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総務省、「電波の有効利用評価」を公表 ドコモのミリ波やソフトバンクのSub6展開に課題も

 総務省の電波監理審議会は、「令和7年度 携帯電話等に係る電波の有効利用の程度の評価結果」を公表した。NTTドコモ、KDDIと沖縄セルラー、ソフトバンク、楽天モバイルの携帯電話事業者4社について、割り当てられた周波数帯ごとの基地局数やカバー率、トラフィック処理などの観点から評価が行われた。

災害対策などでは各社一定の評価も、特定の周波数帯には課題

 定性評価におけるインフラシェアリングや災害対策などの項目では、各社とも一定の基準を満たしており、総合的に見て適切な電波利用が行われていると評価された。一方で、定量評価においては事業者ごとに強みと弱みが混在しており、それぞれ特定の周波数帯においてより一層の展開を促す「C評価」が下された。

 NTTドコモは、Sub6帯(3.7GHz/4.5GHz帯)などで高い評価を得た一方で、ミリ波(28GHz帯)の基地局数が他社に比べて大きく下回っており「C評価」となった。審議会は同社に対し、人が密集しトラフィック(通信)が集中するエリアでの積極的な基地局展開を求めている。

 また、一部周波数帯で面積カバー率が他社より低い要因について、ドコモ側が「他社の数値を含んだ平均値であり回答が難しい」と説明したことに対し、審議会は「単に回答が難しいとするのではなく、他社との比較で低位にあることを前提に自ら要因分析を行い改善を図ることが望ましい」と厳しい姿勢で苦言を呈した。

 ソフトバンクと楽天モバイルは、5Gの主力となる3.7GHz帯の基盤展開率が低く、ともに「C評価」を受けた。ソフトバンクは効率的にトラフィックを処理するために局密度を高める整備を優先していると説明しているが、審議会は需要に応じたカバー率の拡大を引き続き求めている。楽天モバイルはこれに加えて、東名阪以外における1.7GHz帯の5G展開の遅れも課題として指摘。「5G SAの導入を計画していたものの、開発ベンダーとの連携、開発の工程管理が不十分だったなどの要因でSAの開発・実装が遅れたことによるもの」という楽天側の説明も掲載されている。

 KDDIはミリ波の展開数や主要な4G帯域で高い評価を得たものの、沖縄地域において衛星地球局との共用調整に伴う基盤展開の遅れなどがあり、今後の改善に向けた努力が求められている。

 楽天モバイルのプラチナバンド(700MHz帯、3MHz幅)への評価は、Aと評価されているが、計画と比べて基地局が基地局を上回ったのは関東関東27局のみ。そのほかの地域は未開設(0局)となり評価対象外とされている。

全国での28GHz帯(ミリ波)活用での各社評価
NTTドコモC
KDDIS
ソフトバンクB
楽天S

「Sub6展開率」の考慮や新たな評価基準に慎重な検討求める声

 本評価の公表に先立って実施された意見募集(パブリックコメント)では、携帯各社からの見解も寄せられた。

 NTTドコモはSub6帯の評価について、トラフィック需要の実態を反映できる「Sub6展開率」を基準とする手法の採用や、衛星通信等との干渉による構築不可地域を考慮した評価を要望している。KDDIは、Sub6帯の評価を個別の周波数帯域ごとではなく、割り当てられたSub6帯全体を総合的に評価する枠組みとするよう求めた。

 また、次年度以降の検討課題として挙げられている「NTN(非地上系ネットワーク)」や「ミリ波帯」の新たな評価基準について、ソフトバンクは事業者のサービス設計に影響を与える可能性があるとして慎重な検討を要望した。KDDIも、中継局や高出力端末(HPUE)に限定せず、将来登場しうる様々な技術革新を評価対象とするよう意見を述べている。楽天モバイルからの意見提出はなかった。