンラインなら無料に」、総務省有識者会合で

 総務省は27日、競争ルールの検証に関するワーキンググループ(WG)を開催。MNP制度に関し、「過度な引き止め行為を禁止するルール化」や「転出手数料の低廉化」などを進める必要があると報告した。

MNP手続きのフロー

 MNPを申し込むユーザーは、「電話番号を維持したまま他事業者に移りたい」という意志を持って転出元の事業者に手続きを申し込んでくるのに対し、その機会を利用して「引き止め」を行うことは、広く行われている勧誘と比較して、「公正な競争環境に支障を及ぼす程度がより高い」と言わざるを得ないとした。

 公正な競争環境を整備する観点から、一定の歯止めを設ける必要があるととし、共通のルールを整備することが必要ではないかとの考えを示した。

 現在、ユーザーがMNP利用の明確な意思表示をしていても、「ポイントやクーポンの配布」、「安くなるプランやサブブランドへの誘導」などを実施している。これに対し、ユーザーの意思に反してまで引き止めを行うことは、過度な引き止め行為として禁止するべきとした。

 具体的には、利用者からMNP利用の明確な意思表示があったあとの一切の引き止め行為の禁止や、MNP利用の意思表示前であってもユーザーの同意なき引き止め行為を禁止にする。また、MNPを検討するユーザーのみを対象としたポイントなどの利益を提供することも合わせて禁止にするべきとしている。

過度な引き止め

 また、オンラインによるMNP手続きについても、「引き止めが行われない手続き画面の解説」、「受付時間を24時間に拡大」、「煩瑣な手続について事業者の自主的な取組を促すこと」、「MNP予約番号取得までの所要時間が不必要に長期間と認識されないよう表示方法等を工夫すること」が適当であるとしている。これにより、オンライン以外の利用からオンライン利用への移行を促していくことが重要であるとした。

オンライン関係

 また、MNP転出手数料については、MNP実現のためのシステム開発費用や設備費用の回収する観点から、利用者に手数料を徴収する考えに一定の理解を示した。しかし、MNP開始後15年が経過しており、MNP導入時の費用はすでに回収済みと思われることをふまえ、コストに関して精査する必要があるとする。

 また、転出手数料は顧客獲得時ではなく流出時に請求するものであるため、競争原理が働きにくく、市場に任せても効率化を図ることは期待しにくいため、低廉化や効率化を求めていくための措置を講じることが必要だとしている。

 これらを鑑み、MNP転出手数料についてはオンライン手続きの場合は無料化、窓口での手続きは1000円以下とするのが適当とした。またこの手数料を実現するための環境を構築するべきだとした。