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クアルコム、「Snapdragon 855」を発表
2018年12月5日 06:26
クアルコムは12月4日(現地時間)、ハワイ州マウイ島で開催している「Snapdragon Technology Summit 2018」で、次世代のチップセット「Snapdragon 855」を発表した。詳細は5日に明らかにされる予定。
同社では、AT&T、EE、Telstra、Verizon、Ericsson、Samsung、Motorola、NETGEAR、Inseegoとともに5Gのネットワークや対応機器が商用化の段階に入ったことを宣言。同イベント内でも実際に5Gネットワークを稼働させ、5G対応のモバイルデバイスが披露された。
クアルコムのCristiano Amon社長は4日の基調講演において、2019年早々に5Gの商用化が始まるとした上で、最新のチップセットとなる「Snapdragon 855」や5Gモデムの「X50」、スマートフォンへの実装の鍵となるミリ波アンテナモジュール「QTM052」の組み合わせにより、5G対応のデバイスの開発をサポートすると説明した。
同氏は、5G対応のスマートフォンのリファレンスモデルを手にしながら、2019年~2020年にかけて世界各地で5Gの商用化が始まるというスケジュールを説明。さらに、かつてCDMAの実用化は難しいと数々の批判を受けながら、それらを跳ね返して普及させるに至った実績を示し、現在のミリ波をスマートフォンで使用することの不安についても同様に解消できると強調した。
こうした環境が整うことで、さまざまな産業や個人の生活に大きな変化がもたらされるとする同氏。これまでは通信事業者が主体的にサービスを提供してきたが、5Gではさまざまなサービスを提供するパートナーが中心になる時代がやってくるとする。同氏は、現時点で見えているものは氷山の一角に過ぎないと述べ、5Gのさらなる可能性を示唆した。
Senior Vice President and General Manager, MobileのAlex Katouzian氏は、Snapdragon 855の概要を説明。同氏によれば、4世代目となるAIエンジンが前世代比で最大3倍に性能が向上したという。あわせて、ディスプレイ内蔵の指紋認証を超音波で行うソリューション「3D Sonic Sensor」も発表された。
Snapdragon 855搭載製品については、Samsung Electronics Americaが、X50と組み合わせたフラッグシップ5Gスマートフォンを2019年前半に米国で発売することを明らかにしている。
この日の基調講演には、さまざまなスペシャルゲストが登場。最初のゲストとして登場したのは、ハワイ州知事のDavid Ige氏。過去にハワイアン・テレコムでの勤務経験もあるという同氏は、クアルコムがマウイ島でイベントを開催することを歓迎しながら、農業や教育など、さまざまな分野で5Gが活用されていくことへの期待感を語った。
このほか、Verizon(米国)でChief Network Engineering OfficerおよびHead of Wireless Networksを務めるNicki Palmer氏や、AT&T(米国)でSVP, Wireless Product Marketingを務めるKevin Petersen氏、BT/EE Group(英国)でExecutive Advisor for 5Gを務めるFotis Karonis氏が登壇し、各社が進めている5G関連の取り組みを紹介。また、Samsung Electronics AmericaでSVP of Mobile Product Strategy and Marketingを務めるJustin Denison氏も登壇し、2019年前半に5Gスマートフォンを米国内で発売すると述べた。