本日の一品

BIC好きが高じて新発売のBICボールペンを買ってしまった

BICボールペン大好きで新しいCristal Re′Newを速攻で買ってしまった

 「BICオレンジ」と呼ばれるレガシーなBICボールペンの生産終了のニュースを聞いて久しい。筆者がBICボールペンを生まれて初めて体験したのは大昔に親父が使っているのを借りた幼少の頃だ。その次に出会ったのはもう何十年も昔に出張で行った米国ホテルのベッドサイドに備品として置いてあったホテルのロゴ入りの丸軸BICだった。

BIC社はホテルのボールペンからキャラクターもの、万年筆迄いろいろ作っている

 BICボールペンのうんちくはネットにも溢れるほどあると思うが、同社はホテルに備え付けのホテル名の印刷されたボールペンやキャラクターグッズ、ライフスタイル系ショップへのOEM提供などを含め、多彩で多様なモデルを持っている。ボールペンのBICだが一時期、万年筆も作っていたこともあった。

実用度は置いておいてBICの万年筆はそのユニークな構造と直ぐにBICだと分かるキャップが特徴だ

 そんなBICは、かねてよりイベント的なボールペンをときどき発売している。今回のモデルは「リフィラブル」(詰め替え可能な)をウリにした「Cristal Re′New」(クリスタル・リニュー)だ。外装は、マットな感覚のアルミニウムで実測での重さは14gだった。これは普通のBICボールペンの約2倍。しかし適度な重さで筆記感は上々だ。

Cristal Re′Newはちょっとマットな表面のアルミニウムの胴体部分が嬉しい

 文具初心者の筆者はBICボールペンの世界では“リフィラブル”という言葉を初めて聞いた。英語で言うと格好良いが従来のBICボールペンでは面倒だった“芯交換”が簡単にできるということだ。しかし、使い切りボールペンがウリだったBICにしてはかなり画期的な変化なのだろう。

 芯交換のため、本体のテールに近い部分にスライド式の黒いスイッチが仕込まれている。

 インクの出が悪くなるとユーザー
は親指の爪先でこのスライドスイッチをヘッド方向に少し押し出すことで先端から芯が少し出てくる。芯を引っこ抜いて新しいリフィルと交換するだけだ。今回の「Cristal Re′New」の販売キットには交換芯が2本付いてくる。

テールに近い部分にあるスライドスイッチを指先でヘッド側に滑らせて芯の交換を行う「リフィラブル」BICだ
Cristal Re′Newのボックスには本体ボールペンとリフィル2本が同梱されている

 アルミニウムの表面処理もカラーも適度な重量感も極めて筆者好みだが、筆記具には偏った趣味のある変態系の筆者には気に入らない点が2つある。その1番目は今回の「Cristal Re′New」に付属するキャップだ。本体のアルミニウム製の高揚感を一気に引きずりおろしてくれるチープなプラスティック製なのだ。

シルバーの本体とマッチするブラックグリルの芯だが、キャップが軽過ぎるのが悲しい

 キャップの実測重量は1g前後でリサイクルプラスティックを採用している。地球環境には優しいというSDGsな企業うんちくの具現化には役に立ちそうだが、自分勝手な筆者にはただただ残念の一語に尽きてしまう。

 実は偏執狂の筆者はかれこれ50年以上BICボールペンを使っている。多少文具オタク系の兆候もあるので他のメーカーのボールペンも持ってはいるが日常使っているのは、ほとんどBICボールペンだ。そのため、愛用のモデルは箱買いだ。日本に見当たらなければ海外からも頻繁に買っている。

スタンダード品はほとんど箱買いしてるBICのボールペン

 BICのボールペンは大昔に到達した普遍的デザインが特徴だ。変わらないデザインは強いブランドの一つの証だが正直いつもいつも同じデザインのモノを使っていると筆者を含め飽きが来る人も多いだろう。

 そんなタイミングでBICは常にカンフル剤の如く外観カラーや素材の異なるスペシャルなBICボールペンを突然発売する。きっと商品企画をしてる人も飽きてくるんだろう。今回の「Cristal Re′New」も従来のよく似たプラ素材のBIC金銀ボールペンも同様の位置づけ製品だった。

ときどき発売される記念プロダクトはBICの特徴だ。下から上に今回のCristal Re′New、スターリングシルバーのBIC、プラスティック製のゴールド&シルバーのBIC、BICの万年筆、BICの付箋、オレンジBICを持つBICボーイは初心者マニア必携だ

 一風変わったところではかなり昔に米国で手に入れた軸にスターリングシルバー925(純銀率92.5%)を採用した金属モデルがある。実測重量が45gほどありもはや気楽に書き物……とは少し縁遠い世界だ。同時に手に入れた軸がウッドのモデルもあったのだが今は宅内行方不明の状況だ。

今回購入したCristal Re′New(下)とスターリングシルバー(純銀度92.5%:重さ45g)のBIC(上)キャップはゴールドメッキだったが経年変化で剥げてきた

 さて話を本筋に戻して今回の「Cristal Re′New」で筆者が気に入らない2番目は本体内蔵の芯とオプションのリフィル芯が“1.0㎜のミディアム”であることだ。マーケティング的には1.0㎜ミディアム芯のブラックは極めて妥当な選択だ。しかし筆者はボール径1.6㎜の超極太(EXTRA BOLD)のブルー芯が長年の好みなのだ。

 幸いBICボールペンのリフィル芯のサイズはほぼ全てが同じサイズ。今回の「Cristal Re′New」はスライドスイッチで簡単に内蔵芯を押し出せる。超極太1.6㎜芯だけのオプションは余り見かけたことが無いので筆者が愛用している超極太ブルーからペンチで引き抜きあっという間に交換終了した。

Cristal Re′Newのスライドスイッチで芯を取り出し、ペンチで超極太BICから芯を取り出して交換した。圧倒的な1.6㎜径のボール(右)でヌルヌルとインクの出てくるEXTRA BOLD(超極太)のBICが好きだ

 一般的には画数の多い漢字を多用する日本では黒1.0㎜芯が極めて当たり前の選択だ。あくまで超個人的趣味だが、Amazonのリーガルパッドにほとんどイラストと注釈、To Doくらいしか描かない筆者にはBICのボールペンは極太芯ほどその使い勝手がフリーな感じなのだ。次回はキャップもアルミニウムで1.6㎜超極太の青芯リフィルをキットした余り売れそうにない変態モデルも発売して欲しい。

1.6㎜ボールに交換したCristal Re′New本体のアルミニウム軸のシルバーと芯先チップの薄茶色のマッチングがイマイチだが、1.6㎜ボールの滑らかな書き味には代えられない
商品購入場所価格
Cristal Re′New (クリスタル・リ・ニュー)Amazon.co.jp650円(税別)
Amazonで購入