MWC Barcelona 2023

OPPO初の“縦折り”フォルダブルスマホ「Find N2 Flip」、MWCで実機をチェック

 OPPOは、MWC Barcelonaの会期2日にあたる2月28日に、欧州市場で「OPPO Find N2 Flip」を発売した。Find Nシリーズは、OPPOのフォルダブルスマートフォンという位置づけだが、これまでは横折り型で開くと横長の大画面になるモデルのみだった。製品名に“2”とついてはいるが、フィーチャーフォン時代の折りたたみ式に近い縦折りのフリップ型を投入するのは、同社として初となる。

OPPO初の縦折り型フォルダブル端末「OPPO Find N2 Flip」。大型のサブディスプレイが特徴だ

 同モデルは、22年12月に開催されたOPPOの新技術お披露目イベント「OPPO INNO DAY」で発表されたスマートフォン。中国市場では昨年末に発売済みで、現在、グローバル展開を進めている。欧州市場は、その1つだ。最大の特徴は、本体上半分に配置された大型のサブディスプレイ。閉じたままでも各種情報が見やすく、届いたメッセージへの返信やボイスレコーダーの録音などといった操作を直接行える。

クイック設定パネルやカメラの起動、天気予報やさらにはレコーダーまで、さまざまな機能をサブディスプレイから呼び出せる
セルフィー撮影時に、高画質なメインカメラを利用できるのもこのスタイルのメリットだ
サブディスプレイの壁紙やアプリは、設定で変更できる

 背面に搭載されているため、サブディスプレイを使ってセルフィーを撮る際には、画質の高いメインカメラを利用できるのもメリットだ。ディスプレイは、折り目が非常に見えにくく、角度によってはフラットにも見える。折りたたんだときのすき間がほとんどないのも、同モデルが売りにしているところ。カメラは、ハッセルブラッドとの協業で、OPPOが独自で開発した画像処理チップの「MariSilicon X」も内蔵し、画質を高めている。

本体を閉じた際のすき間も非常に少ない

 ただし、サブディスプレイから呼び出せる機能は、今のところ、上記のものに限定されている。現状では、ユーザー自身がアプリをインストールしてカスタマイズするといったことはできない。OPPOによると、この部分はユーザーの要望に基づき、今後のアップデートで徐々に機能を増やしていくという。

 縦折りのフォルダブルスマートフォンは、サムスン電子の「Galaxy Z Flip」シリーズが有名でシェアも高いが、日本ではモトローラも「razr 5G」を過去に販売していえる。海外では、ファーウェイもこの分野に参入しており、OPPOがトップバッターというわけではない。これは、OPPOが「一番早いことより、ベストを目指すこと」を方針としているからだという。MWCに合わせて開催された同社の説明会では、ユーザーが求めている最高のものを提供するという、同社の哲学が語られた。

一番乗りではなく、ベストを目指す方針だというOPPO

 過去に開催されたMWCでは、カメラのズーム機能や急速充電など、研究開発の技術発表をすることが多かったOPPOだが、今年は一転して、新製品やプロトタイプなど、製品としてまとめられたものの発表に重きが置かれていた印象だ。今年のMWCは、欧州市場で発売したFind N2 Flipを中心に据えたブースの構成だったが、プロトタイプの製品も複数発表している。

 その1つが、紛失防止タグの「OPPO Zero-Power Tag」だ。その名のとおり、同タグはバッテリー交換や充電が不要な薄型のタグで、無線を電力に変換して動作するという。展示されていた製品はモックアップだったが、発表会では、アップルのAirTagのようにタグをつけたものを探すシーンが紹介されていた。AirTagと比べるとサイズは大きいが、薄くフラットな形状のため、財布やパスポートケースには入れやすそうだ。

紛失防止タグ。バッテリー交換や充電が不要で、無線での自動給電を行うという

 また、スマートフォンの背面に取り付け、本体を冷却する「OPPO 45W Liquid Cooler」も発表した。ゲームなどをプレイした際に加熱した本体を冷やし、パフォーマンスを維持するのがこの製品の目的。ほかにも、デザインにこだわった透明のWi-Fi 6対応ルーターなどを発表している。

スマートフォンの冷却を行うための外付けアクセサリー
インテリアに調和することをうたった透明のWi-Fiルーター

 OPPOは、22年に世界シェア4位を獲得。サムスン、アップル、シャオミに次ぐポジションについている。他の中国メーカーと同様、中国国内での販売量が多い一方で、海外比率が徐々に高まっており、22年には55%まで向上したという。日本でも、Renoシリーズが好調で存在感を示しているが、ハイエンドモデルの投入は見送られている。今後の展開に期待したい。