本日の一品

3万円台で上質なディスプレイが楽しめる「TCL NXTPAPER 11 Plus」

 ファーウェイやシャオミ、オッポといったメーカーがこぞって採用しているように、昨今のタブレットでは、紙のようなさらさらとした質感と、光の反射の少なさが特徴の、マットディスプレイが流行しつつあります。屋内、屋外問わず、蛍光灯や太陽光の影響を受けにくいため、扱いやすさが魅力です。

 マットディスプレイは、Androidタブレットの中でも、やや高価な部類に位置するモデルに搭載されることが多く、日本で発売されているモデルで見ても、Xiaomi Pad 7 Pro Matte Glass Versionが8万4980円、OPPO Pad 3 Matte Display Editionが7万9800円と、気軽に購入しにくいのも事実でしょう。

 ということで今回試したのが、TCLの「TCL NXTPAPER 11 Plus」。処理性能などは控えめですが、マットディスプレイを搭載しながら、3万9800円(Amazonでの執筆時点での販売価格)と、比較的安価に購入できます。今回は別売のタッチペンも試せたので、こちらもあわせて使い勝手を紹介していきます。

 TCL NXTPAPER 11 Plusの最も特徴的なポイントは、ディスプレイ性能でしょう。サイズは11.5インチで、2.2K解像度、120Hzリフレッシュレートに対応しており、動画コンテンツなどを楽しむのに適しています。

 マットディスプレイのおかげで、光の反射も気にならず、環境に左右されない使用感が魅力。低反射の副産物として、手触りも非常にサラサラとしており、スワイプ操作がスムーズなのも、個人的にはお気に入りポイントです。

 画面表示は、通常モードに加え、インクペーパーモード、カラーペーパーモードに設定できるため、電子書籍、カラー漫画などの閲覧にも使いやすくなっています。

 大きさは260.48×176.82×6.5mm、重さは490g。持ってみると、若干重い印象もあるが、カバンに入れて持ち運ぶ程度であれば、十分許容範囲内です。段階的に角度調節ができる専用カバーが同梱されるのもありがたいところでしょう。

 別売の専用タッチペンは、マットディスプレイの恩恵や、紙質フィードバック技術により、描きごたえのある質感になります。遅延もほとんど感じられず、文字入力や絵を描くのにも便利。ペンで書いた文字をテキスト化する機能は、全アプリに対応しているので、ペン入力が非常に捗ります。

 搭載SoCはMediaTek Helio G100。メモリは8GB、ストレージは256GBとなります。使用感としては、エントリークラスからミッドレンジクラスのイメージで、アプリの起動などにもややもたつくシーンも見られます。ゲーム用タブレットとしては、基本的に不向きですが、コンテンツビュアーとしての運用であれば、十分活躍します。

 バッテリーは8000mAhで、33Wの急速充電に対応しています。使い方にもよりますが、動画再生、資料や電子書籍の閲覧程度の運用であれば、2、3日は充電がいらない印象です。

 AI機能としては、録音データの文字起こしが行えるスマートボイスメモ、文書作成の補助を行うライティングアシスト、翻訳や要約を行うテキストアシストなどが利用できます。

 日本語の文字変換も比較的よくできている印象で、議事録作成のサポートなどにも、十分使えます。ただし、処理性能はそこまで高くないため、文字起こしなどのAI機能の利用には、少々時間がかかります。

 総じて、4万円未満のタブレットとしては非常に優秀なTCL NXTPAPER 11 Plusですが、特にディスプレイ性能の高さが魅力です。価格設定が安価なだけに、別売のタッチペンにも手を出しやすくなっており、コンテンツビューアーや、文字入力や絵を描く作業をタブレットで行うといった運用であれば、十分活躍するでしょう。

商品名発売元実売価格
TCL NXTPAPER 11 PlusTCL3万9800円
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