三井公一の「スマホカメラでブラブラ」
1型センサースマホの「シャープ AQUOS R9 pro」と「Xiaomi 14 Ultra」でブラブラ撮ってみたら
2025年1月28日 00:00
「AQUOS R9 pro」と「Xiaomi 14 Ultra」は以前この連載で取り上げたように、大きな1型センサーを搭載し、写真の仕上がりについてライカが監修している端末だ。高級コンパクトデジタルカメラ並みのリッチな描写がウリだが、スマートフォンフォトグラフィーに関心のある読者なら、どちらがいいか気になるところだろう。そこで今回はこの2台を持ってブラブラと撮影を楽しんでみた。各端末の特徴や詳しいスペックなどは、本誌別記事を参照いただけると幸いだ。
搭載カメラ比較
まずは両機ともに搭載されているカメラを比べてみよう。
「AQUOS R9 pro」はトリプルカメラだ。前モデルは1カメラでクロップ処理する形だったが、今モデルで改められた。
- 標準カメラ:約5030万画素 大型1/0.98インチセンサー F値1.8、23mm相当、OIS
- 広角カメラ:約5030万画素 1/2.5インチセンサー F値2.2、13mm相当
- 望遠カメラ:約5030万画素 1/1.56インチセンサー F値2.6、65mm相当、OIS
一方、「Xiaomi 14 Ultra」は2つの望遠カメラを装備し、合計4カメとなっている。
- メインカメラ:35mm判換算約23mm F1.63 ソニー製1型「LYT-900」センサー 「LEICA VARIO-SUMMILUX光学レンズ」採用 無段階可変絞りシステム(F値1.63~4.0)
- 望遠カメラ:35mm判換算約75mm F1.8 フローティング望遠レンズ
- 望遠カメラ:35mm判換算約120mm F2.5 ペリスコープレンズ
- 超広角カメラ:35mm判換算約12mm F1.8
1型センサー搭載のメインカメラ比較
一番注目するべきなのはやはり1型という大きなセンサーをおごった標準カメラ(メインカメラ)だろう。極小サイズのセンサーと違い、画素ピッチが広く、光を存分に取り入れられるため描写が一般的にいい。低ノイズ、ボケ味など、写真表現的にアドバンテージが生まれる。しかしただそのサイズのため、端末にいかに配置するかが問題になる。また消費電力量も課題だ。これらは画質とのトレードオフの関係となる。
それぞれの端末の撮影画面と各画角による写りはこのような感じだ。
「Xiaomi 14 Ultra」は可変式の絞り搭載を搭載しているところが特徴だ。メインカメラにおいて無段階に絞りを変えることが可能(F値1.63~4.0)。
さらにデジタルズームも驚異的で、120倍までのズーミングができる。
操作系の特徴は?
「AQUOS R9 pro」は物理的シャッターキーを搭載している。その操作感はコンパクトデジタルカメラのようである。長押しによるカメラ起動機能もいい。そのほかにもオプション品としてアクセサリー「AQUOS R9 proハイブリッドケース」も用意。アタッチメントを用いて62mm径の円形フィルターを装着可能である。
「Xiaomi 14 Ultra」は撮影体験を向上させてくれる「Photography Kit」を用意している。ケース、シャッターボタン搭載バッテリー内蔵グリップ、フィルターリングの構成で、グリップから本体充電、ダイヤルでの露出補正、レバーで焦点距離変更が可能と、使っている気分はコンパクトデジタルカメラに近い。
「AQUOS R9 pro」と「Xiaomi 14 Ultra」でブラブラ実写スナップ
この2台の端末をポケットに突っ込み、いろいろなところを撮り歩いてみた。やはり多用したのは大型1インチセンサー搭載のメインカメラだ。リッチかつ表現力が高い写りは魅力的である。もちろん他のカメラも優れた描写で、特に望遠カメラの良さには驚いたほど。
「AQUOS R9 pro」と「Xiaomi 14 Ultra」まとめ
両機とも1型という大きなセンサーと、ライカ監修の描写がウリだが、どちらもいい端末、という感想だ。
「AQUOS R9 pro」は物理的なシャッターキー、握りやすいシボ加工の外装がいい感じだ。一方、「Xiaomi 14 Ultra」はメインカメラ以外に望遠カメラがとても優秀だし、「まるでデジカメ?」と思わせる「Photography Kit」が用意されているのが魅力である。
どちらをチョイスしても、1型センサー搭載カメラの高い画質を堪能できるのは間違いない。絵の好み、デザイン、ブランド、価格でどちらかを買うか、決めたほうがよいだろう。