MWC Barcelona 2023

これは問題“Nothing”? 中国Unihertzが新モデル「Luna」を発表

 中国新興メーカーのUnihertzは、MWC Barcelonaに合わせ、“デザインが特徴”という「Luna」を発表した。同社は、スタートアップながら、日本市場にも積極的に製品を展開。超小型スマートフォンの「Jelly」やキーボード搭載の「Titan Pocket」、さらにはおサイフケータイ対応の「Jelly 2」など、数々の製品をオープンマーケットで発売している。流通では、スマートフォンアクセサリーやTCLのスマートフォンを手掛けるFOXと提携している。

UnihertzがMWCで発表した最新モデルの「Luna」

 そんなUnihertzが発表したLunaだが、売りにしているこのデザイン、なにやら既視感がある。同社のブースでLunaを見た瞬間、ついつい笑ってしまったほどだ。意匠権侵害で裁判沙汰になるようなことが“Nothing”ならいいが……。背面は中が透けて見えるスケルトン仕様。ガラスへの着色もNothingだ。その内側にはLEDが仕込まれている。

既視感が強い背面
やっぱり光ってしまった

 オリジナリティがあるとすれば、その光り方だろう。とにかくビカビカと派手に光る。オリジナル(?)は、もっと点滅時のキレがよく、サイバーパンク感があったような気がするが、こちらはどちらかと言えば、上海の夜に輝くネオンを彷彿とさせる。上海ベースの中国メーカーなだけに。光量の多さや光の色を次々と変えることができる仕様も、そのイメージを強調してしまっている印象だ。

光量が多く、色を変えることも可能だ

 着信音に応じて光らせたり、光り方のパターンを変えられたりする機能も、どこかで見たことがある。まぁ、この辺はLEDを仕込んだらマストと言ってもいいだろう。ただし、MWCに展示されていたモデルは試作機だったためか、色を変えられる端末が限定されていた。設定を変更しても色が変わらないなど、まだまだ粗削りな様子もうかがえた。

光のパターンや光量は、設定で変更できる

 もう1つ、五感に訴えかけているのが、ズッシリとした重さだ。正直なところ、筆者が常に持ち歩いている「Galaxy Z Fold4」より重いような印象を受けた。フォルダブルではない、一般的な板状のスマートフォンとしては、ちょっと重すぎる。ここまでだと、持っているだけで疲れてしまいそうだ。重量バランスの関係でそう感じるだけかもしれないが、仕様は未定。細かな数字は公開されていない。

重量もそうだが、厚みも結構ある。この数値もまだ非公開

 チップセットはメディアテックの「Helio G99」だが、カメラはメインセンサーが1億800万画素で、意外とハイスペック。ディスプレイも6.8インチと大型で、5000mAhのバッテリーを搭載する。会場の説明員によると、価格は300ドル以下を目指しているという。この点は、本家(?)に対する優位点かもしれない。ただし、日本での発売は現在予定していないといい、仮に投入することになっても時間がかかるという。

 なお、MWC会期中には、Nothing TechnologyのCEO、カール・ペイ氏が同社のブースを訪れ、記念撮影した様子をTwitterに投稿していた。その表情からは余裕もうかがえるが、世界各国からモバイル業界関係者が集うMWCらしい一幕だったと言えるだろう。