本日の一品

ドーナツに続け! コンビニサンドイッチを守る「クリア装甲」で運搬革命

 先日、アメ横の吉池地下のディスカウントストアで懐かしの「バナナケース」を見つけ、思わず手が伸びた。

 思い返せば19年前、筆者はまだ珍しかった「バナナガード」を紹介している。当時は銀座の博品館で950円という強気の価格で、しかし“形を護って運ぶ”という発想は妙に心を捉えた。

 その余韻から、のちに仲間と運営していた放課後倶楽部「Thinking Power Project」で、崩れやすいドーナツ専用ケース「Doughnut-To-Go」を企画・デザイン・製造し、OEM供給までしている。

 食べ物を“携帯ガジェット”として扱う文脈は、遊び心と実用性の両立という点で今も鮮烈だ。今回はその系譜に、コンビニの三角サンドを守る新顔が加わった。

三角サンドを護る「クリア装甲」

 temuで見かけた価格501円の「サンドイッチケース」に、筆者は反射的に飛びついた。届いた現物は透明のハード素材(アクリル系)で、コンビニの三角サンドに合わせた三角柱形状。

 大きさは商品情報を掲載したので詳細寸法はそちらを確認されたい。記述はあくまで外形サイズだ。またそこそこ厚みのある素材を使っているので、内容積サイズは少し小さくなるだろう。

 複数のコンビニで売られている代表的な三角サンドを入れてみたが、どれも収まりは良好で、フタの開閉も軽快である。収納できるサンドイッチの最大厚さは実測で約73mmだった(個体差・内容物差はあるだろうが、目安としては十分だ)。

なぜサンドだけ潰れやすいのか

 おにぎりやシュークリームは、包装内に空気を多めに入れて外圧に耐える“反発構造”を採用する製品が多い。

 一方で、サンドイッチは袋内の空気が最小限で、バッグ内で受ける力が直に中身へ伝わりやすい。パンの繊維と水分を含んだ具材は横圧に弱く、角が潰れると見た目も食感も損なわれる。

 そこで三角形のハードケースで外圧を受け止め、中身の形状を維持するというロジックが活きる。

 応用範囲を探るべく、コンビニおにぎりでも試した。セブンイレブンで買った「たまご醤油仕立ておにぎり」と同サイズの「おかか」2個を入れてみたところ、内部の空気が邪魔して収まりはギリギリだったが、フタを閉めることはできた。持ち運び用途としてはなんとか実用に耐えそうである。

 対してシュークリームは不適合だった。袋内の大量の空気が強く反発し、押し戻しでフタが浮いてしまう。やはり本命は三角サンドであり、それ以外は“入ればラッキー”程度の拡張と捉えるのが妥当だ。

実験:おにぎり2個は“ギリ成立”
実験:シュークリームは敗北

使い勝手のコツ

 運用上の小技をいくつか。まず、パンの乾燥・移り香対策として薄い食品用袋にサンドを入れてからケースインすると衛生的である。

 ソースが多い種類は、薄いベーキングシートを一枚噛ませると後掃除が容易になる。バッグの中では長辺側を底にして立てると、ケース全体で圧を受け止めやすい。食べる直前はケースを簡易トレイとして使えるため、屋外や車内でも手元が安定する。

 透明で中身が見えるのも実用的だ。取り違えや“どれが誰のサンドか”という小さな混乱を避けられる。なお密閉容器ではないため、汁気の多い具材や長時間の保冷には向かない。必要に応じて保冷バッグや保冷剤を併用したい。

並べたときの愉快さ

 手もとのバナナケース、ドーナツケースと並べてみると、本機は“携帯フード保護の三種の神器”の三角担当という位置付けがしっくりくる。

 価格は501円と気軽で、バッグ内でガジェット(パソコン、カメラ、バッテリー)と同居させても、サンドの“圧死”を防ぐ安心感がある。強度と軽さのバランスは良好で、日常使いの「クリア装甲」として十分に戦力になるだろう。

 三角サンドは、忙しい日の小さなご褒美であり、移動の合間を埋める頼れる燃料でもある。本ケースは、その価値を最後まで毀損させないためのシンプルで力強い解決策だ。大きめのトートに“ガジェット一式+昼メシ”を放り込む生活様式において、外圧から形を守ることの意味は意外に大きい。

 バナナ→ドーナツ→サンドと来れば、次は何を護るべきか。シュークリーム、ハンバーガー、太巻き……候補はいくらでもある。

 携帯フードを“保護ガジェット”の設計対象として捉える視点は、日常を少しだけ楽しく、確実に便利にする。久しぶりに、Doughnut-To-Goに続く“次の一手”を考えたくなってきた。

商品名発売元実売価格
サンドイッチケースtemu501円