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クアルコムのイベントでVerizonとAT&Tが5Gのライブデモ

サムスンとモトローラが5Gスマホを展示、モバイルルーターも

 クアルコムが12月4日~6日(現地時間)にかけてハワイ州マウイ島で開催している「Snapdragon Technology Summit 2018」の初日、基調講演会場の左右の別室に分かれたデモゾーンでは、片方でVerizonが28GHz帯、もう一方でAT&Tが39GHz帯の基地局を設置し、それぞれライブデモを実施していた。

Verizonのアンテナ。大きな長方形が5G用、小さな正方形がLTE用
AT&Tのアンテナ。左右の長方形が5G用、下部の小さいものがLTE用

 Verizonの部屋では、サムスンが5G対応のスマートフォンを用いて4Kのビデオストリーミングのデモを行っていたほか、モトローラが5G対応のmoto modsを使用したデモを行っていた。それぞれアンテナピクトの横には「5GUWB」と表示され、5Gで通信している様子がうかがえる。

サムスンが展示した5Gスマートフォン
モトローラは5G対応のmoto modsでデモ
1GBのデータを16~17秒でダウンロード
よく見ると、4カ所にアンテナを配置していることが分かる

 このほか、Inseegoのブースでは、5Gの低遅延という特徴を生かしたデモが披露されていた。二手に分かれ、板の片方を2本の紐で持ち、上に乗せたボールが落ちないように、双方で2本の紐を上げ下げするという、VRゴーグルとコントローラーを使用したゲーム感覚の体験型デモだが、5G経由でもほぼリアルタイムに双方のアクションが反映される。こうした技術は、工場内でのロボット制御や医療現場などで活用される見込みだ。

5Gの低遅延を生かしたInseegoのデモ

 AT&Tの部屋では、NETGEAR製の5G対応モバイルルーターのデモ機が展示されていた。これまで固定系の5G製品は商用化されていたが、モバイルでの利用をターゲットにしたものについては、同製品が世界初になるという。

NETGEAR製の5Gモバイルルーター

 両方の部屋共通で、クアルコムの5Gモジュールの小型化の歴史を紹介する展示もあり、当初はラックマウントサーバーだった大きさが、スマートフォンに実装可能なサイズになるまで、急速に進化を遂げた様子が見て取れた。

5Gモジュールの小型化の歴史
ここ数年で急速に小さくなっている
スマートフォンをミリ波に対応させるために重要な役割を果たすアンテナ。リファレンスモデルではこれを4辺に配置し、電波を手で遮らないように工夫しているという