本日の一品

椅子のガスシリンダーを交換せよ! ギスケ パイプレンチJIS450ミリ

 ここのところいやに肩が凝ると思っていた。椅子のフィッティングを受けた時と自分の姿勢を比較してみると、だいぶ椅子が低いことがわかった。以前はそんなに低くしていた記憶はないのだが、コロナ禍に関係なく買ったゲーミングチェアももう5年目、調べてみるとクッションとなるガスシリンダーがだんだん劣化して椅子が低くなることがあるらしい。

 座っていてだんだん縮むのではなく一番高い状態が低くなっていて、そこからずるずる下がることはない。しかしそういう方向の劣化もあるらしい。

 椅子自体をもっと姿勢を考えた椅子に買い替えるか……とも思ったのだが、なかなか高価になってしまうし、今の椅子も縫製がほつれているところはなく、ガスシリンダー以外は問題なく使えている。

 ならばガスシリンダーを交換してしまおうと考えた。ゲーミングチェアは規格品のガスシリンダーを採用しているものが多いそうで、筆者の椅子も純正の交換部品の寸法を調べたところ、Amazonで売っているものが適合しそうだった。

 問題は交換作業の方で、ガスシリンダーは椅子の脚側も着座する側も摩擦で止まっているだけだから理屈の上では引っ張れば外れる……、長年体重で押し付けられているのでそう簡単には抜けないのが普通のようだ。調べるとハンマーで叩くかパイプレンチでつかんで回すかするとよいらしい。

 今ならYouTubeで外し方の動画をたくさん見つけられるので、いろいろ見てから考えるとよいだろう。筆者は集合住宅在住で、あまり大きな音を立てるのはよくないと思ったので、今回はパイプレンチを選択した。

 購入したパイプレンチは長さ45cm(450mm)のもの。実際にものが届いてわかったのだが、450mmというのはJIS規格(JIS B 4606)で決まっている数値で、想定した最大のパイプを挟んだ状態での全長ということだ。そのため握る部分(本体)の長さは45cmより短いので注意したい。重さもかなりのもので2kg程度あった。パイプをつかむ部分の幅も25mmあって頼もしい。

写真で見るとそうでもないが実物を見るとなかなかのボリュームだ
歯の部分は交換できるようになっているようだが、少なくとも素人には無理そうだ

 これを選んだ理由はなるべく長い方が回すのが楽であろうことと、2000円程度と安かったからだ。ガスシリンダーの購入価格が2500円程度だったので、それより安いならいいなという感じだ。プロ用ホームセンターをのぞいたところ5000円を切るものはなかったので、2000円台は相当安いのだと思う。

 さて実際に使ってみた結果だが、思ったよりあっさりと外せてしまった。上下合わせて作業時間は1時間もかからなかったと思う。

 パイプをレンチでしっかりとつかんで、なるべくレンチの端をつかんで体重をかけていくとだんだん緩んでそのうちずるっと回る、という感じだった。抜けたパイプを見てみるとサビが出ていたので、それもなかなか外れなかった理由の一つだろう。

座面側の状態。黒いのはサビだ

 ネジと違ってどちらの方向に回してもよいので、力をかけられる方向を選ぶのがよいだろう。また、外すシリンダーは廃棄するのだから傷がつくのを気にせずレンチを極力しっかりと噛ませることだろうか。傷がつかないようにと布を噛ませたりするとすべるのであきらめて直接いってほしい。

歯が切ってある所を押すと口が開いてパイプを外すことができる

 大きなパイプレンチを買ったので下側も外せた。脚の下側からはみ出た部分をつかんで回して外すことができた。

新旧ガスシリンダー。上(新品)は最短状態、下(旧品)は最長状態。旧品はサビが出ている。
交換後のガスシリンダーを脚に差し込んだところ

 なお、交換前の椅子に座って座面を一番低くしてから作業を始めるのを強く推奨しておく。ガスシリンダーは縮めた状態だと30cm未満、伸ばすと30cm以上になるものが多いのだが、自治体にもよるだろうが金属製品は30cmが粗大ごみの判断基準になっているのだ。

 粗大ごみでなくてもガスシリンダーは自治体に聞いてから廃棄すべきだが、申請の手間といくらかのお金がかかってしまうので、粗大ごみでないに越したことはないだろう。筆者の自治体では30cm未満は金属ゴミとしてそのまま出してよいとのことだったので廃棄した。

 用事が済んだ現在、このパイプレンチをどうするかという問題は残ったのだが、ゴムハンマーと当て木よりは平和に交換できたと思う。それほどお金も時間もかけずにゲーミングチェアを直すことができたのでとても満足している。

製品名発売元実売価格
パイプレンチJIS450ミリ髙儀2181円