石野純也の「スマホとお金」
使い方次第ではちょっとした小遣い稼ぎも? オトクな「Pontaパス」利用術
2025年6月19日 00:00
KDDIは、Pontaパスの店頭受付を傘下のコンビニエンスストア・ローソンで開始しました。メールアドレスとパスワードの登録をスマホですればよく、月額料金を支払うためのクレジットカードを店頭のレジで登録できることが特徴。非常に簡易的なフローが構築されており、au、UQ mobile以外のユーザーにもPontaパスを訴求できそうです。
「auスマートパスプレミアム」からリニューアルされたPontaパスですが、その名のとおり、ローソンとの連携が大きく強化されています。店頭販売に近いタイミングの6月には、au、UQ mobileに新料金プランが導入され、「auバリューリンクプラン」と「コミコミプランバリュー」には、Pontaパスが組み込まれました。
また、6月1日からは、ポイント還元も強化しており、ローソンや加盟店でのポイントがより貯まりやすくなります。すでにauやUQ mobileのユーザーには知名度が高いと思われるPontaパスですが、ドコモやソフトバンク、楽天モバイル、MVNOのユーザーは加入する価値があるのでしょうか。6月のサービス改定を踏まえつつ、そのお得度を検証していきます。
Pontaパスブーストが6月にリニューアル、還元上限もアップに
Pontaパスは、月額548円の有料サービス。auのauバリューリンクプランやUQ mobileのコミコミプランバリューには、料金の中のサービスとして組み込まれていますが、それ以外のプランを契約するユーザーやKDDI以外の回線を使うユーザーには、この料金がかかります。
548円かかるとは言え、 ポイント還元率のアップだけで、この元を取ることが可能 。特にローソンを使うユーザーであれば、その価値が高いと言えるでしょう。
それが「Pontaパスブースト」です。5月31日までは、上限額が500円。ローソンでau PAYを使って決済した際に、通常の4倍にあたる2%のポイントが還元されていました。ローソン以外の加盟店では、倍率が2倍に下がり、1%還元になります。還元額の上限はローソンとそれ以外の加盟店で共有でした。
この500ポイントは、ローソンの場合、1.5%の還元に対しての上限になります。そのため、ローソンだけで上限までポイントを稼ごうと思うと、約3万3334円の買い物が必要になります。1日あたり、約1100円。無理とまでは言えない金額ですが、毎日ローソンに通ってランチなり、晩御飯なりを買わなければ到達が難しい額と言えるかもしれません。
また、上限が500ポイントだったため、どうがんばってもPontaパスの月額料金を上回ることはできませんでした。PontaパスにはPontaパスブースト以外にも、ローソンで使えるクーポンや映画館での割引など、さまざまな特典がついているため、それらを使えば十分548円の価値はある一方で、ポイント目当てにはしづらい部分があったのも事実です。
6月1日にリニューアルされたのは、このPontaパスブースト。これまでの還元に加えて、新たに「ステップアップ特典」が加わり、ポイントが貯まりやすくなりました。しかも、還元の上限が500ポイントから1500ポイントへと大きく上がっています。
ローソンだけでも1000ポイントの獲得が可能になったほか、回数に応じて還元率が上がるなど、お得さが増した格好です。一方で、少々複雑になってしまったきらいはあるので、以下でそのポイントを解説していきます。
回数に応じて還元率が上がるステップアップ特典、回線の有無も影響
新たに導入されたステップアップ特典とは、au PAYで決済した回数に基づいて還元率が上がっていく仕組みを指します。まず、ローソンの場合の還元率を見ていきましょう。au PAYを使うと受けられる還元の0.5%に加え、Pontaパスに加入すると1.5%のベース特典という還元を受けられます。このベース特典を加えた還元率は2%。これまでのPontaパスと同じです。
一方で、支払いの回数が5回になると、ステップアップ特典として1%の還元が追加されます。au PAYの還元、ベース特典の2%とこの1%を合わせると、トータルの還元率は3%になります。この回数が10回に増えるとステップアップ特典がさらに1%上乗せされ、還元率は4%に。15回を超えると一気に3%も還元率が跳ね上がり、合計7%還元を受けられる形になります。
なお、これはauもしくはUQ mobile回線を利用していた場合。その他のユーザーは、ベース特典こそ2%と同じですが、ベースアップ特典が下がり、5回で0.5%、10回で1%、15回で3%が加わる形になっています。
合計で表すと、2%、2.5%、3%、5%と段階的に還元率が上がっていく格好。これに加えて、ローソン以外の加盟店における還元率も別途定められています。
こちらのベース特典は1%で、5月31日までと同じ。5回で0.5%、10回で1%、15回で2%の還元率が追加され、合計すると1%、1.5%、2%、3%で変動します。au、UQ mobileのユーザーは、ステップアップ特典分がそれぞれ0.5%上がり、1%、2%、2.5%、3.5%の4段階に還元率が追加されていきます。
変数として回数があるほか、ローソンと非ローソン、さらに回線契約の有無があるため、全貌が分かりにくくなっている側面があることは否めません。
ちなみに、この決済回数はローソンと対象加盟店の合算。ステップアップ特典は、月末までの回数を計算して、あとから適用される還元率が確定します。
金額などで還元率が変動する他社の場合、前月の実績に基づくことが多いような印象ですが、当月ぶんが後から確定するため、決済時点では何%が還元されるかが分かりません。この辺も、分かりづらさにつながっているような印象です。現在の還元率は表示されるため、小まめに確認しておくようにしましょう。
なお、上限の1500ポイントも、ベース特典とローソンのステップアップ特典、ローソン以外の加盟店のステップアップ特典に分かれており、それぞれ500ポイントずつになります。それぞれ500ポイントを得るための還元率が異なるため、上限達成にいくら使えばいいのかも特典ごとに変わってくるというわけです。
上限達成にはどの程度の決済が必要? ケースごとに計算した
まずは、au、UQ mobileユーザーのケースを見ていきましょう。ローソンでのベース特典は1.5%で変動しないため、500ポイントを得るには約3万3334円の決済が必要になります。
その他の加盟店で達成しようとすると、ベース特典は0.5%まで下がるので、10万円の決済が必要。この点は、5月31日までのPontaパスと同じ、手っ取り早く上限に到達したいなら、ローソン一択です。
3万3334円も決済すれば、回数は15回を超えていることが多いでしょう。1回当たり1000円だとすれば、33回以上になっているからです。15回を超えていると、ローソンは5%、その他加盟店は2.5%が上乗せになります。
この場合、ステップアップ特典の上限達成に必要な決済額は、ローソンが1万円、その他加盟店が2万円。一方で、これだと合算しても3万円にしかならないため、ベース特典が上限に届きません。
この場合のベース特典は、ローソンぶんが150ポイント、その他加盟店が100ポイントで、計250ポイント。残り250ポイントを得るには、ローソンで約1万6667円の買い物が必要になってきます。
つまり、ローソンで2万6667円、その他加盟店で2万円以上の決済をすれば、500ポイントずつ、計1500ポイントがつく形になるということ。これが、上限達成に必要な最低金額です。
一方で、他キャリアユーザーの場合には、還元率が下がるため、上限達成に必要な金額も上がります。ベース特典は同じですが、ローソンのステップアップ特典は3%になるため、上限到達には1万6667円の決済、その他加盟店は2%で2万5000円の支払いが必要。合計すると4万1667円になります。
この状態だと、ベース特典はローソンが250ポイント、その他加盟店が125ポイントで計375ポイント。残りの125ポイントを得るには、ローソンでさらに8334円の買い物が必要になり、上限達成に必要な金額は計5万円に上がります。
還元の条件が複数パターンに分岐しており、かつベース特典はローソンとそれ以外で上限が共有されているため、いくらおトクになるかが分かりづらいのは難点ですが、5万円を下回る決済で1500ポイント還元されるのは、そこそこ“おいしい特典”と言えるでしょう。 548円の元が簡単に取れるだけでなく、利益 すら出てしまいます(笑)。
au、UQ mobileの回線がなくても、必要になる金額は数千円程度上がるだけなので、そこまで無理をしなくても上限達成は狙えます。特にローソンを定期的に利用する人であれば、加入しておいて損はありません。その意味では、店頭での加入を開始したのも納得と言えるでしょう。












